六花

観劇の感想文 感想ツイートまとめ:https://min.togetter.com/i…

六花

観劇の感想文 感想ツイートまとめ:https://min.togetter.com/id/Bonvolu_LnP

最近の記事

ミュージカル「CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~」 感想 2024②

大千秋楽から2週間以上も経っていますが、公式のフォームに感想を投げるためについったへの書き散らしたちをまとめてみたところ全然まとまらなかったので、再再演のときに見返す用という意味も込めてもう一本感想文を書きました。1万6千字もあって自分でも読み返すのが嫌になったので校正が甘いですが勢いで公開します。 以前書いた感想↑は東京初週に2公演観たタイミングで初演との比較が中心だったので、今回はその後東京3公演と大阪2公演を観て気付いた点や解釈が変わった部分などを中心に書きます。新演

    • ミュージカル「CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~」 感想 2024

      再演おめでとうございますありがとうございます!!!!気がはやりすぎてmy初日にマチソワして全キャストを観てきたので感想文です。 新演出について方針 あまりにも違うところが多すぎてどう違うとは言い難いのですが、まず見た目上の大きなところでは舞台上にバンドがおらず盆(回り舞台)が導入されました。全体的な方向性としては、敢えてまとめるならば 「ミュージカルCROSS ROADバッチーニver.のグランドミュージカル化」 という感じでしょうか。 初演時の印象として、Wキャストの

      • 不思議な国のエロス

        音楽劇『不思議な国のエロス』〜アリストパネス「女の平和」より〜の感想文です。例によって7000字あります。 直球なようで何も分からないタイトルに情報解禁時は若干尻込みをしていたんですが、結局3回観劇してパンフレットを買って戯曲も読んで元になった「女の平和」も読んで、色々な方向から楽しめた作品だったので記録として残しておきます。 渡邉蒼さんと内海啓貴さんが出演されるのがきっかけで観に行ったのですが、たまたま「女の平和」の結末だけは知っていて読んだり観たことはなく、「不思議な

        • 狂炎ソナタ 

          狂炎ソナタ、2/2初日の公演を観てきたので感想文です。※2/6の公演にも行ったので追記しました。 めちゃくちゃ好きな作品だったけど全く褒めてないしネタバレもするので注意。本当に、全然褒めてません。 第1楽章 作品について (ネタバレなし) 音楽家がモチーフの大学路ミュージカルということで絶対好きなやつだと元々目を付けていて、案の定ものすごく好きでした。 主人公で作曲家のJが苦悩しながら新曲のソナタを書き上げていく様子が、Jの友人だったS、Jが師事した著名な作曲家であるK

        ミュージカル「CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~」 感想 2024②

          2023年の観劇を振り返る

          観劇記録ミュージカル オペラ座の怪人(劇団四季) ダブルトラブル TeamE ザ・ビューティフル・ゲーム ミーンガールズ ドリームガールズ キングアーサー バンズ・ヴィジット マリー・キュリー 太平洋序曲 ジキル&ハイド フィーダシュタント RENT リリウム 新約少女純潔歌劇 エリザベスアーデンvsヘレナスビンスタイン FACTORY GIRLS ダーウィンヤング ムーラン・ルージュ TRACE U ファントム アナスタシア BACKBEAT スリル・ミー 浅草キッド

          2023年の観劇を振り返る

          VOICARION XVII スプーンの盾

          スプーンの盾2023東京公演千秋楽おめでとうございます! 朗読劇史上(おそらく)最多公演数&最多キャスト数を誇る、VOICARIONシリーズ屈指の名作スプーンの盾。個人的に2022年の舞台で1位タイだった大好きな作品が早くも再演されたということで、さらに再々演への願いも込めて食レポをしたためます。 INTRODUCTION初演のとき「クリスマスに家族が集まる暖炉のような、あたたかく優しい世界観の見えるセット」「強く再演を願っている作品」と感想を書いたのですが、まさか翌年の

          VOICARION XVII スプーンの盾

          いちファンとして悔やむこと

          宝塚歌劇団に関する一連の報道などについて。 この件について言及する気はなかったのですが、とあるブログに と書かれているのを読んで、これを書くことにしました。 外部(元記事の方は一時的に宝塚ファンでしたが、現時点では外部としてのスタンスで記事を書かれていました)から「劇団のカルチャーを問題視している人がいない」ように見えるのならば、劇団や生徒にも、恐らくそう見えていたのでしょう。 「愛ある厳しい叱責」が「時代錯誤」だということを私はそれこそ2023年1月よりずっと前から分

          いちファンとして悔やむこと

          スリル・ミー2023覚え書き

          あまりにも観る度に毎度発見があるので2023時点での所感を留めておきたくなりました。 3組の印象ざっくり観劇の履歴 松岡私×山崎彼 (2023 東京 現地) 木村私×前田彼 (2023 東京 現地) 尾上私×廣瀬彼 (2023 東京 配信) 松岡私×山崎彼 (2023 東京 配信) 松岡私×山崎彼 特にキャストのこだわりなくチケットを取ったのですが結果的に初見を捧げることになった松山ないしヤマコーペア、6年前に元気いっぱいステアラを走り回っていた可愛い広大くんがこんな

          スリル・ミー2023覚え書き

          「ダーウィン・ヤング 悪の起源」感想

          東京・兵庫公演完走おめでとうございました! この先何年も、下手をすると何十年も思い出す作品になる気がしたので、大遅延ですがジェイ・ハンターくんの命日7/10(原作より)に寄せて感想を残しておきます。 これから気になる若手には呪文のように「ダーウィンヤング出て!」って唱えるし、10年後に蒼くんの初主演ミュージカル観た自慢は確実にするし、20年後の石井さん(59)に「まだ16歳やれるよ‼️」って絶対言う。 そもそもが情報解禁されたときから気になる作品で、 ・元々韓国ミュージ

          「ダーウィン・ヤング 悪の起源」感想

          2022年の観劇を振り返る

          観劇記録とりあえず見たものをジャンルごとに列挙、回数はそれぞれ1~10くらいです。 大劇場公演はギャツビーだけ中止で見られなかったので残念、、、。 49演目78観劇、自分史上最多観劇数を圧倒的に2倍以上更新していて震えています。東海圏に住むと東京にも大阪にも行きやすくて良いですよね(白目) せっかくこんなにあるので、個人的演劇大賞を選んでみました。ちなみに私自身の2大推しは宮野真守さんと真風涼帆さんですが、お二人の出演作は今回はここに入っていないのでわりと純粋に作品とし

          2022年の観劇を振り返る

          カルト・ワイン 感想

          あまりにも良作が過ぎるミュージカル「カルト・ワイン」の感想文。天使の分け前になってしまった大千秋楽を想って。 東京公演の情報を一切シャットアウトして臨んだmy初日は梅芸初日、開演前から「こうもり」の乾杯の歌が三拍子アレンジで流れていて胸が高鳴ったのを覚えています。 Twitterにも書いたのですが、カルトワインには実力のある主要キャスト、妥協なく美しいお金のかかった装置・衣装、耳に残る楽曲・効果的なリプライズと、ミュージカルに求めるもの全てが揃っていました。また歌い上げよ

          カルト・ワイン 感想

          ミュージカル「CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~」感想

          藤沢脚本目当てでキャストスケジュールも見ずに観劇したところ刺さりに刺さり、結局3回観劇したオタクの所感を5000文字。 藤沢朗読劇は5作ほど観ていますが、CROSS ROADはミュージカル化した今回初めて観劇しました。初回は開幕4日目、水江建太さんのパガニーニ、戸井勝海さんのアルマンド。その1週間後水江さん山寺宏一さん回と相葉裕樹さん戸井さん回を同日に。ダブルキャスト4人全員を拝見できました。 水江建太さんのパガニーニ 水江建太さんのあまりに特別で素敵なところは間違いな

          ミュージカル「CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~」感想

          神州無頼街 静岡公演初日レポ&静岡旅行記

          日帰り遠征のはずが、たまたま(本当にたまたま)公演前日に有給をとっていたので静岡を満喫してきたオタクのただの旅行記、後半にネタバレありの公演レポです。ぜひ後半まで飛ばしてください。 前半・静岡旅行記まずは清水次郎長親分のご生家に。 オリックス劇場で見慣れた「笠に長」の屋号ののれんがかかったお宅の中は資料館になっています。次郎長親分の功績が紹介されていたり、産湯に使ったとされる井戸があったり。これが釜ゆで地獄と向こうを張る井戸か……と面白く見物しました。 清水からも富士山

          神州無頼街 静岡公演初日レポ&静岡旅行記

          宙組NEVER SAY GOODBYE

          コロナ禍で、23日遅れの初日で、ロシアウクライナ情勢の中で、5人の退団者とともに、たくさんの重いコンテキストを背負ってはじまった宙組NEVER SAY GOODBYEについて。 戦争と芸術、あるいは戦争と宝塚初演は見たことがなく今回初めての観劇で、最初は「ずいぶんタカラヅカナイズした戦争ものだな……」という印象でした。戦争ものというよりはオリンピアーダの団結を描いた青春物語のようで、宝塚歌劇団5組のうち1組くらいもっと社会派劇をやっても良いのに、とすら思いました。 しかし

          宙組NEVER SAY GOODBYE

          無頼街 Welcome Back!

          Twitterだとネタバレが憚られるので、戯曲もパンフレットも未確認ですが初見の衝動のままの感想を書き留めておきます。 BURAIGUY IS BACK!2年待ちました。待った甲斐があったし、この輝きのために2年があったのだと思いました。命をかけて生きてきた時間が、舞台上でいのちとして輝くのだと。 口出し屋・草臥というお役神州無頼街全幕通して私が唯一泣いたのが、二幕で草臥が次郎長親方を口説き、歌舞き、歌い踊るシーンでした。シーンそのものの素晴らしさも去ることながら、大好き

          無頼街 Welcome Back!

          雪組『f f f -フォルティッシッシモ-』 ~歓喜に歌え!~ 感想と覚書

          1/5に大劇場で観劇しました。 一回限りの観劇の予定でしたが、ご縁があってもう一度観られることになったので一度目の記憶を残しておこうと思います。私自身の第九の解釈と重ねた覚書です。 1. 第九冒頭に天国の門番ケンプが登場し作曲家たちを阻むシーンなどは、佐渡裕さんの第九の解釈を思い起こさせました。 「ここまでのストーリーでは、僕たち登場人物は『音楽の神殿』に向かってきたけれど、ケルプという門番がそこに入ることを許してくれないんです。この男性パートは、再びそこに向かって一人

          雪組『f f f -フォルティッシッシモ-』 ~歓喜に歌え!~ 感想と覚書