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他人に期待しない生き方のススメ

私はいつからか他人に期待するのをやめた。
親、友達、先生、会社の同僚含め良くも悪くも相手に期待をしていない。
他人はコントロールできない以上、自分がいくら考えようと想定外のことが起きるからだ。

期待しない習慣を身に着けてからは驚くことに人生がみるみる楽になった。

皆さんに「他人に期待するな」と強要するつもりはないが、ストレスの多い現代で感情をコントロールする力はもっておいて損はないスキルだ。落ち込みやすい、失敗を引きずってしまう、悩みが尽きないなどあらゆる場面で他人に期待しないマインドは大いに役立つと私は思っている。

本文をご覧いただき参考にできることが一つでもあれば取り入れてみてほしい。


感情が穏やかになる

他人に期待しない一番のメリットは感情が穏やかになるという点だ。
感情に振り回されて疲れるといった経験はないだろうか。人は怒るとき、落ち込むとき、感情の起伏が激しいときにかなりのエネルギーを使う。
自分の感情が入り乱れ整理できないとき、頭はパンク状態になりパニックを起こす。
仕事上でもよくあることで、その場合はまず紙に書いてメモするなり、気持ちや思考を整理することから始めたりする。

人は感情に動き、振り回されるのだ。

なぜ人は怒るのか、落ち込むのか

ではなぜ人は怒ったり、落ち込んだりするのだろうか。
それは自分が勝手に描いていた理想と現実に乖離が発生するからだ。
乖離が大きいほどギャップも大きくなり裏切られたと感じ、怒りや悲しみがこみあげてくる。
皆さんも私生活で感情が揺れ動いたとき、その感情を振り返ってみてほしい。多くの場合で自分が描いていた理想とのギャップがあったと気づくはずだ。

具体例をあげると、美容室に行ってオーダーした内容と全然異なった仕上がりになった経験は皆さんお持ちだろう。「モデルさんの写真を見せたのに現実と全然ちゃう・・・」と落ち込みながら帰宅し、その後自分で髪の毛をセットし直してみたということが一度はあるはずだ。

美容室の例で考えてみるとモデルさんのようなヘアスタイルになれると勝手に期待していたのは自分である。

いやいや、お金を払っているんだからその通りやってもらわないと。
と反論も聞こえてくるが半分は正解で半分は間違いだ。

美容師さんはふざけてあなたの髪の毛を切ったりしていない。
最後鏡を見せてくれるときあなたの顔色を伺いながら、あなたの不満足そうな顔をみて反省をしていたはずだ。
プロなんだからという意見もその通りだが、本当にそのモデル通りになれたのか?なれる手段を選んでいたのかを見直して見るべきだ。

  • いつも担当している人ではなかった→日付を変えて改める

  • 1,000カットでオーダーした→もう少し値段の高い美容室に行くべきだった

  • 髪の毛の癖や髪質がことなる→注文のメニューが間違っていたのではないか?

相手を責め立てるのではなく自分の行動次第で変えるべきことがたくさんあったのではないだろうか。

ある程度自分のコントロールできる範囲で正しい選択をとれば回避できることもあったと思われる。これはまた別の記事で詳しくお話させてほしい。

とやかく髪の毛の仕上がりにがっかりしたのは自分が過度な期待をもっていたことに対する事象なのである。
過度な期待をもたなければ、まあこんなもんかと許せることができるようになるのだ。

ここでのポイントは自分が勝手に理想を描いていたということ。期待を高めていたのは他のだれでもない「自分」なのだ。いわば自分のエゴで他人を過大評価し、期待通りにいかないと裏切られたと勝手に失望しているのだ。感情は他人に左右されると思っている人も多いだろうか、実は感情を動かしているのは自分にある。逆にいうと感情は自分でコントロール可能であり、感情を他人に左右されないためには相手に期待しないことが最善策なのだ。

期待値を下げてみる

他人に期待しないことを違う見方で捉えてみよう。
他人に期待しなければ相手への期待値が下がる。相手のパフォーマンスが少しでも良かった場合、自分の中でプラスに感情が働く。
プラスに感情が働いたとき人間は嬉しい、よかったなど幸せな気持ちになれる。

例えば、ランチに出かけた際、仕方なく入ったお店が期待以上に美味しかったという経験はないだろうか。

期待はしていなかったけど結果(それ以上に)よかった。という気持ちは最初に期待というハードルが下がっていたために美味かったというプラスの感情が働いている。

今まで期待に反して裏切られたということの逆の原理を行っているのだ。
そして、人間は単純なものでハッピーを感じる機会が多い人ほど幸せになり、周りからも幸せそうに思われるのだ。

ハードルを下げるだけでちょっとしたこともプラスに働き少しのことでも喜べるようになってくる。

他人に期待しない生き方がいかにハッピーか理解いただけただろうか。

期待しないスキルは後天的に身につく

もとからそういう思考だからできるわけでは?という声も聞こえるが「他人に期待しない」ことは後天的な訓練で身につくことが可能だ。

私自身も昔から他人に期待していなかった訳ではない。
大きな挫折を経験したことがある人は分かると思うが、感情が大きく下がり谷底まで落ち込んだ、悩みもがいてもどうしようもないときに這い上がるエネルギーはとてつもなく大きく、標準状態に戻すまでにかなりの時間とカロリーを消費する。

私が過去に挫折を経験したとき、自分自身や他人に対する期待を裏切られ、立ち上がれなくなり精神的にまいってしまったことがある。時間をかけて状態はよくなってきたものの、これ以上感情が谷底に落ちることへの恐怖感が今でも身体に染みついているほどだ。

そんなとき気持ちを自分でコントロールできる方法はないかと調べ上げ、感情を一定に保つ訓練など行ってきた。

その中で一番実用的で理にかなっているものが「他人に期待しない」ことだったのである。

※感情が天井まで高ぶっているときも要注意だ。
興奮のあまり周りが見えておらず、後々反動でマイナスに働くことも少なくない。調子がいい、感情が高まっているときこそ冷静に周りをみることも意識してほしい。

期待しない生き方には弊害もある

期待しない生き方には注意点もあるため提言しておこう。

自分でなんとかしなくてはという意識が過剰に働く

他人に期待しないということは、相手を頼る、相手に甘えるということが困難になってくる。何事も自分でやったほうが早いのではという思考が先行する。
時に良い場合もあるが、チームで動くとき、特にビジネスの場では一匹狼になっていないか広い視野を持ち合わせていなければならない。
人は得意、不得意領域があるため、自分が抱え込むのではなく外にパスして効率よく進める意識をもっておくことだ。自分にプレッシャーをかけすぎてはいけない。定期的に自分を励ます、ゆるすことで心のゆとりを確保してほしい。

相手を卑下してしまう

相手は自分より劣っていると優劣で物事を考えてしまわぬよう注意が必要だ。意識はしていても思考が言動に現れることが多々ある。相手を卑下することで自分が不利な立場になってしまっては本末転倒だ。他人に期待しないことと相手を敵に回すことは違うことを肝に銘じていただきたい。

あなたに親切にしてくれる人を見放さない

時に生活の中であなたに親切にしてくれる人が必ず現れる。その時そのご恩を絶対に忘れてはいけない。先日した通り一匹狼になることが目的ではない。相手に期待しないことと感謝することは別物なのである。

期待しない理論を相手に話すと冷徹な人と思われることがある。
言葉尻だけでみると冷たいやつだと思われかねないが、期待しないことが孤独に生きることはイコールではないのだ。
人間として社会のコミュニティに属しGiverの精神で感謝を忘れないこと。人間らしさを捨ててはならないのだ。

期待しない生き方のトレーニング方法

ここから具体的に期待しない生き方の訓練を伝授していく。
どうしても期待してしまうという人はわずかな意識を向けて小さく取り組んでもらいたい。

期待値を分散させる

あなたの周りにいる人に期待を分散させる。あなたが好意を寄せている人、あなたを大切に思ってくれる人に対して期待値が高まる傾向にある。一人の人に依存してしまうとその人への期待がますます大きくなり、居心地が悪くなってしまうのは予想できるだろう。
その時はあなたの周りにいる人に求めることを分散させることだ。
関係性もあると思うが、親密度が同じであればあなたの感情をより多くの人に共有できたほうが幸福度は高いのは言うまでもない。視野の広さと期待値は反比例の関係にあるため、友人が少ない人でも「今視野狭くなっていないかな」と俯瞰的に考えることが大切である。

怒ることをやめてみる

一度怒ることを意識的にやめてみる習慣をつくってみてほしい。これはかなり効果があるやり方だ。
怒ることで誰かが幸せになることは何もない。自分の感情に任せて話すことで相手は委縮し、空気も悪くなり何も解決に導かない。ただ自分が怒りたいという感情を作り出して発散しているだけのことである。自身も後で後悔したり、血圧が高くなったりいいことがない。であれば一度怒るという行為をトライして辞めてみてほしい。驚くことに怒ることがどれほどカロリーが高く時間を無駄にしているかを体感できるだろう。
怒りたくなったら感情を表わすのではなく冷静に注意をすること。これが意外と効果的で実際に合理的に話が進み、またこの人を怒らせたらヤバイという空気感が走り逆に緊張感が高まる。

「まあ、いいか」「しょうがない」を口癖にしてみる

自分の想像とギャップがあったとき口に出して「まあ、いいか」と声に出してみるのも有効だ。これまた自然と許せるようになっていく。相手に期待する人は「まあ、いいか」「しょうがない」が言えない人が多い。恐らく完璧主義な人が多く完璧主義を他人にも求めている可能性がある。自分の想定通りには行かないことのほうが多いのだ。だとしたらそれは「しょうがない」ことであり、繰り返さないよう次回以降はどうするべきか考えればいいことなのだ。
一方で、本当にしょうがないことだったのかは冷静になって考えるべき点でもあるため、感情を抑えたうえで振り返ってみてほしい。

おわりに

以上、長々と話してきたが私のベースにある考え方を述べてきた。他人に期待しない生き方はかなり有効な思考法である。自分がどん底から這い上がってきた経験をもとに確立した思考法であり、それ以降自分の感情に振り回されることなくコントロールが利くようになった。

感情をコントロールできれば自分以外に、大切な人を守りたいとき支えたいときにも寄り添うことができる。それは自分の気持ちをコントロール出来ているからこそだと思っている。

冒頭にも述べたが全員に強要するようなことはない。ただ、この思考を身に着けてから、害悪が少なくなり自分が生きてきて幸せと感じる瞬間が増えてきたことは事実だ。せっかく生きるのなら生きやすいように工夫してみては?という私からの提案である。


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