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パニック持ちのシングルマザーがマッチングアプリで初めて子連れデートをしてみたお話


tapple,with,pairs,omiai,ゼクシィと
マッチングアプリをいくつかやってみて、
メッセージのやり取りがこういう人は
だいたいこういう感じという
自分の中での統計が出来てきて、
少しでも気に障ったら
すぐにブロックというのを繰り返していた。


わざわざ違和感を感じる人と
会ったりする気はなかったからだ。


今回ダウンロードしてみた
アプリはマリッシュ。


すごく彼氏が欲しいというわけでも
なかったけれど、
久しぶりにやってみようかなと
思いなんとなく始めてみた。

マリッシュはバツ1やシングルマザー、
シングルファーザーに特化した
アプリで再婚を応援するアプリだ。


私がすぐブロックしていた人たちは

・1通目からタメ口

・1~2通目で何も面白くないのに
語尾に"笑"を使っている

・返していないのに
日記のようなメッセージが送られてくる

・会話を続ける気がないような短文

・~っすか?

・返してないのに、「無視ですか?」
などの追いメッセージが来る

・おバカそうな文章

・すぐにLINEを聞いてくる

・すぐ会おうとする

・息子のことを「お子さん」や
「息子さん」ではなく「子供」と呼ぶ


こんな感じ。

え?そんなことで?と思うような
こともあるかもしれないけど
私の直感はあながち間違ってはいない。

会ってもいないのに少しでも
違和感を感じたらもうアウトなのだ。



そんな中、いいねを返した人の中に
丁寧すぎるだろ……!!


というくらい丁寧なメッセージを
送ってきてくれた人が1人いた。


3つ年下で、
バツイチ子持ち。

プロフィールも
しっかりと書いていて、
写真も加工していない
他撮りの写真だった。


「はじめまして!○○といいます!
よろしかったらメッセージから
仲良くできると嬉しいです!
宜しくお願いします!

いきなりで恐縮ですが、
○○県にお住まいとのことですが
どの辺りにお住まいでしょうか?
僕は○○県の○○市というところです!」


わぁ、なんて丁寧なんだろう。

それまでメッセージしてた人が
好みの文章じゃなかったことが
続いてたせいもあり、
とても好感が持てた。

しかも質問しつつ
自分のことも答えてくれている。


返信のリズムもちょうどよく、
質問もしてくれるし、
話しやすいな~と思っていた。


周りに自分のことを
"僕"と呼ぶ人もいなかったので、
とても新鮮で可愛いかった。


私は話が盛り上がると
メッセージが長くなってしまう
タイプだから、
うざがられるかな~
なんて思っていたけど
彼も同じくらいの長さで
返ってきてそれが毎日続いた。


歳も3つ離れてるだけだから
昔のガラケーの話をしたり
海外に行った時の話をしたり、
好きな食べ物やお酒の話、
とにかく話題がつきなくて
お互いに質問して答えてを繰り返し、
会話が弾んで嬉しいです
なんてお互いに話してた。


2,3日ですぐにLINEを
聞いてこないところもいいなぁと
密かに思っていて、
1週間くらい経った頃
会話がすごく盛り上がった
タイミングでLINEを聞かれたので
LINEでお話することになった。


LINEでやり取りを始めてから
2人とも馬刺しが好き
ということが判明して、
馬刺しを食べに行きませんか?
と誘ってくれた。

馬刺しと言ったら居酒屋で
食べるイメージだったから
居酒屋のURLを送ると、

「このお店気になるけど
夜しかやってないんだね
定食屋さんとかにないかな?」

と、夜に会おうとしていないことが
分かって好感が持てた。


あいにく仕事も習い事もあったし、
会ったことのない人に会うというのは
私にとってとても労力がいることなので
私の心の準備がなかなか整わなくて
約束したのは1ヶ月後に
なってしまったけど、
急いでないから全然いいよと
言って待ってくれた。


どんな声か、
話す雰囲気はどんな感じか
知りたいなと思って、
電話できる?
と聞いてみたら
すんなりOKしてくれて
習い事の待ち時間に
初めて電話をした。


メッセージの印象通りの、
とても穏やかに話す人だった。



マッチングから1ヶ月経っても、
連絡頻度はお互い変わらずに
波のない感じがとても心地よくて
自分のメンタルが
揺さぶられていないことに気付く。


だいたい連絡がいきなり途絶えたり、
ペースが遅れたりして
私の心がかき乱されるのだけど、
それが全くない。


電話も出来る?と私が聞いて、
仕事でできない日があっても
それを埋める日を必ず
向こうから作ってくれた。


パニックのことも
隠さず話そうと思って、
こういう時にドキドキしてしまったり
具合が悪くなることがあるから
遠出は出来ないとしっかり伝えた。


不安を持ったまま会うのが嫌だった。

この話をして態度が変わるのなら
それまでだと思って偽らずに話した。


彼の態度は本当に何も変わらず
パニックに対しての偏見
のようなものもないように感じた。


初めての会う日も
最初から息子がついてきても
なんの問題もないと言ってくれて、
しかもちゃんと昼間に会う約束を
してくれたのが嬉しかった。


夜会えないシングルマザーを
不満に思う男も沢山いるからだ。

マッチングから1ヶ月が経ち、
初めてのご対面の日。


緊張しすぎてお腹が痛くなり
朝起きてから3,4回
トイレに篭ってしまった。


この日のスケジュールは、

10:00待ち合わせ

14:30 息子の迎え

15:00~16:30 息子が学童の
イベント参加のためフリー

16:30 息子の迎え

バイバイ

という予定だった。


私の最寄り駅で待ち合わせをした。


車から降りて待っていてくれた彼。

写真の雰囲気といい意味で
なんだか違って、
写真より良かった。


ランチに行くまでまだ少し
時間があったので
私たちはおしゃべりをしながら
公園を散歩した。

会ってから1時間くらい経った頃、
息子が学童からbotトークを
送ってきて
忘れ物をしたから届けてくれと。

それが聞こえていたようで、
デートの途中なのに
私の車に忘れ物を取りに行って
一緒に届けに行ってくれた。



そのあとご飯を食べに行ったけど、
私は自分がどう思われているのか、
ブスに思われてないかなぁ、
写真と違うと思われていないかなぁ
と不安でなかなか
目を見て話せなかった。

でもそんな私をよそに、
彼はしっかり目を見て話してくれて、
笑った時に目の横にできる
笑い皺がいいなと思った。

皺ができるほど笑って
生きてきた人なんだなと、
私とは正反対であろう
その生き様に惹かれた。


そのあと有名な和菓子屋さんで
少しまったりする予定だったのだけど、
思ったより混んでいて
時間がかなりかかってしまい、
息子を迎えに行く時間になってしまって
結局テイクアウトになってしまった。

申し訳なさそうにする私に、
嫌な顔ひとつせずに
またリベンジしようねと言ってくれた。


息子を一緒に学童に迎えに行き、
初対面。

この時も車から降りて、
息子が乗る席をあけて待っていてくれた。



「ママのお友達だよ」
と、紹介したけれど
初めて会う男の人に
息子は緊張したようで、
車の中で下唇をずっと出して
ムムムという顔をしていた。


息子を学童主催の
ハロウィンパーティーに送り届け、
その間の90分をカフェで過ごした。


私たちが4人がけの
ソファー席に腰掛けた頃、
赤ちゃん連れの
ファミリーが入ってきた。

私たちの座っている席の方が
広かったので、
変わった方がいいかな?と思って
彼の方を見たら同じことを
考えていたようで目が合い、
そのファミリーに向かって
「変わりましょうか?」と
私より先に声をかけてくれた。

同時に同じことを思ったのかななんて、
こんなことも私は嬉しかった。


この後からは私の緊張もかなり解け、
少しづつ目を見て
普通に話せるようになった。


彼の離婚理由を聞いたり、
過去の恋愛話をして
お互いのことを知っていく時間になった。


さぁ、もう息子を迎えに行って
バイバイの時間だ。


駅に私の車を停めていたので
そこまで送ってもらっていた。


あと5分で着くというところで、


「今帰ったら夕方で道が
混んでるかもしれないから
夕飯食べていかない?」


もう少し一緒にいたくて、
口走ってしまった。


『えっ、いいの?』


「もちろん!」


こうして夕飯も一緒に
食べることになったのだけど、
時間的にまだ早いので
息子のリクエストで
虫探しをしに行くことに。

彼は虫は苦手だと電話で話していたから
大丈夫かなぁと思いつつ、
様子をみていた。


息子がバッタは捕まえられるのに
ギリギリスは噛むからいやだ!
と言って彼に取らせようとして

「○○くんは虫苦手だから自分で取ってね」


と私は息子に伝えたけど、
それでも頑張って彼はキリギリスを
捕まえてくれた。


そんな姿もいいなぁと思いながら
ありがとうと心の中で思っていた。


彼がねこじゃらしを首元にあてて
コショコショするいたずらを
息子にしたら
虫が服の中に入ったと勘違いして
パニックになって泣いてしまって、
いたずらだとバラすと
プンプン怒っていた(笑)


ごめんねと謝る彼と、
怒って叩く息子。


すぐ仲直りしていて
なんだか微笑ましかった。


そんなこんなで
お腹の空く時間に
なったのでファミレスへ。


何を思ったのか、
息子はふと

「家に一緒に帰ってくれたら
お父さんになるのに」

とこぼした。


初めて会ったのにその大胆発言に
私の方が気まづさを覚えてしまった。


焦ってなんて言ったか忘れてしまったけど
ごまかしたのは覚えている。


それと同時に、
決して口にはしないけど
やはり父親がいないことに
寂しさがあるということを
実感してしまった。


ファミレスにいる間中
息子は大暴れ。

座ってと言っても立つし、
ダメということはわざとやるし、
お行儀はいつもの10倍悪い。


初対面の人の前でいつものように
怒れずすごく困ってしまったし
どっと疲れてしまった。


会わせたのは失敗だったかな。

潔くバイバイしていた方が良かったな。

もうこれで会うことは
ないかもしれないと思いながら
ファミレスを出て
駅の駐車場まで送ってもらい、
お礼を言ってサヨナラをした。


彼は最後まで1度も不機嫌な表情を
見せることもなく穏やかで
喜怒哀楽の喜と楽だけを
私たちに見せてくれた。


初めての子連れデートを経験した私は
その難しさを実感し、
他の人でももう子連れデートは無理だ……
今後も彼氏は出来ることないんだろうな。
という気持ちでいっぱいになった。


今日のお礼と謝罪をLINEで送ると、

「こちらこそありがとう。
楽しかったよ。
全然迷惑じゃなかったよ。
良かったらまた遊んでね!」

と言ってくれたが
社交辞令だろうなと思っていた。


でも私がLINEを続けると返信が来て


「気にするようなことは
何もなかったけどな。
全然普通だと思うよ。
夕飯まで一緒にありがとう。
ちなみに次空いてるのはいつだろう?」


と次のデートを提案してきてくれた。


まさかすぎて、

え??また会ってくれるの??


と驚いた。



3週間後に会うことになり、
これにて1回目のデートは終了。


一日を振り返り、
この人といるときに1度も
不安感が出たりしなかったし
動悸なども現れなかったことに気付いた。


とても穏やかに過ごせたのだった。


次回予想外の展開が訪れるとは
この時の私は想像もしていなかった。

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