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2006年2月の「棚橋弘至」

ドリカムの「G」という曲をご存知ですか?

序盤にこんな歌詞が出てきます。

「夢か本能か欲望か 優柔不断か優しさか リーダーシップか強引か」

よく似たシチュエーションにおける同じような決断でも、周りや世間がどう捉えるかはケース・バイ・ケース。そんな解釈をしています。

さて棚橋選手。

新日本プロレスの社長兼トップレスラーである彼が、真夏の祭典「G1クライマックス」への出場権を懸けたトーナメント準決勝で、デビュー2年目のボルチン・オレッグ選手と対戦します。

エースがもうひと踏ん張りする姿を見たい。一方、すでに31歳でアマレスにおける実績十分のボルチン選手にも早く上がってきてほしい。加えて社長には経営の方へ集中してもらいたい。複雑な本音が入り乱れています。

ただ大前提として、トップが若手に「譲る」試合をしたら誰のためにもなりません。

2006年2月、次世代のスターと目されていた棚橋選手は当時新日本のエースだった永田裕志選手をシングルマッチで撃破。しかし試合後の永田選手は余裕綽々の態度で勝者を称え「元気だけど負けてあげた」と言いたげな空気を醸し出していました。

棚橋選手は相当悔しかったはず(控室でかなり荒れたとか)。力は足りないけど会社が推しているから勝てた、みたいなレスラーにファンが感情移入するのは難しい。永田選手からしたら「まだ俺が敗れるレベルじゃない」という心境だったのでしょうが、ちょっと気の毒だなと思いました。

私の知る棚橋選手は、自分がされて嫌だったことを他人にはしないタイプ。だから勝つにせよ負けるにせよ言い訳無用の姿勢で臨むはず。私も経験がありますが、部活などで後輩に抜かれた時はついペロッと舌を出し、ポカしちゃったとアピールしがち。でもその種の取り繕いがどれほどカッコ悪いか、社長は十分にわかっているはず。

7月3日の一戦、楽しみです。

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