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夫、救急車で運ばれる 学校へ行けなくなった息子はその時

過去記事を編集して、再掲載しています。続き物ですので、しばらくお付き合い下さいませ。

(ΦωΦ)猫写真は最新ですので、過去記事ですが写真だけでもお楽しみ下さい。

前回のお話はこちら↑



夫のうつ病は数年間続きました。今回は、まだ一年半目くらいの頃のお話し。

当事は、兄ちゃんが3年生、弟が1年生。弟は夏休み前に学校へ行けなくなり、そのまま突入した夏休みの初めの頃。発達障害の診断も下りていませんでしたし、まだ猫たちは我が家におりませんでした。引越し前に飼っていた猫が亡くなって、しばらくは猫を飼う気持ちになれなかったのです。そんな、猫ロスも夫にとって、うつ病を引き起こす一つの要素だったのかなと今では思います。



家族で朝食を取っていた時、急に夫が箸を置き『う~ぅう(苦)』と言いながら胸を押さえて立ち上がりました。夫が座っていた食卓から三歩の場所にあったソファーに、唸り声をあげながら倒れ込みました。

びっくりして、『え?!!大丈夫?』と言いながらソファーへ向かおうとした時、唸っていた夫が、ソファーから立ち上がろうとするんです。私が、『立ち上がらないで!座って!』と言っても横になっている状態がとても苦しかったのか、立ち上がってしまいました。立ち上がった夫は、その瞬間に意識を失い、私の方へ、直立不動のまま、ふ~っと倒れてきたのです。

『!!!』

こんな時、意外と自分が冷静だった事に、自分でびっくりします。火事場の馬鹿力というやつでしょう。自分よりも大きくて、しかも意識のない塊みたいな状態の夫が、私めがけて倒れてきたのです。それをキャッチ!!床に打ち付けられることなく、どうにか(どうやったのかまるで覚えていない)受け止めて、そのまま床へ横にしました。意識は無いままです。AEDの救助訓練で習ったように、肩をたたき、夫に呼びかけます。箸をもったまま、びっくりしすぎて動けなかった息子たちに、救急車を呼びたいから電話を持ってくるように伝え、夫に呼びかけ続けながら、息子が電話を持ってきてくれるのを待ちました。

その時、夫の意識がパッと戻ってきました。夫は自分が倒れた事には気が付いていませんが、横になっている事に気が付きます。そして倒れる前と同じように、横になっていることが辛いと言わんばかりに、『大丈夫大丈夫』といいながらまた立ち上がろうとしました。『ダメー!!』という私の声もむなしく、夫は立ち上がりました。そして、またしても立ち上がった瞬間に意識をなくし、倒れます。これもどうにかキャッチ。(今考えるとなんでキャッチできたのか、まるでわかりません)

二度目の意識を失っている夫。肩をたたき呼びかける私。そこへ長男が電話を持ってきてくれました。すぐさま119番通報。『火事ですか?救急ですか?』と消防所と電話が繋がり、状況を説明。すぐに救急車が手配されました。

救急車が到着するのを待っている間に、また夫は意識を取り戻しました。そして二度目と全く同じ、三度目を迎えます。三度目も無事にキャッチ!し、また同じように肩をたたき意識を確認していると、今度は今までよりもハッキリと意識が戻ってきました。トイレに行きたいと訴えた夫を介助し、用を足した後、意識はしっかりと元に戻りました。

意識が戻った頃に救急車は到着。夫は救急隊員の方と会話もし、ストレッチャーに自分で乗り、念のため救急車で総合病院へと搬送されることになりました。

夏休み中で家族全員が一緒にいたことが幸いでした。救急隊員の方から『救急車は○○病院へ向かいます。救急車に乗りますか?』と聞かれました。子ども達もいましたし、帰りの事も考えると、車で行った方がいいだろうと判断し、自家用車で病院へ向かうと伝えた所、救急隊員の方は『救急車の後を走らないでください。交通ルールに従って運転し、病院へ向かってください』と教えて下さいました。確かに。気が動転していたら救急車の後を車で走ってしまう人もいるかもしれない。そして、交通事故などが起こってしまったら…。ぞっ…としました。緊急事態が起こっているからこそ、冷静な判断と行動が必要になってくるのだと、この時強く思いました。

病院へ到着し、夫の両親と、私の父へ連絡を入れ、何かあった場合は子ども達をお願いすると伝えました。意識の戻った夫は、病院で様々な検査を受けました。点滴などもされたと思います。そして、導き出された結果は、原因不明というものでした。

てんかんの可能性はあるかもしれないとのことで、翌日外来でまた検査を受けました。やはりそこでも原因は不明とされ、胸の苦しさなどの発作的な状態を抑えるお薬が処方されました。一か月ほどはそのお薬を服用していたと思います。

今になって考えると、心理的なものではないかとも思います。それから、過呼吸のような状態だったのかなとも想像します。不安が強く出ているうつ状態の時でしたから、呼吸が浅く短く、そして吸う事ばかりに意識がいってしまい、過呼吸のような息苦しさだったのかもしれません。夫は自分を落ち着けようと必死でしたから。もしかすると、その一生懸命さが裏目に出てしまっていたのかな。とも思います。

原因不明のままではありますが、命に別条はなく、今ではとても元気に過ごしています。



息子たちは、お父さんが目の前で3度も倒れるというのを目の当たりにして、どうだったのか…。

相当な影響力でした。家族の危機は、家族の絆を深めます。電話を持ってきてくれた長男は、私の指示をすぐさま実行しなくてはならない!!と、行動を起こしてくれました。長男が動いてくれなければ救急車は呼ぶことができませんでしたし、あの時、もしも自分と夫だけだったら、恐らく私はもっと動揺していたと思います。

長男が動いた。それを見た弟にスイッチが入りました。助けなくては!助けるために俺がいるんだ。そんな様子に変わりました。これが後に勇気へと変換され、弟は夏休みの後、学校へ行くことを選びます。

学校という場所は無理して行くところではないと思います。合わないのに居続ける必要などないし、勉強はどこででもできます。友達だっていくらでもどこででも作れます。人間関係を学ぶ機会も、社会を知るきっかけも全て、学校を離れても実現が可能です。けれど、学校には学校の良さもあります。何を選ぶのか。どれが今、目の前の子どもにとって必要で、大切な時期なのかを見極めながら選択すればよいのだと思っています。

学校へ行くことを選んだ弟は、自分を試しているかのようでした。学校を選んだというよりは、挑戦することを選んだのではないかと、今、振り返って思います。


夫が倒れてから、長男が猫のリボンちゃんをうちに迎えるためにものすごい力を発揮しました。そして、リボンちゃんの快進撃がはじまります。猫様は本当に招き猫。様々な福を我が家にもたらしてくれています。

~To be continued~

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