見出し画像

寡黙な職人は「与えられた場」で輝く

ここまででチームは40試合消化。岩崎(いわざき)投手はそのうちの21試合に投げて15ホールド。しかも防御率が0.93だからもう神業の域です。クローザーのスアレス投手と共にタフな局面で連日投げ、結果を残しています。

入団当初、岩崎投手は先発をしていました。気になる存在でしたね。若いのに直球が130キロ台(いまは短いイニングしか投げないのでもう少し速いですが)。変化球のキレやコントロールが飛び抜けているわけでもない。なのに奪三振が多い。しかも感情を表に出さず、淡々と投げ込んで勝ち星を挙げる。

私のnoteを読んでくださっている方はお気づきでしょうが、こういう「黙々と己の役割を果たす」「人は人、我は我」の職人タイプが大好きなのです。

リリーフに転向した当初は、ビハインドの場面で投げることを含めた「敗戦処理」が多かった印象です。他に実績のある投手が何人もいましたから。でもどうやら、そのときの経験が大きかったようで。

↑は元・阪神タイガース藤川球児さんのYou Tubeチャンネル。この中で球児さんはメジャーからの復帰後に務めた「敗戦処理」について語っています。「当時はぼくと岩崎がそこで攻撃のチャンスを支えていた」と。つまり負けている場面で出てきて相手チームの押せ押せムードを断ち切り、味方が反撃する空気を生み出したわけです。

ラミレスさんも語っていました。「『敗戦処理』ではなく『相手の勢いを止める投手』という表現にしたい」と。ここにリリーフの矜持があるわけです。岩崎投手はこの「相手の勢いを止める投手」時代に球児さんの背中を見て学んだのでしょう。リリーフは先発になれなかった者が仕方なくこなす仕事ではなく、チームが勝つために欠かせぬ大事な役割であると。

常に「なりたい自分」を追い求めるのは素晴らしいこと。と同時に「求められているポジション」を理解し、与えられた場で結果を出して認められることも人生の喜びにつながります。このバランスを車の両輪として、元気に走って行きたい。

岩崎投手、いつもありがとう。どうぞ身体にお気をつけて。タオル買います。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

最近の学び

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!