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「終わりなき週末」の考察、ネタバレあり

Netflixオリジナル「終わりなき週末」の考察していきます。
2023年の作品ですが、私の2024年のBest3に入ります。

※以下ネタバレです!

あらすじ

白人父、白人母、白人兄、白人娘の4人はNYに住む中流階級の一家。
白人一家は郊外にある貸別荘で週末を過ごすため、旅に出る。

ビーチで過ごしていると突然巨大なオイルタンクの船が漂流する事件にあう。
別荘ではWi-Fiやテレビが繋がらず、白人娘も「フレンズ(アメリカドラマ)」の最終回が見れず困っていた。

その夜、別荘の家主と名乗る黒人父と黒人娘が訪れる。

彼らは「街が停電になったのでここで過ごしたい」と言う。
しかし、白人母は疑い深い性格なのと人と距離を置いて休暇を過ごすのが目的だった為に彼らの訪問に混乱するが白人父の説得もあり一晩共にする事になった。

朝起きるとGPSの故障や電波障害、通信機器のハッキングなどが起こる。
この自体に黒人父は何かを知っている様子であったが語ろうとはしなかった。

白人父は近くの様子を見るために車を走らせるが、明らかにおかしかった。
人の気配はない街に1人手を振る女性がいた。近づくと助けを求め叫んでいたが、スペイン語が分からず白人父は急いでその場を離れた。

帰り途中ドローンから大量のアラビア文字で書かれた宣戦布告のチラシが舞っていた。

白人家族は家に帰ろうとしたが、大量のテスラ車によって道が封鎖されていた。
(おそらくイーロンに向けての見せしめのためのハッキングによるもの)

放射ノイズにより毎日耳障りな音も鳴り響いた。

白人兄がマダニなどに刺されたか放射ノイズの影響か歯が抜け落ちる病気になった。

白人娘はあたりを散歩している途中、高級別荘に忍び込む。
そこで地下シェルターを見つけ中に入ると数年生活できる食料や水、機能するパソコン、トレーニング器具などが揃っていた。
白人娘は大量にあるDVDの中に「フレンズ」の最終回を見つける。

これがアメリカの終末なのかもしれない。

考察ポイント

◯戦争が始まる時はゆっくりと
私たちは「今から戦争です」と言わんばかりに爆撃と共に開始するものだと思いがちですが、
実際はサイバー攻撃や船が漂流したりなどから始まると思われます。

劇中で黒人父はトレーダーなどの仕事もしていた際、株価の動きがおかしいと感じた為に郊外の別荘に帰ってきたと言っています。

◯世界の権力者
黒人父は世界を動かす権力者(ロックフェラーなど)と友人だった。
そして戦争の数日前にその権力者から電話がきて、大金を動かすように頼まれたと言います。

なので彼らでさえ世界を動かしているようで、動かされているだけかもしれない。

◯アメリカの歴史
アメリカは移民によって作られた国です。
実際はインディアン系の先住民がいたけど、ヨーロッパ系の白人が占領し、黒人を奴隷として貿易していた歴史がある。
なので、いまだに黒人差別やスペイン系などの移民問題がある。

アメリカ人本人達も人種差別だけではなく、パーティ社会なのでアメフト部やチアリーダーは格上などというのは存在している。
差別してようやく人権を持つ意識はあるだろう。

劇中で「人を無意識に傷つけている。紙のストローにしたり無農薬チキンにしてごまかしているだけ」だと言う。
私たちは本質に気付いているのに、目を背けてしまうものなのか。

◯宗教
白人娘がある物語の話をするシーン。
「街が洪水になり水没するが、ある男は祈りを捧げ神の助けを信じていた。
ボーノに乗った人が手を差し伸べたが断った。
男は亡くなり神に「毎日祈りを捧げて愛されると信じていたのになぜ助けてくれなかった」と怒った。
神は「洪水になる情報を知らせたし、助けのボートも送った」と」

祈りは無意味で現実的にやれる事をやる。
これは宗教的にあまり関心のない日本人からすると当たり前の発想かもしれないけど、
アメリカではキリスト教など「祈り」という行為を重んじ、神は救ってくれると信じています。

カトリックやプロテスタント、宗教絡みで長く争ってきた人類なのでこのシーンはとても衝撃です。

◯ラストシーン
白人娘はラストで世界大戦にまで発展しそうな戦争が起こる中、ずっと気になっていた「フレンズ」を見始めます。

これは私たちも同じで、現在ウクライナやガザ地区の戦争など世界ではたくさんの戦争や日本でも地震が起きたりしている。

なのに芸能人の誰が結婚したとか、アイドルが新曲を出したとか、目の前にあるどうでもいい情報が全てを忘れさせる。

スマホは現代におけるドラッグと同じで、お酒やタバコの方が安全だと言われています。

1番若い白人娘は電波障害でNetflixなどが見れなくなった事にいち早く禁断症状が現れました。

たくさんのコンテンツ、快楽に溢れた時代に生きる私たちだからこそ起こることですね。

現代風刺っぽくてとても面白いラストです。

◯制作会社
オバマ元大統領の妻が設立した会社が手がけた作品です。
正直この事実が1番面白いのではないかと思ってます。
仮に世界大戦が起きるとしたらこの順序だよって教えてくれてるのと同じですよね(笑)

劇中で戦争の1番コストのかからない作戦を言っています。
①隔離
全ての通信などを遮断、無効化させる。
②準備 
誤報などによってカオス化させる。
防御力や軍事力、兵器などを弱体化させ過激派や軍の侵入を許す。
明らかな敵がいないと市民は互いを敵視する。
③は自然に発生する。
要するにクーデター、内戦、崩壊。



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