オリックス吉田正尚選手による開発途上国の子ども支援
今年7月から始まる東京オリンピックで、侍ジャパン野球日本代表入りが決まったオリックス・バファローズの吉田正尚選手。彼はプロ入り1年目から、チャリティーオークションやチャリティーイベントなど、BLFの様々な活動に参加してくれています。
吉田選手は入団会見でも「プロ野球の世界で長くやっていくことが目標で、将来的には社会人として社会貢献ができればと思っています」と発言していました。プロに入る前からそのような考えを持っていたことには本当に頭が下がります。
吉田選手といえば、豪快なフルスイングから生まれるホームラン。そのホームランごとの支援を行うことになったのは2019年シーズンのことでした。ホームラン1本につき10万円を、認定NPO法人「国境なき子どもたち」に寄付することにしたのです。この支援ルールは吉田選手自身が考えたものであり、支援先もこちらからの提案をもとに吉田選手が決めました。
国境なき子どもたちは、ストリートチルドレン、人身売買の被害にあった青少年、貧困層にある青少年など、おもに開発途上国で困難に直面した子どもたちを支援する国際NGOです。吉田選手が支援するのは、フィリピン、バングラデシュ、カンボジアなどの開発途上国で貧困に苦しむ子どもたちです。
日本の子どもたちの貧困は「相対的貧困」(平均的な水準に比べると貧困であるという状況)と言われるのに対し、これらの国々で貧困に苦しむ子どもたちは「絶対的貧困」、つまり、今日、明日の生活に困っているという局面にさらされている状況です。
ホームラン1本分の寄付額である10万円でできることはたくさんありますが、わかりやすい例を一つ挙げると、カンボジアの自立支援施設「若者の家」で暮らす約30人の子どもの1ヶ月分の教育費を捻出することができます。きちんとした教育を受けることによって貧困から脱却し、明るい未来を夢見ることができます。吉田選手が1本ホームランを打つと、これだけの子どもたちを幸せにすることができるということですね!
この素敵なプロジェクトは、吉田選手だけのものではありません。「選手・ファン参加型」というメジャーリーグでの学びを活かすためにも、ファンも一緒に支援に参加できるようにしたいと私たちは考えました。
そこで、オンラインの寄付プラットフォーム「シンカブル」を活用し、吉田選手がホームランを打つごとにファンも寄付できる専用の寄付ページを作ることにしたのです。吉田選手本人も、「ファンと一緒にできるのはいいですね」と賛同してくれました。
支援活動を始めた2019年、吉田選手はキャリアハイとなる29本のホームランを記録しましたが、寄付の目標額として掲げていた300万円には一歩届かず。しかし、ファンの方の寄付のおかげで、目標金額を上回る306万1100円の寄付を団体に届けることができました。グラウンドの外で、支援活動を通じて選手とファンがつながる。そこで生まれた絆は、選手の現役生活が終わってからもずっと続くことでしょう。
シーズン中には毎年のように、支援先の子どもたちからメッセージ入りの写真が届きます。それを吉田選手にもいつも送っていますが、試合に挑む際のモチベーションにもしてくれているようです。
いつか吉田選手が支援先を訪問し、受益者である現地の子どもたちと面会する機会も作れたらいいなと考えています。
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