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イチ書店員が「文禄堂早稲田店」閉店に思うこと

早稲田中学校の並びにある街の本屋「文禄堂早稲田店」が、9月16日に閉店するそうです。

前身の「あゆみBOOKS」は私が子どもの頃からあります(平成元年にオープンしたらしい)。生活エリアが変わって足を運ぶ機会はほぼなくなったけど、岩波文庫のプルースト「失われた時を求めて」を探しに行こうと考えていました。

昔はともかく、いまは常連として通っていたわけではありません。ゆえに悲しいとは言いたくない(他の人がそういう思いを抱くことは尊重します)。ただ閉店までに必ず買いに行きます。もし「失われた~」が置いてなくても、他の本を購入させていただく所存です。

幅広いジャンルとユニークな選書を楽しめた記憶があります。お近くへお越しの際はぜひ。

ちなみに↑のなかで、早大生が「大学周辺で新書や雑誌が買える所がなくなる」と話しています。首を傾げました。早稲田はキャンパス内の生協に大きい本屋があり、会員証を作っていれば安く買えるはず。

調べました。

やはり17号館の地下1階にブックセンターがあります。「主な取り扱い商品」のなかに新書も雑誌も含まれている。

くだんの学生さんが知らないはずはない。それでも「文禄堂早稲田店」で買っていたのだとしたら、その事実がまさに同店の魅力を証明している。そんな気がしました。

もうひとつ。隣の高田馬場には「芳林堂書店」が健在です。

いちばん上の記事に「早稲田周辺よりにぎわいのある高田馬場であっても、近年は老舗の芳林堂書店が破産し、書店チェーンのブックファーストの店舗が閉店に追い込まれるなど書店を取り巻く環境は厳しい」と書かれています。

同書店が2016年に破産したのは事実。当時勤めていた本屋で聞かされ、びっくりしました。でも書泉さんに事業譲渡され、いまも営業しているのです。そこは強調しておきたい。

文禄堂さん、近々お邪魔します。芳林堂さんも。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!