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<ブルックリン文化風俗アーカイブ記事>超富裕層のユダヤ教ティーンの元服式=バー・ミツバで社交デビューするNYキッズ

(注:あちこちに書き散らかしてきたものをnoteにまとめる作業をしています。記事内の出来事と投稿とのタイミングがズレているものも多々ありますのでご了承ください。)

ブルックリンの公立校から私立に編入する際、とにかく周囲に言われていたのが「バー・ミツバでご祝儀貧乏になるよ」という優しいウォーニング。ひょっとしたら学年の半分以上がユダヤ人なんじゃないか、というくらいの密度なので、パーティーしやすい時期(秋とか初夏とか)の週末はほぼ子どもたちがお呼ばれするバー・ミツバの送迎係になっていた。もちろん招待する側も日にちがカブらないよう、お互いに調整している。

ここらへんは親の金銭感覚が露呈するところだが、バー・ミツバでかき集めたご祝儀はだいたい本人の将来のため、株やら何やらに投資されるとか。13歳から思い知る複利の力。さすがです。タイム誌で「世界で最もパワフルな女性100人」の1人に選ばれた敏腕女性弁護士は、息子のためにミシュラン付きのレストランを貸し切って盛大なパーティーをしていたし、某アカデミー俳優と女優カップルの息子はウォーターフロントの巨大なイベント会場でハリウッドのレッドカーペットさながらの豪華さ。(その時の隠し撮り写真をここで晒す勇気はまだない。)以下は2019年の記録です。


今回ご招待いただいたバー・ミツバもいつも通り、アーバンアウトフィッターズとかそこらへんで買ったカジュアルめなドレスを着せて茶を濁そうとしていたのだが(学校にも着ていけるし)、仕事中に娘からテキストがあり、「招待状に『カクテルパーティー仕様でお越しください』的なことが書いてあるらしい!!どないしよ!!」と大騒ぎしている。

そもそもこれは大人のゲストに対するドレスコードのお知らせであって、誰もトゥイーンのガールズの服装なんて気にしちゃいないと思うよ、と言ったのだが、社交慣れしている友人たちに言わせると、主役の男の子の家のハンパない金持ちっぷりや(みんな3歳児クラスの時から一緒だったりするから幼馴染みみたいに互いの家庭のことをよく知っているし、特に今回の主役は、いつも休みのたびに世界各地にあるビーチハウスやカントリーハウスからインスタ中継したりする「ひけらかし系」金持ちとして悪名高し)、パーティーの会場のランクや周辺エリアなどの要素から察すると、ちゃんとドレスコードを守っていかないとホストに失礼なのではという結論に達したらしく。これ、12、13歳の女の子たちがランチの時に話す内容!?

ということで今日はコーラスのレッスンの後、ひたすら「12歳女子用カクテルドレス」探しでダウンタウンブルックリンを駆けずり回るハメに。制限時間の3時間ギリギリでなんとかゲット。どうってことはないフツーのコンサバなミニドレスを選んできた娘。カクテルドレスでは決してない。

2010年代くらいまでのダウンタウンBKしか知らない人は多分イメージがわかないと思うんだけど、フルトンモールにできた新築高級デザイナーズコンドなど、スタジオ(日本で言うところのワンルーム)で月5000ドル(2022年冬の時価で68万円)とかそういう感じになっちゃっていて。全米第2のテックハブシティとなったNYCにニューマネーがたくさん流れ込んできてから、あらゆるものの価格高騰が起きている。普通にジミージャズとかドクタージェイズとかもまだあるんだけど。なので、そこらへんにできたセンチュリー21とかニーマンマーカスのセールストアとかでドレス探し。(注:2022年の時点ではここで言及した店はニーマンマーカス以外すべて閉鎖。歴史がどんどん塗り替えられております。)

小道具つきのフォトブース撮り放題は楽しいに決まってる!グラフィティアーティストがカスタマイズしてくれたフディで記念写真。

バー・ミツバのよくあるパターンとしては、どこかのデカい箱を貸し切り、DJを入れ、ミラーボールやスモークマシン、バルーンアーティストやパフォーマーなどを確保し、さらにフォトブースやフードトラックを丸ごと貸切で招待客に好きなものをオーダーしてもらう、というのも人気。

以前娘が参加したパーティーは、ゴワナスのステキなイベント会場にフォトブースと、某ベルギーワッフルの有名店のフードトラックを横付け。お土産はホスト側が用意した白いフディーに雇われグラフィティアーティストが好きな名前やメッセージをデザイン、カスタマイズ土産をそのまま着て帰ってきた。コレ、グッドアイデア!日本でも需要ありそう。

ブルックリンハイツにある会員制のスカッシュ・クラブが会場の時もあった。娘が数年前、そこで小さい頃からスカッシュをやっている友人に一緒にレッスンを受けないかと誘われたので行ってみたい、と言われて何も知らず呑気に問い合わせしてみたことがあるんだけど、まず電話に出たオバちゃんに旦那の年齢を聞かれ。謎なまま告げると、モニョモニョと手元にあるらしき表を見ながら、「入会金2万ドル(2022年冬の時価で273万円)ねー」と。目が点になりつつ、「じゃあ2万ドルを払ったらレッスン受け放題的なシステムなの?」とピュアな感じで聞いてみたところ「ノーノーハニー、レッスンはシーズンあたり4000ドル(54万円)よ」って。ポカーン。シークレットソサエティ。。。

ちなみに主役の超富豪息子、同じ学年の生徒80人を全員招待したそうな。そりゃ楽しくないわけがないよ!ピアスやネックレス、バッグをどれにするかと悩みに悩み、送り届けるクルマの後部座席でマスカラとリップグロスをつける娘。しかもさー、こういう時にプルカツが誕生したりするんだよねー。お年頃的にもー。いいなー楽しそうだなー。おばちゃんは22時のお迎えの時間までシラフでいなきゃいけないし(注:当時はまだUberがそこまで普及していなかったし、ローティーンがひとりで夜中に乗る文化はまだなかった)、そろそろ息子が帰省するから、と馬車馬のようにあちこち掃除機かけたりしてますけどね。

ドロップオフの時はソッコーで会場に消えていったため写真を撮る隙も無かったのだがあとでなんとか激写するぞー。

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