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原民喜さんの詩碑が修復されました|平和公園|写真
3月13日は「花幻忌」。原民喜さんのご命日です。
『夏の花』『鎮魂歌』などで知られる広島の作家で、"原爆詩人"などと呼ばれることもあります。
平和公園の一角に、「花幻忌」のもととなる詩を刻んだ詩碑があるのですが、少々痛みが進んでいました。
一年前に撮った写真がこちら。欠けている箇所、ひび割れた部分が見受けられました。
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修復されたとのニュースを耳にし、ちょうど近辺に用事ができたため、足をのばしてきました。
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遠き日の石に刻み
砂に影おち
崩れ墜つ天地のまなか
一輪の花の幻
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修復後、一般公開の初日でしたが、私の他にも丁寧に写真を撮っている姿。きっと、原民喜さん好きなのだろうなあと(^^)
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原民喜さんは、私の心の中の「永遠の特等席」のあたりであちらこちらを歩いていらっしゃいます。そのため、ここが好きとか、この作品が好きとか、軽々に言うことができません。
一年前、ウクライナ危機のこともあり、原民喜さんの著作を集中して読んだ私の感じたこと。―たしかに原爆についてのいくつもの著述は歴史的にも重要で、民喜さんにしか書けなかったことばで綴られています。ですが、それは彼が自分の生きてきた道を書き残した作家だったからであり、本領としては、原爆のことを抜きに語られてしかるべきだ、ということです。
思い出されるたびに、原爆と紐付けて語られるのはあまりにも痛ましいと思うから。それはひとり原民喜さんだけではなく、すべての被爆された方々についても同じです。
とはいえ、原爆の体験はあまりにも強烈でしたから、それを抜きに読むこともまた、きわめて難しいことではあります。
原民喜さんについては、一年前にいくつか記事を書いて、書くべきことは書き終えたと思うので、敢えてくり返すことはしません。
民喜さんのことばに、直にふれていただくのが一番だと思います。
まだ民喜さんを読んだことのない方、また『夏の花』しか知らないよ、という方には、詩集『小さな庭』『画集』『魔のひととき』、小説なら『遥かな旅』をお薦めしたいと思います。私は岩波文庫、講談社文庫で読みましたが、おそらく青空文庫に所収のはず。
(そして、原爆とその後の辛酸―常に、最もたいへんなのは日常―について読むのであれば、戦後の全小説すべて同列で推したいのですが、『夏の花』と『鎮魂歌』をぜひセットで。心の余裕のあるときに。)
私の過去記事でもいくつか引用してきたので、たしか初出のはずのこちらを選びました。
濠端の鋪道に散りこぼれる槐の花
都に夏の花は満ちあふれ心はうづくばかりに憧れる
まだ邂合したばかりなのに既に別離の悲歌をおもはねばならぬ私
「時」が私に悲しみを刻みつけてしまつてゐるから
おんみへの讃歌はもの静かにつづられる
おんみ最も美しい幻
きはみなき天をくぐりぬける一すぢの光
破滅に瀕せる地上に奇蹟のやうに存在する
おんみの存在は私にとって最も痛い
死が死をまねき罪が罪を深めてゆく今
一すぢの光はいづこへ突抜けてゆくか
京橋川のたもと、原民喜さんゆかりのしだれ柳が今年も花を咲かせました。今はもう花も終わり、若葉の季節。
(詩碑がきれいになりましたよ...)って、私がご報告にあがる筋でもないけれど、ふらっと立ち寄ってきました。
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↓昨年春の桜の写真。今年は時間がなくて、遠景しか撮れなかったので、かわりに。
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