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月見 まる
2020年8月27日 06:19
ドムは、王達の墓へと近づく第8の王・タル王と鍵を持つ少女を止めるべく必死だった。動かない体に自由が戻ると、一目散に駆け出した。※ ※ ※ドムは少女とタル王の前に飛び出した。「ま、待って!」切れた息を整え、ドムは顔を上げタル王の顔を見上げた。「……」タル王の表情は先程までの穏やかさは無く、冷酷な目をドムに向けていた。「ねぇ、行こうよ」少女はタル王の手を引っ張り先へ進も
2020年8月25日 05:37
ドムは目の前にいる老人が第8の王様・TARU(タル)王だと気がついた。どうして眠りについていた王様がここにいるのだろうか。ドムは全身の血の気が引いていき寒気を感じていた。※ ※ ※少女は笑顔でタル王に手を伸ばした。「これ、どこの鍵か知ってる?」少女の手にはあの鍵が握られていた。「はて、どこの鍵だろうね」タル王は手を差し伸べた。ドムはとっさに鍵を渡しては行けない、と直感で感
2020年8月20日 05:09
おじいちゃんは王様なの?の少女の問いかけに老人は「王様だった」と答えた。ドムはこの暗闇の中の声を聞き取る老人がいったい何者なのか考えを巡らせた。※ ※ ※かつて王様だった老人は暗闇からドムへ視線を戻した。「何か聞きたいことが沢山ある顔をしているね。でも、もう少し待っておいで。すぐに答えは見つかるだろうから」老人はそう言って目を細めるとカップに手を伸ばして口を付けた。「おじいちゃ
2020年8月18日 06:41
新人墓守のドムは、再び目の前に置かれたカップに老婆との楽しいお茶会を思い出した。しかし今は違う。それは賑やかで楽しいものではなく、音一つでも響き渡るほど静かなものだった。※ ※ ※古びたローブを着て頭には王冠が乗った白髭の老人は、ドムと少女を見つめにっこりと笑顔になった。「おじいちゃんって、王様なの?」少女が老人に向かって声をかけた。ハハハ、と老人の笑い声が暗闇の中にまるでボー
2020年8月13日 06:32
新人墓守のドムは、暗闇が広がる王達の墓の中で声をかけられた。それは、老婆ではなく白い髭を生やした老人だった。老人の頭には王冠がのっていた。※ ※ ※ドムは隠れていた小屋の隅で静かに立ち上がった。少女も不安そうにドムの手を握り立ち上がる「さぁ、こっちへ。今お茶を入れよう」静かな風が吹いた。すると、ドムは美味しそうな紅茶の香りを鼻先で感じ取った。「お兄ちゃん?」ドムを心配そうに
2020年8月11日 06:18
新人墓守のド厶と、王達の墓で出会った少女・あーちゃんは小屋の前でお茶会が開かれた形跡を見つけた。誰かを待っていたのか、それとも見送った後なのか…。不思議な感覚に包まれるドムだったが、それはすぐに恐怖へと変化した。ドム達の他に、足音の無い者が小屋へと近づいていたのだ。※ ※ ※足音のないその影は小屋の前まで来ると、その動きを止めた。微動だにしないその様子は不気味で、ドムと少女は息を止め影が