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高校ラグビーの現状をどのように考えているか。


高校ラグビーの現状(廃部ラッシュ、小中人口が増えているのに高校で激減)をどのように考えているか。

静岡聖光学院でラグビー部アドバイザーを務める松山吾朗先生から連絡をいただいた。

私が0からラグビー部を創部した神奈川県のクラーク記念国際高等学校横浜キャンパス時代には、当時神奈川県の教員であった松山先生には大変お世話になっていて、以降も繋がっている。ラグビーの縁は不滅だ。

神奈川県時代の松山先生の活動は多岐にわたり。
高校生クラブチームの先駆けである「湘南アルタイルズ」を創立した先生である。
現在は静岡聖光学院にて花園出場を成し遂げたり、また海外の学生などともラグビーを通した素晴らしい活動を沢山なさっている。

星野先生(現東京BLプロデューサー)の時代から独自の路線で子どもたちを成長させている静岡聖光学院自体の魅力も素晴らしい。

さて、そんな前置きをさせていただいたが早速この現状について個人的にお話していきたい。

【課題と問題点】高校の現状は苦しくリアルである

「リードラグビー」さんから資料を引用しています。

高体連の加盟人数ベースで、2003年には30,419人だった数字は右肩下がりを続けて直近の2022年には、17,649人という数字になっている。
パーセンテージにおいては40%以上も減少していることになる。

現在活動している埼玉県の高校生を調べると

令和元年は49チーム1352人

令和4年は48チーム1191人

と1チーム減 部員は161人減になっている。

一方で中学生を調べると

令和元年は14チーム356人

令和4年は15チーム390人

と1チーム増 部員は34人増となっている。

埼玉県を例にあげても、中学生ではラグビーをする子が増えているのにも関わらず、やはり高校になると減少しているのだ。

高体連の数値をみても、やはり同じように「中学生」は増加傾向に
「高校生」は減少傾向にある。


年々増えていく中学生年代の人口

①少子化というのは全く問題ではないと思う件について

よく聞く話なのだが、高校ラグビーの部員減少に関して、少子化だからそもそも子どもの数が少なく、部員も相対的に減っている。しょうがないことだ。という言葉で片付けられるのだか、これは全く問題のベクトルがずれていると個人的には思う。

②二極化という原因について

「一極集中」という言葉がある。
レベルが高いラグビーをする為に、日本一になる為に。
部員が100人を超えるラグビー部も存在する。
子供たちにとって「目標」があり、そこに所属して高校生活を過ごすことに価値が無いということは一切ない。
自分が決めた道を歩むことは、人間としての成長に大きな意味がある。

しかし、強さを求めるあまり、行き過ぎた指導(体罰)など「ラグビー」の魅力を失っても「日本一」を目指すのかというとまた話は変わってくる。

公式戦出場0分。
高校生としての試合出場経験が少ない選手たちもいる。

「なんのために、自分はラグビーをしているのか?」

子どもたちは当然上手くなりたい。強くもなりたい。
しかし、我々の体制がそのままであればあるほどに、未来を閉ざすことになる。

全国大会予選。
つまり花園をかけた予選。
数年前の佐賀県予選決勝では佐賀工が213―0で鳥栖工
島根県予選決勝では石見智翠館が出雲を120―0

大人はスコアを観て、最後までよく闘った。
などあると思うが子供たちはどうであろうか?

勿論、絶対王者に対してどこまでできるか。やってやろうと青春をささげている選手もいる。そして内情は本当にその高校しか分からない。

しかし、減少し続けるクラブ数であっても、この形を続ける意味はあるのだろうか。

ラグビーを楽しそう。やってみたい。
という選手たちはいずれ花園予選で試合をする。
試合をすること自体はなにも問題ないのだが、そのフォーマットを整える必要性があると考える。

一発勝負のトーナメントでは選手の出場機会も、また登録メンバーも固定されてしまう。
25名に選ばれなかった選手たちはその期間は公式戦という舞台には立てない。

プロの集団ではない。
育成年代である。
大人に近づく1人の高校生である。

ラグビーを本当に上手く(強く)なりたい層とラグビーを始めてみた(グラスルーツに近い)層が、あまりにも離れすぎた結果、競技人口やその分布に問題が起きてきているのではないだろうか。

またそのような視点(問題になってきているが)や意見が少ないのも、この現状をより悲惨なものにしている要因ではないだろうか。

未来への動きを考える

そんな現状から私たちはなにができるのか、個人的に考える想いを書き残していきたい。

新しい体系のラグビーチームを作る

松山先生が誕生させた「湘南アルタイルズ」そして徳増先生が誕生させた「渋谷インターナショナルラグビークラブ」など、部活動に加入していない高校生やラグビー部がなく、ここでプレーをしている選手もいる。

このような取り組みは本当に高校ラグビー界では素晴らしいことであり、高校との関わりを深めていくことをするべきだと思う。

実際に渋谷インターナショナルラグビークラブでは、様々な取り組みをしている。

実際に高校との関わりも実現させている。

このようなクラブを誕生させるには実際問題かなりのパワーは必要なのだが、私自身も含めてこの問題を解決するべく、動いていきたいと思う。

またリーグワンでアカデミーが各地誕生したことで、Jリーグでいうユースチームが今後増えるのではないかと思っている。

リーグワンユースチームの交流や高校、そしてクラブチーム。
沢山の色があっていいと思う。それがラグビーだから。

(追記)このnoteを執筆している期間で以下のニュースが飛び込んできた

新しい大会のフォーマットまたは地域ディビジョン制を作る

課題にあげたように、花園という全国大会はトーナメント方式や各都道府県の代表となっている。

もちろん全国大会を無くすということはせず、新設する大会を増やすべきなのではと思う。

①コンバインド大会

試合機会の少ない選手たちや、人数が少ないチーム、などなどを1日限りのコンバインドチームにし、試合をする。

もちろんチームとしての戦術などあるが、試合感など「ラグビー」をする機会を与える為に、また高校生通しの交流の観点からも無限の可能性を秘めると思う。

これは遠方や近くにラグビーチームがなく、中々試合をするのが難しいチームがいても、隔週の土日などに設定をしておければ、うまくスケジュール調整できその大会を参加できると思う。

②地域ごとのカテゴリーを分けたリーグ戦

1年間くらいのフォーマットで動いても、サマーシリーズなどシリーズ制も面白いと思う。

また公式戦扱いにすることができれば、なお意義があると思う。
強豪校といわれる学校でも「育成リーグ」「強化リーグ」などカテゴリーを設ければ複数参加することも可能になると思う。

③7人制などの大会(フェスティバル)の充実

15人制と7人制では、色々と考えも動きも違う。など声があるかもしれませんが、そもそも大会数が少なかったり、ラグビーの本質的な楽しさを実感していない部員たちが沢山いるのが現実です。

人数が少なくともその場のエントリーなどで、どこかのチームに加入してプレーする機会を与える。7人制など集まった人数や規模で柔軟に対応していくといった運営の在り方も我々が考える。なども考えられます。

④付加価値を提供できるクラブつくりや地域との連携

ラグビーを通して様々な成長をしてほしい中で、加入したチームが様々なことに挑戦するクラブのモデルもありかと思います。

例えば、地域との連携で体験実習や地域社会とのラグビー交流会

特別支援学校など普段中々交流のない学校との接点を「ラグビー」を通して実現するなど。

ラグビーという競技性を高めていくことも勿論必要ですが、このような唯一無二のクラブ運営というのも、1つのモデルとして考えられると思います。


だってラグビーが大好きだから

追記で載せたニュースは、本当に第一歩だと思っています。

ラグビーのコアバリューはご存知でしょうか?

ラグビー憲章。世界共通のコアバリューです。

こんなにも素晴らしい精神があるスポーツ。私は知りません。

ラグビーを通して、成長していく、そんな可能性を、部員減少やクラブ数、などなど言い訳にしたくないのです。

全国のスクールコーチなどが、たくさんの未来ある選手を沢山育てています。

だからこそ、責任は重いですが、U18世代に関係する私たちがこの活動の歩みを止めてはいけないのです。

まだまだ世間では厳しい声が多く、どうするんだ。
このような制度にしても無意味だ。などそんな声もあります。

ラグビーが大好きだから

この自由で最高なスポーツを、大人の都合でやめてほしくない。


私もできることに色々と挑戦してこの問題に真摯に向き合っていきたいと思います。

またこの件で動き出した時には、ご報告いたします。


楽しみにしていてください。


では、ここまで読んでくださりありがとうございました。


飯塚淳平

noteを読んでいただきありがとうございます。「こんなことしてみたい!」「このようなこと一緒にしませんか?」などご連絡お待ちしています。サポートは「子ども達」「ラグビー」の未来の為に活かします。「ラグビー」を通して「大きな夢」を持とう。