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関ジャニ∞楽曲の異端児「This moment」の魅力を語らせてください!!

アイドルに全く興味が無かった私が、関ジャニ∞を好きになったキッカケは音楽である。

以前、嵐と関ジャニ∞の恋愛曲の違いについて記事にした。

パブリックイメージを考える趣旨であったため、分かりやすくシングル曲のみを調べた。
しかし、「名曲はカップリングに有り」ということは、アイドルに限らず音楽好きの中で常に言われていることだ。

この記事を投稿した後に、関ジャニ∞ファンもといeighterさんにも、「エイトは真っ直ぐな恋愛曲が多いんですかね?」といったコメントをいただいた。

確かにシングル統計だと、そのような曲が多い。
しかし、私はあえて「そうじゃない」曲を紹介したくなってしまった。パブリックイメージと違うギャップを楽しめる、挑戦的な曲こそカップリングの魅力だと言えるからだ。

そして、数あるカップリング曲の中でも、まず愛を語りたいと思った曲が「This moment」である。「へそ曲がり/ここにしかない景色」のカップリング曲だ。

eighterさんの好きなカップリング曲の話題でも、挙がったところを見たことがない。それが不思議なくらい、私はこの曲が大好きだ。
この曲は関ジャニ∞楽曲の中でも、かなりの異端児だと言える。そんなところがカップリングらしくて好きなのだ。

早速、「This moment」を超個人的見解で解説、語りたいと思う!あくまで超個人的見解である!!


▶1:大人っぽくて切ない片想い?

まず、この曲の大きな特徴は、「三拍子系」であることだ(6/8拍子)。

関ジャニ∞楽曲の中でこういうテンポの曲はほとんどないので、ここで既に異端だと言えるだろう。この切ないゆったり感が、いつもワイワイ元気で暑苦しい彼らとかけ離れている。

そして、私が彼らの音楽の最大の魅力だと思っている”耳心地の良い不協和音”が、存分に楽しめるハーモニー。

イントロの「This moment…」とささやく部分から、がっつりハモっていて、バラバラの声質なのに繊細な歌声で混じり合っている。ここでもう心をつかまれてしまう。

そんないつもと違う、大人っぽくて切ない雰囲気で始まるこの曲の歌詞に注目していこう。

<Aメロ>
抱きしめても何か足りない その訳ならわかってる 
ボクの知らないキミがいるから この想いは止まらない

一発目で「抱きしめても何か足りない」と始まる。
曲調の時点で明るいとは感じなかったが、"ボク"の恋愛はやはり何か上手くいっていないようだ。そんな含みのある歌詞だ。

渋谷の歌声もとても苦しそうで切ない。
現時点では、ボクとキミの関係性は分からない。

<Bメロ>
指を絡め合って、ただ見つめ合って
誰も知らない僕をもっと感じて…
今は抱き合って、わがままな恋で
時を止めるキスをしよう

突然のベッドシーンである。
この二人は体の関係を持っていると分かる。

正直、歌詞そのものの分析をする前に、オタクは「大倉くんに”誰も知らない僕をもっと感じて…”と言われる!!!ここだけ鬼リピすっぞ!!!」「は????課金信五やん????なにこれ?えっちの極み????」という感じである。

ブー吉くんは発売当時、この村上パートばかり擦り過ぎて、逆にノイローゼになりかけました。

<サビ>
永遠なんていらない ただ痛いほどの情熱が
キミを求めてるそれだけは
噓じゃない今はただ そばにいて

このサビ、ほぼ裏声である。これまた珍しい。

エイトは高音を地声でぶつけてくる歌い方が多いため、盛り上がりであるサビをほとんど裏声で歌うなんてことはない。本当にこの曲くらいだと思う。

体の関係で愛し合っている二人だが、「永遠なんていらない」「それだけは噓じゃない」「今はただ そばにいて」と不穏な歌詞が続く。

体で愛し合っている時、ボクはキミを求めているが、そうでない時は求めていないのかもしれない。もしかして体だけの関係なのか、そう考えることもできる。

そして「永遠なんていらない」というのは言い換えれば「一瞬でいい」ということ。つまり「This moment」、タイトルなのだ。
この曲は、体で愛を確かめ合っている一瞬の時間について歌っている曲と分かる。

さらに、是非、共感していただきたいポイントとして、「永遠なんて”い”らない」の”い”、ここで裏声から地声に戻ってくるのだが、ここが出しづらい音の高さで、声が若干上ずっている。それが、この曲の切なさや苦しさや色気を助長していて最高なのだ。

ボクとキミの大人な関係、この正体が二番以降で明らかになる。


▶2:二人は浮気をしている

<Aメロ>
夜が明けたら、いつものように優しい嘘を並べて 
越えられない現実にまた キミを送り返すから…

「越えられない現実」「送り返す」といった歌詞によって、どうやらキミには、ボクではない相手がいることが分かる。

ボクはもっとキミと過ごしていたいが、「ボクのことはいいから早く帰りなよ」と、キミを本来の相手へ返すような嘘をついているのかもしれない。しかも「いつものように」なのだ。つらい。

また、ここの錦戸の歌声が、彼の特有の甘くてハスキーな声質を活かしていて、とても切ない。

<Bメロ>
薄暗い部屋で、吐息で語って
ボクを試すような声を聴かせて…
不確かな愛で、それでもかまわない
この一瞬を捧げよう

再び、ベッドシーンである。
先程も述べたように、この愛し合う一時が二人の関係のメインである。

「薄暗い~聴かせて…」の横山のウィスパーボイスがこれまた良い味を出していて、確かに彼にはベッドシーンを歌わせたいよね!という感じである。

そして、安田のソロに注目してほしい!

横山のソロ、「声を聴かせて…」で伴奏が一気に盛り上がり、安田のソロと同時に伴奏が止まる。しかも、安田のパートのハモリが他に比べると薄く、彼の声がよりダイレクトに耳に入ってくる。

その音が止まった時に、耳に飛び込んでくる歌詞が、「不確かな愛で」なのである。

ここまで「不確かな愛」を強調させるということは、この二人の恋愛はただの恋愛ではないのだ。Aメロで発覚した「越えられない現実=キミには本来の相手がいる」ということを踏まえて、浮気であることが明確になる

そして、続く「この一瞬を捧げよう」
「この一瞬」とはまさに「This moment」というタイトルであり、サビで分かったように二人が愛し合う禁断の時間を意味している。

「捧げよう」という表現から、ボクはキミに恋人がいようと、一途にキミのことが好きであるのだろう。

そして、このような、曲の核心をつくような''オイシイ''パートをヤスくんが歌っているのは珍しい。こういうのは、だいたい渋谷錦戸が歌う。こんな見せ場を歌うなんて、ヤス君オタクからすればめっちゃ嬉しい。

なぜ、こんな''オイシイ''パートがヤス君のソロであるのか?は、この曲にとって非常に重要なのだが、それは最後に解説する。

<サビ>
思い出なんていらない ただキミに見せたこの愛は
全て奪うこと躊躇った
だけどまだ恋しくて、恋しくて

「全て奪うこと躊躇った」ということは、ボクは、本来の相手からキミを奪うことはしなかったようだ。

しかし、直前で、「不確かな愛で それでもかまわない」と思っておきながら、奪いたくても奪うことはできず、しかも本心では「まだ恋しくて」なのである。
頭で考えてることと、心で感じていることが、乖離してしまうもどかしい状況だ。

<Cメロ>
退屈な日々だから キミに惹かれた訳じゃない
このココロは 壊せない
ボクにはできない

Cメロは核心を歌うことが多い(当社比)。

特に丸山のソロ「退屈な~訳じゃない」に、モロにボクの感情が出ている。

今までは、体で愛し合っている一瞬の時間での気持ちを歌ってきた(ずっとベットシーンだった)。だが、ここではボクがキミを好きな理由について言及している。視点が少し変わって、ボクの感情が垣間見えるのだ。

キミに刺激を求めて好きになったわけじゃない、浮気がしたくてキミを求めたわけじゃない、という感情。またここで浮気が強調されてくる。

そして、この感情ただ漏れパートが丸ちゃんなのが肝心なのさ!それもまた最後に解説します。

そして、続く歌詞の「壊せない」がどこにかかっているか。歌詞カードを見れば分かるが、「このココロは」から離れているので、「壊せない」のが「このココロ」とは限らない。

キミを好きになった気持ちを壊すことなのか。キミが本来の相手を愛している気持ちを壊してキミを奪うことなのか。キミがボクに禁断の恋をしている気持ちを壊して、キミのためにも、不確かな愛の関係を終わらせることなのか。
ボクが壊すことのできない色んなものが浮かんでくる。

そして、サビが繰り返される。渋谷ソロのサビからの全員でのサビがクライマックスすぎる!!伴奏も超大盛り上がりで、裏声も力強くなり、溢れんばかりの切なさ!!苦しい!!

これらを踏まえて、また一番のAメロ「ボクの知らないキミがいるから」とBメロ「誰も知らないボクをもっと感じて…」を思い出すと、その歌詞の真意がよく分かってくる。

ボクは''この一瞬''に様々な葛藤を抱いている。それが分かって、曲は終わってしまう。ボクとキミがどうなったのかは分からない。


▶3:この浮気は「不倫」

ここからさらに飛躍して、私は初めてこの曲を聞いたときに、「これは不倫の曲なんだな」と思った。浮気は浮気でも、この”キミ”は家庭を持っていると感じたのだ。

なぜ浮気ではなく、具体的に不倫であると感じたのか。その理由は3つある。

理由1:浮気の曲の中でも重くて切ない

曲調や歌い方を含めて、大人っぽくて切ない演出が多い。浮気や片思い、略奪なら「奪ってやるぜ」「好きでしょうがないぜ」といった、愛が抑えられないような情熱的な曲調でもいいのだ。(関ジャニ∞なら「WASABI」なんかがまさにそう。)

こんなにしっとり影があって静かに熱い感じは、不倫を連想させる。


理由2:歌詞の言葉の選び方

「越えられない現実」「不確かな愛で、それでもかまわない この一瞬を捧げよう」「全て奪うこと躊躇った」「退屈な日々だから キミに惹かれた訳じゃない」

曲調や歌い方も相まって、どれも恋人がいるというよりも家庭があると感じる。

恋人がいるという現実なら越えてしまいそうだし、不確かな愛でもかまわないのに、奪うのではなく捧げる選択をしている。

キミを奪うではなく、”全て”奪うなのは、家庭・子供やキミの社会的地位などが含まれそうだし、退屈な日々を変えるような刺激のある恋愛と考えたら、総合的に判断して不倫だろうと考えられる。


理由3:安田・丸山のパート割り

上記で述べたように、この二人のソロパートは重要部分であると考える。理由2に挙げた歌詞も二人のソロであり、この曲を象徴するパートを担当している。

ここでふと考えてみてほしい。
この不確かな恋愛をするボクの心情を、なぜこの安田と丸山が歌うのか。

それは……リアルだからだ。
この「This moment」で表現された感情、家庭を持っている大人な女性を好きになってしまったボクというイメージが、7人の中で誰ならしっくりくるか。キャラクターや声質を鑑ると……客観的に判断してこの二人だと思う。

二人とも、関ジミもといグループ内では地味ポジであり、いわゆるリアコ枠。声質も年下男子感溢れる、キレイ目な良いバランスの声。

丸山の声質が分かりやすいと思うが、彼は「懇願」「困惑」「女々しい」そんな歌詞との相性が抜群で、「僕じゃ駄目かな……」みたいなちょっと引けてる方がキュンとくる声をしているのだ。

(余談だが、「ほろりメロディー」のセリフ「あかん…惚れてもうた…」、「韻踏ニティ」のセリフ「行かんとって…」も同じ原理である。)

だからこそ、「退屈な日々だから キミに惹かれた訳じゃない」にパート割りしたことは大天才であり、あの丸ちゃんの苦しそうな声で言われるとグサッとくるのである。

さらに安田に関しては、声が高くて可愛いアイドルボイスが出せる(「わたし鏡」「アイスクリーム」「Sweet Parade」など)。一方で、本来のハスキー全開のえちえち漢ボイスも出せて(「ルラリラ」「フローズンマルガリータ」「象」など)、それらを曲によって使い分けている。

今一度、安田ソロを聞いてほしいのだが、この曲では、ハスキーをあまり出さないように歌っている。ベッドシーンを描いている歌詞からしても、彼の得意な”えちえち漢”が出せるにも関わらず、あえて”不確かな恋愛をしてしまった悩めるボク”で歌っているのだ。

もちろん、地味とはいっても天下のジャニーズ様で、二人ともグイグイ俺様なところもあって(むしろそれがいい)というのは承知の上で、だ。

その上で、この二人は不倫をしている男の子の素質を、存分に表現できる逸材だと言える。

逆に、他のメンバーだと「えっち過ぎる」「ボクの方も大人すぎる」感じになってしまう。
(だからこそ、他のメンバーにベットシーンを歌わせるのは大正解でもある。特に大倉村上横山、えっち過ぎて最高である。)

つまり、安田丸山がこのパートを歌っていること、それ自体が、私の中で「この曲は不倫の曲だな」と感じた大きな要因と言える。


▶今すぐ「This moment」を聞いて!!

さぁ、これを踏まえた上で、もう一度「This moment」を味わって欲しい。

人気カップリング曲として名前が挙がらないが、超名曲だと分かるはずだ。
アイドルが不倫をする曲なんだぞ?そんなん凄いでしょ、ヤバいでしょ、たまらんでしょ。

特に、家庭を持っている方、しかも安田丸山ファンに聞いて欲しいね。該当しない私ですらこんなに興奮するのだがら、''キミ''該当者の方が聞いたら卒倒ものであると思う。その興奮を体験したい、羨ましいです。

人気がない理由の1つに、ライブで歌っていないからというのが考えられるのだが、こんなん歌われたらたまったもんじゃないよ。

でもね…安田丸山メイン回なのだよ……。
まさに今こそ、ライブで歌うには持ってこいなんじゃないの?って思っている自分もいる。
もしかしたら47のセトリに入っていて、アップデートする予定だったのかも。

ちょっぴり生で聴けることを期待しつつ、一人でも多くの人を「This moment」仲間に引きずり込めたら嬉しいです!

他にも魅力的なカップリング曲は大量にあるので、また気が向いたら他の曲も書いてみようと思う。


🌈最後までお読みいただきありがとうございます

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