![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89088415/rectangle_large_type_2_47fc9add467ec24fab65c9bc0478b59c.png?width=1200)
vol.10 住まいの管理と おとなりさんを、編む
「編む、ブルースタジオ」とは
「編む、ブルースタジオ」は、毎回一つのテーマに沿って、住まいのタイプやジャンルを超えて事例・サービスを再編集し、お届けします。いつもの分類とは少し異なる目線から、“役に立つ”だけではない、“大切”なモノ・コト・時間を見つけ出すnoteマガジンです。
Prologue:建物に流れる“時間の価値”
「編む、ブルースタジオ」では、vol.7より住まい・暮らしのデザインのフロー、
〈物件から物語へ〉至る過程を探っています。
vol.7では「エリアリサーチ」「ビジョン策定」を、
vol.8では「設計」を、
vol.9では「ブランディング」「プロモーション」を取り上げていますが、
今回は特集の最終回、「管理」について取り上げたいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1665645769935-3fgau2YmrO.png?width=1200)
住宅の価値は、いつが一番高いのでしょうか。
新築の傷ひとつない、まだ誰も住んでいない部屋は、その一つのタイミングです。
しかし、
時を重ね、〈物語〉が醸成されていった住宅もまた、大きな魅力を持っています。
建物に流れる“時間の価値”をマネジメントし、
ひとつひとつの〈物語〉とともに走り続けていく。
その〈物語〉に、誰よりも近くで関わり続けるのがブルースタジオの「管理」です。
一人ひとりの「暮らし探し」
ブルースタジオには「暮らし探し」のチーム=「不動産部」があります。
Vol.2では「街」×「物件」×「デザイン」のバリエーションから対話を重ね、
その人だけの道を共に探し求めていく、そんな事例を中心に紹介しました。
「不動産部」には、賃貸物件での暮らしをともに作り上げていく、そのパートナーを担うスタッフがいます。
今回はhoccoの管理を担当しているブルースタジオのスタッフに話をきいてみました。
ブルースタジオの会社紹介動画ではナレーションも担当していた、急な用事がなくてもついつい話しかけたくなる、坂口さんです。
「入居前の募集・案内からhoccoとの関係は始まっていて、入居者さんが決まった今も、毎月hoccoへ巡回に行くのと、要望があれば随時対応をしながら、快適に暮らせる環境を提供することが仕事です。」
![](https://assets.st-note.com/img/1665664537618-ZEMmw8gO88.jpg?width=1200)
店舗兼用住宅、しかも住宅がコの字型の長屋になっている住宅はブルースタジオとしては、はじめて。
手探りな部分もまだまだ多いですが、一方通行ではない、他愛のないことも話せるような気軽な関係を目指しているそうです。
「リーシングの時から、“押し付けない”ということを大切にしています。オープンにできる土間があったり住戸が向かい合っているなど、なかなか前例がない分、暮らしがイメージしにくいと思っていて。
入居してからも住戸同士の距離が近い分、気遣わないといけないこともありますが、おとなりさんの顔がみえる家だと思えば、そういうつながりがあることって、とても健やかだと思うんです。
ブルースタジオとしてはこの物件が良い!と思ってつくっていますが、管理として直接入居者さんと向き合う自分は、こちらの考えを押し付けるというよりも、それぞれの価値観を尊重しながら、一人ひとりの想いが話しやすくなるように、キャッチできるように意識しています。」
![](https://assets.st-note.com/img/1665667025806-G6a5eHLXLw.jpg?width=1200)
多様な「なりわい」を育む入居者が生活しています
「仕事の日に行くことももちろんありますが、お休みの日に植物や本を買いにいくこともあります。hoccoに植物屋さんが入ってくれたおかげで自分の部屋も緑が増えてきて嬉しいです。
この間買った鉢植えが枯れてきちゃったんですけれどもどうしたらいいですか…?て相談をしたり、常連さんの一人みたいな感じですね。」
顔がみえる、名前がわかる関係性。
入居者と管理の関係も、入居者同士の関係性も、
距離が近いことを心地よく思える健やかな場所になるように、共に時を重ねていきます。
一人ひとりの「家での生活の豊かさ」
完成してから1年。
hoccoはグッドデザイン賞を受賞、
さらに、地域社会の持続的発展や経済の活性化に特に寄与するデザインに贈られる、特別賞〈グッドフォーカス賞[地域社会デザイン]〉もあわせて受賞することができました。
審査委員の評価
住宅地の真ん中にあるバスターミナルを地域交流拠点として開発した新しい取り組みが高く評価された。これまで都市近郊部の開発は駅前中心の画一的な開発が主であったが、駅から離れた立地のバスターミナルに店舗併用の賃貸住宅を建てることで、住む人の「なりわい」が地域の人々の新しい交流を生む魅力的な場となっている。中庭に面して店舗が並び、店舗は土間と軒先の空間を通じて中庭へと繋がる。軒下があることで人は気持ちよくお店の前で佇み、住む人とその「なりわい」に出会うことができる。個性あふれる「なりわい」が魅力となり、地域の人が自然に集まれる場ができている。ここでは地域で孤立していた高齢者が若い世代と触れ合うこともできる。全国にあるバスターミナルの今後の開発の見本となり得る好事例である。
ブルースタジオが〈グッドフォーカス賞[地域社会デザイン]〉を受賞するのは今回で2回目。
“1階はひとけの感じられる場所であるべき”という観点から株式会社グランドレベルが事業主体となって企画した【喫茶ランドリー】によって、4年前に受賞しています。
“私設の公民館”を構想の原点にもち、洗濯機やミシン・アイロンもある喫茶店兼株式会社グランドレベルのオフィスも兼ねていた【喫茶ランドリー】とは異なり、hoccoはカテゴリーは「住宅」。
しかし今回の受賞においても、さまざまなスケールの関係性のなかで育まれる暮らし=より広義の「家での生活の豊かさ」を評価していただいたことは、大きな喜びです。
![](https://assets.st-note.com/img/1665586966140-VZuv5YxrsU.jpg?width=1200)
賃貸住宅を、
安さや広さなどのお得さや
駅からの近さなどの利便性や
備え付きの設備といった機能に加えて、
この場所で結んでいく関係性・そのなかでこれから紡いでいく生活の豊かさを想像して選ぶ。
ブルースタジオが考える「あたりまえ」の実現へ、一歩近づくことができたと考えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1665587321502-2LTguTGQyj.png?width=1200)
みんなで紡ぐ、一人ひとりの〈物語〉
「エリアリサーチ」「エリアビジョン策定」でうまれたチームが、
「設計」を通じて敷地境界線や建物の外までデザインを行い、
そして「ブランディング」「プロモーション」で〈物語〉のたすきをつなぎ、
「管理」のなかで、共に走り続けていく。
![](https://assets.st-note.com/img/1665712316971-lkTfTA1LAQ.jpg?width=1200)
〈物語〉が一人では成立しないように、
さまざまな要素や関係性のなかで
ブルースタジオの住まい・暮らしのデザインは編み上げられていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1664455197290-LfP5lMIexj.jpg?width=1200)
一つひとつの、一人ひとりの〈物語〉とともに走り続けていく、
「想い」を伝えながら、「力」を伝えながら、そのかたちをこれからもつくり続けていきます。
今回紹介した事例についてもっと詳しく知りたい方に
・ブルースタジオのサービス紹介ページ
リーシング・管理:
https://www.bluestudio.jp/service/realty/realty_03.html
・hocco
portfolio:https://www.bluestudio.jp/portfolio/po012451.html
物件ホームページ:https://www.odakyubus.co.jp/hocco/
・喫茶ランドリー(森下・両国)
受賞ニュースページ:https://www.bluestudio.jp/bs_news/005352.html
物件ホームページ:http://kissalaundry.com
最後まで読んで頂きありがとうございます! もしよろしければ「スキ」や「フォロー」いただけると嬉しいです。 最新情報はHPで発信でもしています。ぜひあわせてご覧下さい→ https://www.bluestudio.jp