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カタカナと横文字

初めて聴いた時はそうでもなかったのに、社会人になってから「あれ? 何かカッコいいぞ」と評価が一変する曲ってありませんか? そんな粋な一曲をご紹介します。

「Blue Velvet」 1997年発売 
作詞 愛絵理  作曲・編曲 はたけ 歌 工藤静香

愛絵里(あえり)は工藤静香さんのペンネーム。「ドラゴンボールGT」のエンディングテーマです。「GT」は当初こそ原点回帰でボール集めの旅を続けていましたが、ベビー編以降はパワーインフレの「Z」路線に戻ってしまいました。それはそれで楽しかったけど、最強キャラが毎週入れ替わる展開にちょっと疲れたのを覚えています。

さて、この「Blue Velvet」ですが、歌い出しでいきなり「ラン トゥ ザ ハリケーン」と来ます。カタカナです。GACKTがアニメ「北斗の拳」のOP「愛をとりもどせ」「YOUはSHOCK」が「YOU ARE SHOCK」じゃなかったことに衝撃を受けたというエピソードを以前noteに書きましたが、これもなかなかのインパクト。

そしてサビの「流星が走り抜けるmidnight 動き出せ眠るくちびる」
工藤さんはタンバリンを手に持ってこの曲を歌うのですが、激しい動きと情熱的な声から会いたい気持ちを抑え切れないという切実な疾走感が伝わってきます。ここではミッドナイトじゃなくmidnight。意を決して好きな人を奪いに行く女の本気。明らかにギアが上がっています。最後は「どうやら彼にはもう」でひと呼吸置き、「くびったけ」と囁く。可愛らしい声で。だからひらがな。完璧です。

なお二番は「情熱は無数のバラmidnight ジェラシーは深紅のソリチュード」となっています。ソリチュードは「孤独」。悪くないけど、一番に比べると歌詞のための歌詞という印象を拭えません。バラと情熱の組み合わせは定番ですし。あとここはアルファベットにした方が背筋にゾクっと来る感じが出ると思うのですがいかがでしょうか? ただ工藤さんが歌っているとそんな些末なことがどうでも良くなってしまうのも確かで、アーティストにとってはカリスマ性や佇まいも武器なんだなと実感しました。これは作家にはないライブ系表現者の特徴ですね。

ぜひ聴いてみてください!!!






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