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映画 選ばなかったみち

認知症の父レオ、献身的に支える娘モリー。

イケメンで知的なレオの人生はかなりモテたはず。

ニューヨーク、線路沿いのアパート。

彼を名前で呼ぶのはモリーとヘルパーだけ。

自分勝手に生きた男の末路、どうしても父の姿と重なる。

違うのは、モリーへの確かな愛情。

イギリスを代表する女性監督サリー・ポッターが弟を介護した自らの体験をベースに監督、脚本、編集、音楽を手掛けた作品。

認知症を抱える父の幻想と彼を介護する娘の現実とを交差した物語。

ニューヨークのアパートで一人暮らすメキシコ系移民のレオ(ハビエル・バルデム)

小説家として夢を掴むことができず、パートナーとも別れ、病を抱えながら寂れたアパートで暮らすレオのもとにはヘルパーと彼を愛してくれる娘モリー(エル・ファニング)が訪れる。

レオのなかから日々薄れていく彼が歩んできたみち。

初恋の女性と出会った故郷メキシコ、作家生活に行き詰まり一人旅をしたギリシャ。

移民のみちを選ぶか、祖国に戻るか。

あの日、あの時、あの瞬間。

別のみちを選んでいれば…。

レオは心の旅を続けながら、歩んでいたかもしれない人生に会いに行く。

人は誰しも後悔する。

誰だって、長い人生のなかで一つや二つ、自分が選んだみちを後悔している。

人は必ず老いる。

老いたときに忘れてしまう記憶、思い出は沢山ある(きっと覚えていることの方が少ない)

けど、決して忘れてはいけないものがある。

それはきっと何歳になっても、病を患ったとしても、きっと覚えている。

父と娘、同じ場所で別の景色が見えている二人。

旅の果てに、二人はそれぞれのみちを歩きだす…。

線路脇の安アパート、落ちぶれた男の哀愁(自分勝手な優しさはあった)、厳しく見れば好き勝手に生きた男の末路。

社長業でそれなりにお金があって、酒好き、女好きで自分勝手だった父親。

中学生の頃に会ったきりなので、落ちぶれてるかは分からないけど、寂しい人生を送ってるような気がしてならない。

そんな父にもモリーのような存在がいたらいいなと思いました。

〓本日公開、グレイテスト・ショーマンのスタッフが送る最新作“シング・フォー・ミー、ライル”にハビエル・バルデムがヘクター・P・ヴァレンティ役で出演!


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