
コロナ禍の施策〜実施価値と効果は別もの〜
Jリーグが再開しました。
4月7日に発出された緊急事態宣言で世の中が一変し、多くの人の頑張りでなんとかJリーグも再開。
サポーターのみなさんをスタジアムに迎えてリーグ戦開催ができました。ありがとうございます。
これからしばらくの間、感染症予防を施したイレギュラーでの経営を余儀なくされる中、多くのクラブが様々な新しい取り組みにチャレンジしています。
こうした新しい取り組みはワクワクすることもあるけど、やはりスタジアムで体験するあのリアルな興奮、熱狂、サポーターの大歓声、感情を爆発させる瞬間に勝るものはないと痛いほど感じて、割りと寂しい気持ちになるのも事実。
その中で感じるのは、コロナ禍に実施している施策は取り組みとして価値はあるし社会的に意義もあることだけど、それが与える効果(クラブの売上やファン創りへの寄与)をきちんと見て取捨選択をしなければ、やってるつもりで終わってしまって未来は無いという危機感です。
新しい取り組みをしていく中で「ファンが置いてけぼりになっていないか?」クラブの経営を支援するという名目で「無闇にお金を使わせていないか?」という点をしっかり考えて検証後の取り扱いを意思決定しないといけないと思っています。なんとなく数字が上がることを是として続けるのではなく、長期的に付き合っていける健全なファンエンゲージメントに繋がっているのか?を常に考えるべきだと感じています。
横浜FCでも様々な取り組みを進めているけど、基本的に最初はスピード感持ってやってみるというスタンスで検討していました。
その中で、ファンの共感を生んだり興味をひくものもある中で以下の3点は継続可否の判断軸かなと思います。
1、中長期的にお金を生み出すポテンシャルがあるのか
2、中長期的に継続ができるのか
3、新しい取り組みへのエンドユーザーの反応ギャップ
クラウドファンディング
スポカレさんとREADYFORの取り組みに賛同する形で「未来応援レター」を実施しました。
これは通常のクラウドファンディングと比べると、プロモーションに近い形で実施ができたことが良かったかなと思います。クラウドファンディングは大義名分がすごく大事で、そこに社会性が要素として絡むことで大きなお金が動くと思います。
(私が〇〇したい!というものよりも、誰かのために〇〇したい!という文脈が必要なので、スタジアムに来られない・声援がおくれない状況で、チームへのメッセージをおくることで支援に繋がるという立て付けは良かったです)
361人のみなさんからの #未来応援レター は全5枚のメッセージボードとなり試合前に掲出中✨
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) July 19, 2020
選手たちは1枚1枚のメッセージに目を通し、ピッチに出る前のモチベーションを高めています⚽️
頂いたメッセージは選手のサインを入れシーズン終了後に皆さまにお届けします✨#yokohamafc #横浜FC #スポカレ pic.twitter.com/i0OpJ7TMP5
そして、今後スケールさせるには鹿島がやっているように行政を巻き込み、クラブ支援だけでなく社会への還元ということが大切になると思います。
ギフティング
#本気ならPSI のプラスクラスさんにサポートいただき、エンゲートのギフティングを実施しました。
アイドルの投げ銭に代表されるように、デジタル上のギフトを応援の気持ちとして購入し対象者に贈ることで参加者はコミュニケーションを取れます。自身の存在を気付いてもらい、双方向のコミュニケーションをライブで擬似的に体験することができます。
ここに、応援という軸でクラブや選手をギフティングの対象にしたら、ビジネスとして入場料収入の代わりになる第4の柱になる可能性があるのではないか?という前提で取り組んでみることにしました。
現状の仮説としては以下を持ってます。
※クラブとして今後も続けたいと思いますが、以下現時点での考察。
①客単価は大きくは跳ね上がらなそう。
→トークライブを中心とする企画でいくと、客単価は平均1,000円〜1,500円程度で、1回のイベント(1時間)で50,000〜70,000ptくらい。熱心に毎回参加してくれる人は100人程と想定される。
②選手や関係者の稼働など細かいディレクションができるクラブはファンづくりの一環として積極的にやるべき。
→応援=育てるという感情で参加するとした場合、ビジネスとして活かせるのはJ3やJFLなど、大きく世の中ごととまではいかないけど、ロイヤリティの高いファンが存在しているクラブで可能性があると感じた。(ギフティングに対する選手自身のモチベーションや稼働に対するハードルの問題もあるけど)
③プラットフォームが一元化(DAZNに実装)されなければ試合とセットで行うにはスケールしない。
→元々の実施を検討したきっかけでもあるけど、試合は最大のギフティングチャンスだと思う。しかしリーグとしてもDAZNとしても、現時点ではその体制が揃わないので副音声でやるにしても単価が上がっていかない点と試合に夢中な人たちがリアルタイムに2つのデバイスを操作していくには煩わしさの方が勝ってしまうと感じた。また現地→DAZN→ギフティングプラットフォームのタイムラグ問題も。
④応援されるパーソナリティとして伸び代の有無。
②にも通じるけど、そこまで大きくないお金を稼ぐことが可能な視聴者参加型コンテンツとして続けるか、より大きいお金を稼げるようなビジネスとなるようにピボットするかを選択することも必要で、個人的には伸び代があるのは前者を目的としてクラブ公式のマスコットでの実施かなと考えている。これまでの活動自体が決して多くはないこと、お金はほぼかけてきてないこと、マスコット総選挙など目指す大義(AKB総選挙みたいな)があることなどから、やるとしたらここに注力したらいいかなと思ってます。
ユニフォームオークション
これから、選手着用アイテムのオークション販売を実施します。
立て付けとしては、試合でメモリアルな活躍した選手のアイテムに、【○月○日vs△△ 後半30分 オーバーヘッドで逆転ゴール # 選手名】のような鑑定書付きのプレミアグッズを出品しオークションを実施。
※5月にはトライアルで2019シーズンユニフォームで実施。
個人的には、ファン創りとはちょっと違っていて、オークションで落札できる人も限られることと、開催の意味づけがこじ付けになってしまう可能性があるので何度も何度も無闇に実施することはしない方がいいかなと。
またメディア側もここに出品した後にどんなフォローや改善提案をしていくかは絶対的にしてもらう必要があって、クラブがただ単に収益を上げるための施策と考えているのか、ファンとのエンゲージメントを考えているのかを汲み取って、パートナーとしてディレクションをしてもらいたいと感じています。
リモート応援システム
Jクラブではヤマハのリモート応援システムが提供されていたけど、手元で応援している体感値の高さとスタジアムへの声を届けられるという機能性を評価してスポヲタ社の開発したスポヲタチアを導入しました。
明日再開するJ1リーグ、 横浜FCではリモートチアシステムを導入いたします✨
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) July 3, 2020
サッカー界では世界初となる #スポヲタチア を使って #リモートマッチ を盛り上げましょう!👏
詳細は以下をご確認ください。
ご質問はTwitterで受け付けます🙇♂️#yokohamafc #横浜FC #スポヲタhttps://t.co/ebzQG7UmQ1
素晴らしいサービスで、海外でも導入されていることもあり期待していたけど、結果現時点では利用ユーザーを集めることが難しかった。UIもシンプルでわかりやすいけど、ハードルとなったのは”新しすぎる観戦体験”でファンが置いてけぼりになってしまっているかなと思うこと、DAZNの映像とスタジアムのタイムラグがあるため、自宅からスタジアムに声を届けられるという醍醐味を表現(体感)できないことも成果を得にくかった要因だと思う。(※現地で試合中のシーンよりも1分遅れたタイミングで歓声やため息などがスタジアムに届くことになるので運営の都合上音量はMAXにできていない。)
自動生成ツール
昨年からあたためていたJX通信社との取り組みで、Twitterでの速報を効率化する自動生成システムを導入しました。
ライブ感の強い試合中の投稿回数を自然に増やすことで公式アカウントからの投稿のimpが増加、さらにフォロワーの増加につながります。
GOAL!!!⚽
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) July 8, 2020
前半20分、松浦選手のスルーパスに抜け出した #斉藤光毅 選手のJ1初ゴールで先制!! #yokohamafc #reysol #横浜FC pic.twitter.com/di9d0YwC9V
選手交代
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) July 4, 2020
#横浜FC #yokohamafc #consadole pic.twitter.com/R0Y7sqrkLT
本日の #コンサドーレ札幌 戦のトラッキングデータです✨
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) July 4, 2020
#横浜FC #yokohamafc #consadole pic.twitter.com/W9qN16JG1a
コンテンツ提供系
#エア明治安田生命J1リーグ
本日のピッチレポーターのうっちーです!
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) March 1, 2020
ベンチから戦況を見つめる三浦選手から草野選手へ何やら内緒のアドバイスが。
果たしてどのようなアドバイスが!?#エア明治安田生命J1リーグ横浜FCvs柏 #YOKOHAMAFC #横浜FC #柏レイソル #reysol pic.twitter.com/CMno392pF8
# チャントの練習
あいにくの雨なので #チャントの練習
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) March 14, 2020
フリエーフリエー起こせハマの友よ✨
フリエーフリエー 青と白の革命を✨
フリエ👏フリエ👏
起こせハマの友よ👏
フリエ👏フリエ👏
青と白の革命を👏#yokohamafc #横浜FC #RECORDTHEBLUE pic.twitter.com/9jYzRTC4C3
zoomで解説
新しい解説のかたち?
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) April 9, 2020
在宅勤務となり新しく導入したzoomを使って、横浜FC広報のうっちーが昨シーズンのゴールシーンの解説に挑戦✨(少しずつクオリティアップを目指します🙇♂️)
みなさんは2019シーズンのどのシーンの解説を聴いてみたいですか?#yokohamafc #横浜FC #stayhome #zoomで解説 pic.twitter.com/6smq5rNTJJ
選手紹介
横浜FCの選手を順番に、かっこいい写真とともに紹介✨
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) April 13, 2020
No.11 FW #三浦知良
1967年2月26日生まれ
177cm/72kg
コメント欄でみなさんからもカズ選手の紹介、今シーズンの応援コメントをお願いします🙇♂️#yokohamafc #横浜FC #みんなで選手紹介 pic.twitter.com/E5IDJ6IZpt
息抜き系
フリ丸ゲームとあわせて、こちらも💁♂️#フリ丸 が作ってくれました。#南雄太 選手をタイミングよくストップさせてセーブしてください🤲#yokohamafc #横浜FC #stayhome https://t.co/8hrMz8ZkqQ pic.twitter.com/D0pSEZ5op7
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) April 20, 2020
昨日のシルエットクイズの正解は、当時主将を務めた元日本代表 #城彰二 氏でした⚽️✨#yokohamafc #横浜FC #stayhome #Jリーグの日 https://t.co/2UGKrwzLl8 pic.twitter.com/Or4C5dedEX
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) May 15, 2020
選手系
コロナ禍において大きく変わったのは選手の情報発信に関する意識。
サッカーができないプロサッカー選手という状況になった時に、自分たちに何ができるのか、社会に対してどんな価値を提供するのか、今後のことなど色々な考えがめぐっていると思います。その中で、今までは第3者にしか語られることの無かった自分を、選手自身の言葉で発信するような意識になったこと、発信のメディアを自らつくったことがポジティブな変化。
若手選手育成プログラムのYMCA発の特別企画 #選手のトリセツ が今日からスタート✨
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) April 17, 2020
選手自らが考え、企画し作りあげるこの企画、第一弾は #瀬古樹 選手の「瀬古樹成長記」です⚽️
配信は公式YouTubeから💁♂️https://t.co/8fmaAL3pEg#yokohamafc #横浜FChttps://t.co/O0gs4WH6pK pic.twitter.com/ZFLd6eTEyE
#マギーニョ 選手から #おうち時間 の楽しみ方が届きました。
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) April 19, 2020
大切な人たちとの時間を大切に✨
また会うために、今は会わないという判断も必要です。
みなさんは何をして過ごしていますか?離れて住むご家族にメッセージを送ってみてもいいかも🤔#yokohamafc #横浜FC #stayhome #SocialDistance pic.twitter.com/ShToTfMl4n
スポンサー系
スポンサーに関しては今シーズンの広告露出の減少の補填のようなイメージ。ありがたいことに今シーズンは契約打ち切りなどの話は現状は無いけど、業績悪化などの懸念もあり来シーズンの契約更新ができない企業も出てくる可能性はあるので、21年を見据えて営業活動はすでに動き出しています。
世界中の経済が逼迫する中、それでも横浜FCをサポートしていただいているパートナー企業様をご紹介します✨
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) April 29, 2020
一緒にこの苦難を乗り越えましょう。
企業のご紹介は💁♂️https://t.co/QbFlJYCJKr#yokohamafc #横浜FC #stayhome #ハマノシエン #sanc #キュビック
リリースは💁♂️https://t.co/SkeFUCpEkK pic.twitter.com/TmfgUyinZy
#レジェンド対談 配信開始✨
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) July 10, 2020
YouTubeプレミア公開してます👏
◾️レジェンド対談🎥https://t.co/Sy1TFxR6ut
ここでしか聞けない貴重な話が盛り沢山!
横浜FC公式YouTubeチャンネルでお待ちしてます✨#yokohamafc #横浜FC #三浦知良 #中村俊輔 #松井大輔 #Jリーグ pic.twitter.com/4mSeWQJYmH
ホームタウン系
# フリさんぽ
本日トライした #フリさんぽ 👏
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) March 18, 2020
なんと今日が誕生日という噂を聞きつけた #フリ丸 が、急遽サプライズでサポーターのご自宅に突撃訪問してきました✨🎂#フリさんぽ #yokohamafc #横浜FC@fc_fulimaru pic.twitter.com/E1Wq5Sg4rc
昨日は #フリ丸 が横浜中華街へお邪魔してきました✨
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) March 19, 2020
訪問したのは、翡翠楼さん(@hisuirou )と四五六菜館さん(@456saikan_info )😋
お店でしか食べられない味もあれば、テイクアウトも充実👏
美味しい料理で元気をもらったフリ丸でした✨#yokohamafc #横浜FC #フリさんぽ #頑張れ中華街 pic.twitter.com/TZ8bKgatwL
ホームタウングルメマップ
感染予防の啓発
感染予防として #三浦知良 選手と #瀬沼優司 選手はハッピーバースデーを歌って手洗い👏
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) March 21, 2020
2回繰り返すとまんべんなく手洗いできますよ✨ぜひ実践してみて💁♂️
実践動画を投稿した方の中からラッキーな1名様のお名前で、2人からバースデー手洗いソングをプレゼント!🎁#yokohamafc #横浜FC #(お名前) pic.twitter.com/koekiqU4FE
今の時点で、サービス自体の良し悪しを判断できるというほど具体的な数値は持ち合わせていないので、これからどんどん良い方向に変わっていく可能性はあると思います。
ただ、一度やってみた結果と他クラブの実施例から客観的に見た感じで、クラブ側では早めに取捨選択する必要があります。
細かい数値の検証と改善はプラットフォーム側に任せて、使う側としては今回の結果から、まだ認知も浸透もしてない新しいサービスをどうプロモーションして、エンドユーザーに認識して使ってもらうかを考えていきたいと思いました。