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「男色ディーノ」という「闘い」

「プロレスに小道具は必要ない」という永田選手のメッセージ。これはジョン・モクスリーだけに向けられたものではないはず。

ケニー・オメガが新日本プロレスのトップで試合をするようになってから、明らかに「机」の使用頻度が増えました。ケニーがいなくなって改善されたとはいえ、その傾向はいまも続いています。NJC決勝のオスプレイ vs 鷹木とか。

凶器を使ってもOKなハードコア戦やノーDQ(反則負けなし)マッチならともかく、通常ルールで机を使ったら本来は反則負けのはず。審判の目を盗んで反則をするのは他の競技でもあることですが、普通にレフェリーが見ている前でやってスルーされるのは。。。

特に新日本は場外での反則に対してチェックが緩い。リング上でやったら即負けなのに、場外では椅子で殴っても机に叩きつけても試合続行。矢野さんがテーピング用のテープで鉄柵に相手を固定してリングアウト勝ちするのもスルー。面白いのは認めるけど「面白ければルール破っても見逃すの?」と。

「MTVアンプラグド」じゃないけど、凶器や場外戦に頼らない肉体と頭脳を競い合う「闘い」でファンを満足させてこそ一流のプロレスラー。それをできた上で変化を付けるためのオプションとして反則を使うのか、あるいはスキル不足で間が持たないから小道具やセコンドの乱入に頼るのか。

そう考えると、先日DDTでおこなわれた秋山準 vs 男色ディーノは賛否両論ありますが、私的には一流のプロレスでした。ちゃんとルールに則った(いろいろな点でギリギリでしたが)互いの頭脳と感性と肉体だけを駆使した「闘い」で満足させてくれたから。

ディーノ選手の「ゲイレスリング」は一見ふざけているようで、かなり緻密に練られています。「面白ければいい」ではなく、ちゃんとルール内で勝ちに行くタクティクスが組み立てられている。矢野さんみたいに忖度もされていない。あの人、相当頭がいいですよ。

改めて新日本には「ストロングスタイル」という言葉の意味を考えて欲しい。じゃないとディーノ選手に「技がないからモノに頼るなんて大人の男の風上にも置けないわ♪」と言われちゃいますよ。





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