vol.9 物語のたすきをつなぐブランディング・プロモーションを、編む
Prologue:〈物件から物語へ〉のさらに先へ
「編む、ブルースタジオ」では、vol.7より住まい・暮らしのデザインのフロー、
〈物件から物語へ〉至る過程を探っています。
vol.7では「エリアリサーチ」「ビジョン策定」を、
vol.8では「設計」を取り上げていますが、
今回は「ブランディング」「プロモーション」を中心に取り上げたいと思います。
ブルースタジオでは物件が竣工した後も、
物件のもつ〈物語〉を伝え、
そこに住む人や訪れる人が〈物語〉にこめられた想いをさらにその先へつなげていくための、入居の促進や関係づくりを行っています。
たすきによって、
大勢がひとつのチームとして想いを分かち合うことができたり、
あるいは画面の向こうにいる走者が自分の一部だと思って感情移入できるように。
「ブランディング」「プロモーション」によって、
〈物語〉をつなぎ紡いでいくことができる、
〈私の物語〉が〈私たちの物語〉になる、と考えています。
今回はvol.7・8で取り上げてきたhoccoが、どのように〈物語〉をカタチにし、共感する人の輪を広げていくのかについて注目していきます。ぜひあわせて読んでみてください。
tasuki 1:〈物語〉をカタチにする -ブランディング-
「住宅地のバスターミナル 「生活者」が育む なりわい長屋」を目指したhocco。「hocco」というネーミングは、ブランディングの一環として行ったものです。
桜堤の地域には古くから水の路「梶野分水」があり、
「ほっこ抜き」と呼ばれる方式によって、今も昔も人々の生活に潤いを運んでいました。
この場所が歴史を感じながらも、桜堤の生活に新たな潤いを運んでくれるように、という願いを込めて「hocco」と名付けました。
これまで作り上げてきた〈物語〉がこれまで関わってきたプロジェクトのチームだけではなく、
これから入居する人々、地域へ暮らす人々など、その場所に関わる人々へと伝えていくためのブランディング。
建物ができる前から、イラストやコピー、それぞれのツールを一つの世界観のなかで展開していくことで、
〈物語〉をより鮮明に伝えていきます。
つくっておわり、ではなく
そこに住む人がいて、はじめて物件にこめられた想いがカタチになる。
だからこそ、人の心へ伝わる〈物語〉を大切に、ブランディングを行います。
tasuki 2:〈物語〉の共感の輪をひろげる -プロモーション-
hoccoに共感し、なりわいを育む方々に入居してもらうためのプロモーションを行いました。
たとえば写真の撮影。
部屋の内部だけではなく、どんな暮らしを行われるかイメージがしやすくなるような撮影を行いました。
また、より届けたい層へ情報を発信できるかを吟味しながら、広告を実施し、プロモーションをすすめていきます。
入居する方だけではなく、近隣にお住まいの方との関係づくりも丁寧に行いました。
hoccoのことを理解していただくことで、口コミによる広がりや、入居者・お店とより良い関係を築いていくことができる。
そう考え、入居促進だけではない、「知ってもらう・来てもらう」ための発信を行います。
hoccoでは、目指している「なりわい」の暮らしぶりをイメージしていただけるように、
家具をおいたモデルルーム、ではなく、アクティビティによる『モデルライフ』も実施しました。
自分たちが住むならばこんなことができるのでは?を軒下のスペースで実践するオープンデーをつくることで、
これからhoccoで一緒に作りあげていきたい暮らしのイメージを地域と共有する機会となりました。
入居者が決まってきてからも、地域の方々へ〈物語〉を伝え続けていくため、イベントといった形で、プロモーションは続きます。
running parallel
事業主だけではなく入居者、地域住民も含めたすべての関係者が当事者意識を共有することで、場の価値を高め、〈物語〉のたすきをつなぐための「ブランディング」「プロモーション」。
たすきをつないだ後も、ブルースタジオは立ち止まりません。
ひとつひとつの〈物語〉とともに走り続けていく、
「管理」についてvol.10では取り上げます。お楽しみに。