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【本とわたし】 あなたは静かに生きることができるはず。

ほかの人が読んでくれなくても、自分自身を読者として、真剣に書くことができれば誰でも、魂にふれる言葉を記すができる。
むしろ、もっとも魂の深いところに届く言葉は自分から出る。
不思議なことかもしれないけれど、本当のことなんだ。
君をはっとさせる言葉、君を目覚めさせる言葉は、君自身から発せられるんだ。

君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた 


 本を読んでいるとき、立ち止まってちょっと考え巡らせたいな、そう思える言葉と出会えるとうれしい。読書体験がより深まるから。

冒頭の『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた/著者・若松英輔』の中にあるこの言葉が、私の胸に響いてる。

自分自身を読者に真剣に言葉書くこと、それはきっと・・・魂にふれる言葉なんだ。私自身から発せられる言葉が、わたしを救うのかもしれない。

つい先日読み終えたばかりの、こちらの本が良かった。付箋がたくさん付いて正直まとめるには時間もかかるし、note に書ききれないほどの思いがあるのだけれど。特にこれは心に響いた!というものを、自分のために残すことにします。ぜひお付き合いください。

装丁とタイトルに惹かれた


▼静かに生きて考える 森博嗣


歳を重ねるたびに、都会の暮らしに、やや疲れを感じているように思う。
これまで求めていたものを、少しずつ求めなくなっているし。今あるもので十分と、それ以上はもういらないという思いも強くなっている。どんどん削ぎ落としているイメージ。

自然を求めて山や海へ出かけることが好き。自宅で、静かに掃除したり、整理整頓したり。昼寝したり、読書しているほうが合っていると思う。

いずれはこの街を離れて、もっと自然が身近にある場所へ引っ越したい。

しかし、じゃあすぐに、引っ越そう!というわけにもいかない。
数年前、夫から『それで、どこに住みたいの?』と言われても答えられなかった。ただ漠然と引っ越したい・・・それだけだった。

今も相変わらず漠然としているけれど、こういう本を読んで胸のなかにある「自分の暮らしと生き方」を確かめていたように思う。



●メリハリのない生活

毎日同じことをしている。決めたわけではなく、自然にそうなった。起きる時間、寝る時間、風呂に入る時間、もちろん食事なども時間が決まっていて、休日も平日も、大晦日でも元旦でもまったく変わらない。世間の人たちが楽しんでいるような「行事」は、僕には無縁だ。

P161

 私もそんな毎日がいい! 365日、至って平凡で、淡々とした暮らしを望んでいる。数年前から自分のお誕生日は祝わなくなった。(とはいえ、夫と子どもが祝ってくれている。それで十分)記念日は、夫の気持ちもあるので、ささやかなお祝いをしている。

 一年通して季節を楽しみつつも、基本、食事は似たような和食と洋食メニューを繰り返す。わざわざ混雑している場所へ出かけることも減っている。
今は子どもがいるから付き合っている部分もあるけれど、GWや夏休み・冬休み・春休み、ほんとうは静かに暮らしたい。これも、子どもが大きくなれば自然となくなることなので、今は無理しない程度に付き合っている。

 それより、山へ行こう!森林公園行こう!海へ行こう!って、ときどき子ども誘ってお弁当持って出掛けている。空気はおいしいし、肩の力も抜けていくし、自然のなかで食べるはおにぎりは、やっぱり美味しいのだ。


これはツナだけど、
私は鮭と、何も具のない塩が好き。



●ひとりで考える時間

一人なら、自分に正直でいられるし、自分がどう感じるか見ることで、人間というものの綺麗なところも汚いところも、一番正確に観察でき、人間が理解できるだろう。この理解が自分以外にも役に立つ。
孤独な時間はとても大事なもので、できるだけ多く一人の時間を持ち、有意義に使って欲しい。一人で考える時間が、人を成長させるだろう、とも思っている。

P188

 ひとりで過ごす時間は大事。この時間に支えられいるし、日常とのバランスを取っている。 『有意義に使って欲しい』という森さんの言葉が胸に響く。せっかくの一人時間、たとえばSNSを見て過ごすのはもったいない。だから大事なのは、『ひとりで考える時間』を持つことなんだと思う。

・日記を書きながら考える。
・本を読みながら考える。
・頭の中で考えていることを整理する。

孤独は最悪って、本当にそうだろうか?
孤独とは、静かでのんびりとして、ゆるぎのない幸せを感じさせてくれる時間のことではないだろうか。

P44
ひとり静かに考える、そして書く。



●方法があると信じてしまう

既存の方法に安易に飛びつかないこと。ある人物一人の指摘を鵜呑みにしないこと。できるだけ多くの意見を受け入れ、よく考えること。悩む時間を惜しまないこと。回り道を少しずつ進むこと。一つの方法に拘らず、そのときどきで最適のものを考えること。そうすることで、自然に問題が薄れていく。

P287

第38回の『簡単な方法に縋って失敗する』に書かれていた言葉。あるあるだな、と思った。そういう方法に縋りたくなるのよ、わたしも。
それが結果的に解決への道が遠くなっていることがあったり。かなり進んでしまった後に、ハッと気づかされることもある。気づいた時がチャンスで、軌道修正をして本来歩むべき道を探して歩む。

実のところ、少しずつ誠実に歩む道は、だいたい目の前にある。歩みにくそうに見えているけれど、歩けないわかではない。そこへ一歩、一歩、足を前に出してゆっくりと進むだけだ。それほど難しいものではない。

P290

目の前にある、その誠実な道を、ゆっくりと歩く。けして、焦らないこと。



●頑固にならないように気をつけておこう

だから、若いうちに、自分が頑固にならないように気をつけておこう。自分はこんな人間だ、と思い込まない。今の状況に満足して落ち着きたい気持ちはわかるけれど、いつも新しいものに目を向け、自分の考え方を疑い、問題点を探そう。

P298

 はい!と背筋が伸びるような言葉です。頑固にならないように。歳重ねても、柔らかい頭と心でいたい。
私の場合、『読書すること』『新しいこと知らないことは、勉強すること』『人の話に耳を傾けること』『これって本当に正しいのかな?』と一呼吸おいて考える癖をつけていくこと、かな。

あと、物事を“新しい目で見る”ためには、新しいものを好み、受け入れていくこと拒否せずに、一旦受け止めてみる。受け止めるには、心に余白がなくては受け止められない。コーヒー飲んで、ほっとする時間も大事にね。

ひとりの女性として、立ち戻る時間。


●深呼吸しよう

なにかもやもやするときに、深呼吸して、身近にある自然に目を向けて欲しい。植物でも動物でも良い。風景でも星空でも良い。
あなたは、静かに生きることができるはず。

 生きていると、しんどいこと、辛いこと、苦しいことはあるし、傷ついたり凹んだり。落ち込んで立ち上がれない日だってある。そういう時にこそ、一人になって、自然に目を向けよう。心静かになれば、きっと新たな光に気づくはず。

 

四月〜六月の新緑の時期が楽しみ。
山登り行きたい。


今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。
冬から春へ季節の変わり目ですね。お身体ご自愛ください。
そして、深呼吸、深呼吸。


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