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「∞祭」の思い出は、とある玄人eighterさんとの化学反応だった。

アイドルのライブ・コンサートの思い出というのは、人それぞれいろいろあるだろう。

関ジャ二∞ファン(通称eighter)の私は、以前のnoteで、ライブによって彼らを非常に好きになった話や、”恋心”という知らない感情が芽生えた話などをした。

”アイドルと自分”という、交差することのない出会いがあるのがライブの楽しみである。一方で、ファン同士の交流もまた乙なものだ。

今回は、私が中2の時に行った関ジャ二∞のライブでの、忘れられないファンとの交流を話したい。


▶1:大荒れの中2


まずは私がどんなeighterだったのか、自己紹介も兼ねて、ちょこっと当時の私の話をさせてほしい。

関ジャ二∞のアルバムをきっかけに沼に入ったブー吉は、低身長にお悩みの思春期キッズだったため、渋谷安田(やすば)に憧れていた。

中学生になると、さらにやすばへの憧れは強くなっていった。

GIFTや関パニあたりのすばるのようなロン毛にしようと決意する。私は天然パーマなので、すばるのようなサラサラヘアにはならず、ラーメンズ片桐仁みたいになってしまったが、とにかく異様な見た目になっていた。

さらに、クラスの皆の体操服はハーフパンツなのに、私だけロングを履いていて、なんなら腰履きしていた。しかも体育でスライディングしまくって、美術で絵具つけまくって、オリジナルダメージジーンズみたいにしていた。要は古着風である。

校則の厳しい学校では無かったが、肩より長くなったくらいでいろんな先生に注意され始めた。
それくらいの時に、ちょうど関ジャニ∞8周年記念ライブ「∞祭」に当選していた。

ロン毛の維持のしんどさ、暑さに耐えかねていたのと、∞祭のためにもう少し手の込んだオシャレしよう~と考えて、当時は珍しいツーブロックにしてみた。天パも相まってちょっと前のヤスくんみたいな髪型になって気に入っていた。

それくらい、私はやすばに憧れていて、やすばになりたいとさえ思っていた。私は、なろう系eighterなのだ。(その表現合っているのか?)

そんなこじらせキッズだった私が、ライブでオシャレする理由は他にもあって、それはeighterさんが沢山いるからなのだ。

ライブに行くと、見たことない数の”おねいさん方”が溢れかえっていたので、変に緊張した。

しかも、eighterさん達はとても優しくて、よく話しかけてくれる。だからこそ、あまり恥ずかしくない格好で行かねば……!みたいな気持ちがあった。


▶2:∞祭のブースは戦場


ツーブロック、∞祭Tシャツ、ヤス君とお揃いのサルエルという、「ああ、この子はエイトに影響されたのね」な格好で、∞祭にやってきた。

∞祭は1日の間にブースとライブとお笑いコーナーみたいなものを周らないといけないため、超時間厳守の戦場だった。

私の影響でエイトを好きになった母と一緒に参戦したのだが、2人して「お昼をゆっくり食べてる暇はない!」とコンビニのおにぎりを立ち食いしたくらいに時間が足りなかった。

母はいつも「あの時は若かった、今じゃ無理」と言う。それくらい過酷な現場だったのだ。

ブースにはeighterさん達が右往左往していて、特に正面ど真ん中の大倉くんエリアは長蛇の列。

別日参戦済のeighterさんが近くにおり、「大倉くんエリアを見たら他のメンバーのエリアは見られないと思った方が良いよ」とアドバイスをいただき、見に行かなかった。ごめんね大倉くん。

こうやって、慣れているeighterさん事前調べが完璧なeighterさんは、アイドルライブに不慣れでオロオロしている私たち親子2人によく話しかけてくれた。

ジャニーズのルールみたいなものとか、「何時から並ぶと絶対買えるよ」「〇〇ドームは〇〇ゲート側のトイレが人がいなくて穴場だよ」といった裏技みたいなことも、親切なeighterさんに教えてもらった。

∞祭でも、そんな親切なeighterさんに助けられる場面が何度かあったが、ライブの時間になった時に、隣の席だった錦戸ファンのeighterさん(仮にイエロー姉さんと呼ぶ)のことが忘れられない。

私はいわゆる良い席に当たり、ブロックの角側の通路に接している席だった。

母と「この通路にエイトが来たら凄く近いね」と喜んでいたら、一番角の神席に座っていたイエロー姉さんが凄いことを教えてくれたのだ。


▶3:真のエンターテイナー「イエロー姉さん」

全身黄色に染まっていたイエロー姉さんは、周りのeighterさんとは比べられないくらいの落ち着きを放っていた。

イエロー姉さんは言う。

「私は〇日や〇日の∞祭も参戦しているんです。セトリや動線も下調べ済みなんだけど、ここはとんでもない席なんですよ…… 」

見えないものが見ているような目をしていた。子供ながらに、このお姉さんは只者じゃないと思った。

私は下調べしない派(当時は調べ方すら知らない)であったし、アイドルライブに慣れてなかったので「動線」を気にしようという関心すら無かった。
なので、このイエロー姉さんの一言は、成熟したヲタク魂を感じさせた。

「何が凄い席なんですか?」

私のこの言葉を、待ってました!と言わんばかりにイエロー姉さんは口を開いた。

「ここは、亮ちゃんが出てくる場所なの」

亮ちゃんが出てくる場所?
この通路を錦戸くんが通るということなら、凄く近いし嬉しいな〜!

そう思っていると、私たちの目の前に、どデカい箱型のトロッコが運ばれてきた。
イエロー姉さんの言う通り、凄い席、まさに動線が目の前の神席だと分かった。

え!近い!こんなに近くで見たことない!
私と母は興奮気味で喜んだ。

皆、近いね〜と盛り上がっている中で、イエロー姉さんだけは落ち着いていた。自担が目の前にくることを噛み締めている、そんな玄人の雰囲気だった。

そうこうしていると暗くなり、モニターにOP映像が流れる。
会場中が「キャー!」と叫ぶ。

ライブが始まる興奮と目の前が動線という興奮で、感情がぐちゃぐちゃの中、スポットライトがぐるぐる回る。

スポットライトにつられて会場全体を見渡すと、比較的ステージから離れている通路の真ん中に、ポツポツとトロッコが置かれていることに気づく。
これじゃあ、ステージからトロッコに届かない。

イエロー姉さんの言葉を思い出す。


「ここは亮ちゃんが出てくる場所なの」


亮ちゃんが”出てくる”場所


……まさか、このトロッコから物理的に出てくるということか!?
言われてみれば、トロッコの高さがやけに高い。まるで人間が1人ピッタリ入れるような高さ。

え!?まじすか!!!??

目と鼻の先に、壁1枚隔てたそこに、今の今までずっと錦戸亮がいたということ?私たちの盛り上がりも聞いていたということ?

ERが鳴り響く。
私は思わず、イエロー姉さんの方を見た。

イエロー姉さんはやはり落ち着いているが、でも、目の輝きがさっきとは違う。
その表情が、真実を物語っていた。


私は感動した。

私の興奮が少し冷めて落ち着きそうなタイミングで。音楽がかかり始めて本人たちが出てくる直前くらいのタイミングで。

「亮ちゃんが目の前から出てくる」という事実を、そんな絶妙なタイミングで私が気づくように計算して教えてくれたのだと気づいた。

正直、スタッフがトロッコを目の前に置いた時に、爆発的に興奮してしまって、かえって冷静になりかけてた。
何の曲でここ通るんだろうとか、あれ歌ってほしいな〜とか、そんなことを考える余裕すらあった。

もしかしたら、イエロー姉さんも別日でそんな気持ちになったのかもしれない。
爆発した興奮に、彼女はもう一度火をつけてくれたのだ。

イエロー姉さんこそ、真のエンターテイナーと言っていい。

そんなイエロー姉さんの格好良さに心打たれながら、目の前の高すぎるトロッコの上だけを見つめながら、反響するERを聴くあの時間を超えるほど興奮するライブは、もう無いと言ってもいいかもしれない。



そして、ERのイントロの「♪うぉ〜〜」と同時にトロッコから飛び出してきた安田章大。

……え?安田章大?

超可愛い女の子みたいなヤスくんが、弾ける笑顔で「♪うぉ〜〜」と歌っていた。

これもイエロー姉さんのエンターテインメントなのか!?

そう思ってイエロー姉さんを見ると、これぞまさに「開いた口が塞がらない」の正解という顔をしていた。このトロッコ演出、あの会場で一番驚いていたeighterは、間違いなくイエロー姉さんだ。


私は∞祭から学んだのだ。
「動線は急に変わることがある」ということを。


▶素敵な思い出はいつもeighterさんと。

こんな素敵な思い出も、ファン同士の交流あってこそだ。

今でも、あの時の興奮・固まるイエロー姉さん・ヤスくんの笑顔を忘れることができない。

しかも、あの時のヤスくんは今までで一番の飛びっきりの可愛さで、それがまた皮肉だった。

もちろん、エイトに会えること、音楽を生で聞けること、それがライブの目的であり楽しみだ。

だからこそ、当時の私のように目いっぱいのオシャレでカチコんだり、イエロー姉さんのように下調べも完璧(ではなかったが……)な状態だったり、それぞれのファンが今日のライブのために多くの時間を費やしている。

そんな見えない時間がぶつかった時、ライブは最高の化学反応を起こすと思う。
その可能性はまさに無限大だ。

これからも、エイトとの素敵な思い出はeighterさんと共に作っていきたい。


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