見出し画像

離婚後6年経って、パニック持ちの私に初めて彼氏ができたお話




こちらの記事の続き。


彼との2回目のデートの日がやってきた。


前回会ってから
3週間も空いてしまった。

正確には空けてしまったが
正しいのだけど。


この3週間も、
連絡の頻度や電話の頻度は変わらず
ずっと波のない人だった。

安心して連絡を
取り続けることができた。


県外なので私の地元まで
90分ほどかけて会いに来てくれる。



この日は私のスマホ代が
高すぎるから見直しに行こうと、
家電量販店に一緒に
行ってくれることになっていた。


毎月15000円払っていて
別にそれを高いと
思ってなかったから、
彼のスマホ代を
聞いて目が点になった。


替えたらそんなに安くなるの?!
と、驚いた。


家電量販店に着き、
ハーフっぽい顔立ちの女性店員さんが
説明してくれてたのだけど
私の頭ではあまり
理解できなかったので
聞いているふりをして彼に任せた。


2時間くらい説明を受けた挙句、
即決できなかったので
検討しますといってお店を出た。


私のイメージでは
気弱そうなイメージだった彼だけど、
結構グイグイ質問をしていて
なんだか男らしいと思った。


聞いてないふりをしていた私だけど
久しぶりに少し頭を使ったから
お腹が空いてしまって、
お昼を食べに行くことに。


この日はとても寒かったので、
馬肉のすき焼きと馬刺しが
食べられるお店に行って暖まった。


初めて食べた馬肉のすき焼きは
少し固めでなんとも言えない食感だ。

私は溶き卵の中に肉も野菜も結構しっかり
浸してから口に入れる。

卵が沢山ついているのが好きなのだ。

それを見て、
『そうやって食べればいいのか~』
と、彼も真似し始めた。

『醤油のお皿一緒でいい?』
「いいよ~」


嫌いな人となら絶対に嫌だけど、
全然嫌じゃなかった。

むしろ一緒でいいの?と思った。


久しぶりに食べる
馬刺しはとても美味しかった。


食べ終わってトイレに行ってる間に
会計を済ませてくれていた。

「ありがとう。ご馳走様。」
と言ってお店を出て、
ショッピングモールに向かった。



2人とも欲しいものが
あったわけではないけど、
食後のお散歩に。


ショッピングモールに
もうすぐ着くという頃、
駐車場付近が
ほんの少しだけ渋滞していた。


「私こういうところがすごく苦手で
手汗かいてきちゃうんだ~」


『どういうところが嫌なの?』


馬鹿にするようなことは一切なく、
優しく聞き返してくれる。


「身動きが取れない感じがやだ。
しかもUターンも出来ないから
自分が運転してたら本当無理。」


『今は平気?』


「今はいざとなれば降りれるから大丈夫!笑」


この子は降りてどうするのだろう……
という心の声がなんだか
聞こえてきそうな気がしたが、
そこはあえてスルーしておいた(笑)

彼の優しい声のお陰で
無事に到着することが出来、
ショッピングモールをグルグル。


私は買い物に夢中になると
一緒に来てる人を
放置してしまう癖があるのだけど、
ずっと傍で一緒に回ってくれていた。


手繋ぎたいな~と思っていたが、
私のことをどう思ってるかも
分からないので言い出せずに
そのまま歩いた。

私が人にぶつかりそうになった時に、
こっちだよと私の体の向きを
変えてくれたけどそれも
好意があってのことなのか
ただの優しさなのか分からなかった。


段々と寒くなってきたので
カフェでも行こうと
ショッピングモールを出て
カフェに向かう。


コーヒーとハーブティーを注文し、
温まりながら他愛のない話を繰り返す。


夕方になったので学童に
息子を迎えに行って、
習い事もある日だったので
息子にご飯を食べさせるために
息子の大好きなお寿司の
チェーン店に入る。


私たちはまだお腹が
すいていなかったので、
後で食べようと言うことになり
息子を満腹にさせてお店を出た。


習い事に送り届け、
それから90分時間があったので
近くのファミレスに入り
夕飯を食べることに。


会計の後にトイレに寄り、
彼がいなかったのでキョロキョロ
しながらふと振り返ると
仲良しのママ友の旦那さんがいた。


「あれ?1人ですか?」

と尋ねると、

『まさか。』

と言って視線を横にやる。


仲良しのママ友ファミリーが
反対側のエリアの席に座っていたのだ。



トイレから彼が出てきたので、

「1番仲良くしてもらってるママ友なの」

と彼に紹介したら彼も挨拶をし、
ぺこりと会釈をしてくれた。


あとからママ友に聞いたら
私たちに気付いて気を使って
離れた席を選んでくれたらしい。


「あのママ友ね~
いつも私のこと気にかけてくれてて、
ずっと彼氏がいないから
身内を紹介してくれようとしたの~笑」


なんて話をしながら
習い事のお迎えに行く。


駐車場に着き、
あと15分くらいで
息子が出てくるだろうという頃、
彼が突然黙り始めた。


え、なんだろう。

気まづい。

何か話さなきゃ。
と思ってペラペラ色々と
話し始めたのだけど
反応が薄くて素っ気ない。


どうしたらいいんだ~~~~~~~~!!



居た堪れない雰囲気の中、
彼が口を開く。


『突然なんだけど、
僕ぼの子ちゃんのこと
大好きなんだよね。』



えっ……!!!!!!!!!???


「ありがとう……」


突然の告白に驚いて、
ありがとうという
言葉しか出てこなかった。


私の頭の中のプランでは、
告白されるとしても
3~6回目くらいのデートの後だと
思っていたからだ。


『……付き合ってくれる?』




「お願いします。」



返事をするまで
わずか1秒くらいだっただろうか。


自分でも驚いたが、
考えるより先に言葉が出ていた。


雰囲気に流されて
しまっただけなのか、
突然の出来事に
頭が回らなくて咄嗟に答えて
しまったのか。


でも本当に嫌ならいくらなんでも
しっかり断るだろう。


嫌な人と付き合うほど
愚かな人間ではない。


本能的に惹かれていたのだろうか。




彼は、


はぁ~~~~っ。


と大きなため息をつき、
安心した表情をみせた。


『振られたらどうしようかと思ったよ』


そんな安心した彼を横目に、
私は突然不安に駆られた。


「でも私子供いるし、
夜とか会えないし、
そんなに会えないし、
車で出かけるのも苦手で
あんまりできないし……」


自分が劣等感を抱いていること、
負い目を感じていることを
小さめの声で呟いた。


泣くつもりなど
さらさらなかったのに、
長年自分が抱えてきたものの辛さ、
吐き出すことができた嬉しさ、
この人なら受け止めてくれるかも
しれないという安堵感、
色んな感情が交差して
涙が込み上げてきてしまい
ポロポロと私の頬を伝っていった。


告白されて嬉しい気持ちと、
でもこんな私じゃ……という
複雑な気持ちが入り交じり
なんとも言えない感情に支配された。


『僕からしたら子供がいるんだから
夜会えないのは当たり前という感じだよ。

それに仕事や色んな事情で
そんなに会えない人達だっているよ。』


文章にしてしまうと彼の言い方の
柔らかさや温度感が
伝わりにくいかもしれないが、
とても穏やかで優しく、
私の不安をぬぐい去るような
話し方で伝えてくれた。


私自身を否定しないでいてくれること
何より嬉しかった。


色んな事情を抱えている人たちと、
私はなんら変わりないのだろうか。


私が考えているより遥かに軽く、
性格の一部のような感じで
捉えてくれているのだろうか。


"シングルマザーで
パニック障害持ちだから
私のことなんて
好きになってもらえない"


これは自分で自分に貼ったレッテルだ。


そう思っていることで、
恋愛が上手くいかなかった時の
言い訳になる。

ほらね、やっぱり。
私がシングルでパニック障害を
持ってたからだ。
という風に。


でもこれは表面的なことで、
私の内面のことではない。


肩書きのようなものだ。


私が勝手にレッテルを貼り、
劣等感を抱えている問題は
彼にとっては別に
気にするようなことじゃないのかな……

彼は私の内面をみてくれている……?


そんな風に思えてきたら、
自分の心の中に少し
光が射してきたような、
そんな気持ちになった。


時間にしたら
たったの15分くらいの
出来事だった。


息子の習い事が終わり
車を降りて入口まで迎えに行った。


泣いた顔を誰にも見られないよう、
そそくさと車に戻る。


何事もなかったかのように
駅の駐車場まで送ってもらい、
お礼を言って家に帰った。


彼が家に着いてからLINEをしていたら、
いつ告白しようかと1日中
ドキマギしながらタイミングを
悩んでいたらしい。


全然気が付かなかった私は
鈍感女なのだろうか(笑)


泣いてしまったことに対して謝ると、


『大丈夫だよ。
これから安心してもらえるといいな。
考えるのはいいと思うんだけど、
一緒に考えられるといいなと思って』
と、優しく微笑む絵文字と共に
温かい文章が送られてきた。


この人になら何でも話せる気がする。
分かってくれる気がする。
そんな気持ちを抱きながら、
眠りについた。


離婚後6年以上
彼氏がいなかった私に、
初めて彼氏が出来た日だ。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?