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5大総合商社の2023年3月期第3四半期の実績と通期見通し~各社の稼ぎ頭と弱みも分析~

こんにちは!
総合商社4年目で就活コンサルタントをしておりますYasuと申します。

少し遅れましたが、今回は5大総合商社の2023年第3四半期決算と通期予想を見ながら、各社の事業の特徴を分析しようと思います。

総合商社志望の方々はタイムリーに、各社の財務体質や事業に関連するニュースを把握することが大切です。

以下のような記事も書いていますので、チェックしてみて下さい。

ひとことで言いますと、5大総合商社は資源価格高騰の影響もあり、かなり調子が良い状況です。

好調な要因を知ることで、今商社が目指す理想像が理解できることでしょう。
また私自身、OB訪問で、
「各社の事業の特徴を教えてください」とよく聞きますがが、正直webで90%以上の情報は集まりますし、単一の事業しか携わっていない社員よりも深く理解できるはずですので、理解するようにしましょう。

では早速第3四半期の実績と通期見通しを見ていきます。

5大総合商社の2023年3月期第3四半期の実績と通期見通し

5大総合商社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事)は、2023年2月に2023年3月期の第3四半期実績と期末予想を発表し、
いずれも好調な業績を見込んでいます。

2023年3月期第3四半期 実績

三菱商事:9,557億円
三井物産:8,408億円
伊藤忠商事:6,822億円
住友商事:4,642億円
 丸紅:4,634億円

(※)各社IR情報より抜粋


2023年3月期の期末予想


https://toyokeizai.net/articles/-/659960?page=2

特に今回衝撃的だったのは、三菱商事と三井物産が2023年3月の通期決算における純利益目標が1兆円を超える見通しとなったこと。

総合商社も大台を突破してきたなという印象です。

第3四半期決算発表時に、三菱商事と丸紅は純利益の上方修正も行われました。
この2社は控えめに見通しを出す印象がありますので、通期決算時に更にサプライズも期待できますね。

株主還元も好調

株主還元は以下の通りで、総合商社は株主還元の拡充を進めています。

三菱商事
・年間配当を180円に増配
三井物産
・年間配当を135円に増配
・1000億円の自社株買い
伊藤忠
・250億円の自社株買い
丸紅
・年間配当を78円に増配

5大総合商社 事業の強みと弱みの分析

総合商社の事業ポートフォリオは似通っていますが、一定の特徴がありますので、今回の決算をもとに各社分析していきます。

私が考える強みと弱みは以下の通りです。

三菱商事


強み:エネルギー関連事業や鉱業事業が強みで、資源価格高騰による収益が
   見込まれています。さらに、自動車やインフラ事業も成長が期待。
新エネルギー事業やICT関連事業にも積極的に投資しています。

弱み:資源市場の変動リスクや、温暖化対策への取り組みが課題。
   脱石炭を進めて、環境への取り組みやESG投資によってリスクを緩和
   することが今後求められてきます。

三井物産


強み:エネルギー事業や金属資源事業が好調で、資源価格の上昇に伴い、
   取引数の増加が増収要因。また、インフラやICT関連事業にも積極的  
   に取り組んでいます。環境対策や再生可能エネルギー分野への投資も
   強化しており、持続可能な成長にも期待。

弱み:収益における資源依存率が高いため、市場変動のリスクがあります。
   非資源事業への多角化と事業展開が課題となります。

伊藤忠商事


強み:繊維や食品、金属など多様な事業を展開しており、化学品事業が特に
   好調です。資源市場への依存が比較的低いため、変動リスクが小さい   
   商社です。
弱み:三菱三井と競争が激しい市場や、取引先との関係構築が課題。
資源分野では一歩遅れているため、事業の開拓や戦略的な投資が求め
   られています。

住友商事

強み:資源・化学品や金属などの事業が強みで、資源価格高騰により大幅な
   増収が見込まれています。生活・不動産やメディア・デジタル事業
   も力を入れており、多様な収益源を持っているのが特徴。
弱み:三菱と同様に資源市場の変動リスクに注意が必要です。
非資源事業への多角化や、環境に配慮した事業展開は課題です。

丸紅

強み:食品・農作物のイメージが強いものの、資源関連事業も大部分の利益
   を占めています。米国での穀物・農業資材関連事業の好調や円安が増 
   益要因となっています。さらに、インフラ投資や電力事業にも注力し
   ています。 

弱み:資源市場の変動リスクが存在します。
また、競争が激しい市場や新興国での事業展開において、
   今後、戦略的な投資やアプローチが求められます。

2024年3月期の決算の行方は?

日経新聞の記事によると、2024年3月期の純利益は、三菱商事、三井物産、伊藤忠、丸紅の4社は減益予想となっています。

上で述べた通り、各社の収益増加は全て資源価格高騰による、一時的なものと捉えられており、足元のエネルギー価格も既に下落してきていますので、来期好調が続くとは考えられづらいですね。

各社非資源でどこまで稼げるか、言ってみれば伊藤忠の挽回も考えらrテル展開になってきます。

5月ごろに発表される各社の通期決算及び来年度の予算発表を待つこととしましょう。

考察&就活生へのアドバイス

上で分析しました通り、総合商社は、資源・エネルギー市場の動向に大きく左右される業界です。将来を見据えて各社は非資源事業に力を入れており、環境や社会貢献に関心を持つことがますます重要となっていることは明らかでしょう。

また、環境対策や再生可能エネルギー分野への投資が増えており、持続可能な成長が期待されています。

就活生にとっては、5大総合商社の強みや弱みを理解し、自分の興味や適性に合った企業を選ぶことが大切です。

さらに、総合商社は多様な事業を展開しており、最近では「デジタル技術」や「環境対策」「社会貢献」を重視した事業展開が求められるため、これらの分野に関心を持ち、関連する知識や経験を積むことがアドバンテージに繋がります。

総合商社の理想像を理解して、自身の強みをどうアピールすべきか念入りに考えてはいかがでしょうか?

今回はここまでとします。

最後までお読みいただき、有難うございました。

私のnoteでは今回のような就活関連の記事や、総合商社のニュースをアップデートしていきますので、是非チェックしてみて下さい。

宜しくお願いします。

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