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看護師という仕事のこと

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精神科看護師として働くなかで感じることや日々の学び、自分が大切にしていることをまとめています。
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#エッセイ部門

頑張るということ

頑張るということ

「頑張る」という言葉がある。
たいてい私達は皆、誰かに言われたことも、あるいは誰かに向けて言ったこともあるだろう。
中には「いや、初めて聞く言葉です。」という人もいるかもしれないので、念のため言葉の意味を調べてみた。

グワンばっている。

私達は皆グワンばっているのだ。
とくにこの季節。連日じめじめと蒸し暑く、ときに体温よりも高い気温の中で生きているなんて相当なグワンばりである。
加えて学校やら

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凸凹と私

凸凹と私

出勤して私が1番最初にすることは、自分の仕事部屋の掃除である。
前日にも簡単な掃除は済ませて帰るが、朝も必ず掃除をする。
机やイス、パソコンのキーボードにマウス、ドアノブや引き出しの把手も念入りに拭き掃除をしてから消毒する。
最後に患者さんが座る椅子を丁寧に拭く。机を挟んで、私の斜め前に置かれた椅子だ。私の椅子よりも上等で、座り心地も良い。
その椅子に座り、私は部屋をぐるりと見渡してみる。

患者

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精神科看護と私

精神科看護と私

これまでにも仕事のことを何度もnoteに書いているが、私の仕事は「看護師」である。
精神科看護師として20数年働いている。

「看護師として働いていこう」と決めたときから「精神科」で働きたいと思っていた。

高校時代の進路指導の教師に「心を看れる看護師になりたい。」とキラッキラした汚れない瞳で訴えていたのを覚えている。
瞳はキラッキラだが理数の成績はボロッボロで、とくに微分積分で「6点」という点数

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教えないという教え

教えないという教え

どう?辞めたくなってる?

いきなり何だ!と思っただろうか。
私は心配しているのだ。
世の「新人さん」達を。

あちこちに辞めたくなってきてしまった新人さんがいる。
新社会人である患者さんにも看護師側にも、向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに〜♪

いるよ。いるんだってば。

GWを終えたあたりでまず1発大きめの「辞めたい波」が押し寄せる。

毎日緊張しながら出勤し、緊張しな

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見えないマスク

見えないマスク

マスクの着用が個人の判断に委ねられることになった。
看護師という職業柄、もちろん私は今後もマスクは着用したまま過ごすつもりである。
病院の方針で患者さん達にも引き続きマスクの着用をお願いしている。

今日はこのマスクではなく「目に見えないマスク」について書いてみようと思う。

精神科で働くなかで「見えないマスク」を着けた患者さんと時々出会う。

見えないマスクとは何か。
「自分の本当の言葉を閉じこ

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