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ひとつの街に「書店」はいくつ必要?

「SHIBUYA TSUTAYA」が10月に全フロア改装工事をするそうです。

スクランブル交差点に面した最高級の立地。数年前に6Fの書籍フロアへ足を運び、スタイリッシュな空間に最先端を感じました。7Fのカフェ「WIRED TOKYO 1999」と繋がっているのもポイント。

2024年春にリニューアルオープンとのこと。本屋としての立ち位置がどうなるか気になります。ここ数年、渋谷から大きな書店がなくなっているので。

かつてこの界隈で働いていた頃は、まず職場でほしい本を探し、なかったらTSUTAYAか丸善ジュンク堂へ足を運びました。いまだったらどこだろう? 最初に思いつくのは、隣の表参道まで歩いて「青山ブックセンター」。あくまでも渋谷で探すなら「HMV&BOOKS SHIBUYA」でしょうか。

一見はライトで若者向けの佇まい。しかしSNSのトレンドや現在進行形の売れ筋に寄った選書かと思いきや、渋いところも押さえていました。私が持っている村上春樹訳の「グレート・ギャツビー」にはこの店のカバーが掛かっています。

↓もここで出会いました。予備知識ゼロの衝動買い。若い新人教師が地方の分校へ赴任するという学園小説の王道です。灰谷健次郎「兎の眼」が脳裏に浮かびました。

将来的に「完全無人&キャッシュレス」の街の本屋が出店するとしたら、最初は渋谷かなと考えています。近くにカフェを併設すれば、話題の本をサッと買い、コーヒーを飲みながらすぐ読める。ただそういうタイプの店だと↑みたいな思いがけぬ出会いは難しいかもしれない。

じっくり己と向き合い、雰囲気を楽しみつつ衝動買いする人もいれば、目的のものをさっさと手に入れて帰りたい人もいる。だからやっぱり書店は最低でも街にふたつは必要だなと思うのです。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!