映画「日々は、うたかたに」を観て
12月18日、「日々は、うたかたに」という映画をnetflixで観た。原題は「Kagıttan Hayatlar」。2021年のトルコ映画で、カン・ウルカイ監督の作品だ。
キャストは、チャガタイ・ウルソイ、エミール・アリ・ドールル、エルシン・アリジなどである。
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あらすじは、
イスタンブールの街で病に苦しみながら廃品回収を営む男は、小さな少年を保護する。男は少年の面倒を見始めるが、子供の頃の暗い記憶に心をむしばまれてゆく。
といった内容。
で、観終わっての感想。
子ども時代のトラウマは、一生ついてまわる
完全にネタバレになってしまうが、主人公は、子ども時代の幻想と共に生きている。それくらい、子ども時代のトラウマは、おとなになっても消えないということだ。映画の中では、母親から捨てられてしまう少年のシーンが有る。主人公は、母親の愛を信じて、写真を持ち続ける。
そして、ある日、子ども時代の幻想と出会ってしまうのだ。
最後まで観て、以前の行動の意味を知る
この映画は、途中までだと意味がわからない。
最後まで観て、それまでの数々のシーンがどういうものだったのかを知ることとなる。最後に相棒や親方のような存在の人の、彼への愛を感じる。
ケーキでのろうそくの火を消すシーンなどは、まさにそうである。
トルコという国の現状を知る
もちろん、どの国にも闇の部分がある。
でも、トルコという国の闇には、廃品回収の末端的な仕事があり、
縄張り争いが起きていること。近代的なビルも立ち並ぶ中で、逆に路地裏には、親から捨てられた子どもたちが仕事を求め、日銭を稼いでいること。
映画からでないと、なかなか知る事ができないと感じた。
なぜか、涙が出ない
この映画。
ボクは、涙が出てこなかった。
なんでだろう?
主人公は、とても悲惨で、最後まで母親を忘れられずに死んでゆく。
そこには、一方通行の愛しか感じられない。
だから余計に、愛というより、闇を感じてしまったからだと思う。
ボクの中では、この映画が伝えたかったことは、
子ども時代のトラウマは、生き続ける限り、心から離れない。
と、そんなふうに受け取った。
だからこそ、子ども時代の心の傷は、深い。
子供と関わりのある仕事に就くボクは、
この映画で、さらに心に刻み込んだのである。
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