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【マガジン】月の砂漠のかぐや姫

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今ではなく、人と精霊が身近であった時代。ここではなく、ゴビの赤土と砂漠の白砂が広がる場所。中国の祁連山脈の北側、後代に河西回廊と呼ばれる場所を舞台として、謎の遊牧民族「月の民」の… もっと読む
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#源氏物語

「月の砂漠のかぐや姫」登場人物等紹介

「月の砂漠のかぐや姫」登場人物等紹介

「月の砂漠のかぐや姫」は、今でない時、ここでない場所、人と精霊の距離がいまよりももっと近かった頃の物語です。「月から来たもの」が自らの始祖であると信じる遊牧民族「月の民」の少年少女が、ゴビと呼ばれる荒れ地を舞台に、一生懸命に頑張ります。
 物語世界の下敷きとなっている時代や場所はあります。時代で言えば遊牧民族が活躍していた紀元前3世紀ごろ、場所で言えば中国の内陸部、現在では河西回廊と呼ばれる祁連(

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月の砂漠のかぐや姫 第165話

月の砂漠のかぐや姫 第165話

「母を待つ少女の奇岩の周りにもサバクオオカミの奇岩がいて親分を守っているんだろうが、まぁ心配ねぇ。今までのあいつらとの戦い方からすると、しっかりと隊形を組んで突撃すりゃあ、周囲の守りを突き破って母を待つ少女の奇岩をぶっ壊すことは、十分にできるはずだ。そして、おそらくは、母を待つ少女の奇岩さえ壊してしまえば、この訳のわからねぇ現象は治まるはずだ・・・・・・」
 これまでの奇岩との戦いの中で、奇岩の側

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月の砂漠のかぐや姫 第121話

月の砂漠のかぐや姫 第121話

 川が二手に分かれるように滑らかに分かれて左右の護衛隊に襲い掛かってきたサバクオオカミの奇岩たちでしたが、その赤土色をした牙に温かな肉の感触を得ることは、どうしてもできませんでした。
 自分たちに矢を射かけてきた護衛隊に、もう少しで飛び掛かることができるところまでは接近したのですが、その相手は急に馬首を返して逃げ始めたのです。如何に足が速い彼等でも、不意を突いて襲うことができればともかく、走りだし

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