いつか消滅するとしても EP.5
それから、弘子の誕生日が来ると、僕たちは弘子との距離感に合ったささやかなプレゼントを贈るようになった。初めは、缶に入った紅茶。それから、タンブラー、バスソルト……。その間に、僕と優はつき合いだしたが、弘子にはしばらく黙って、変わらず3人でつるんでいた。もちろん、優にも弘子の気持ちはわかっている。はっきりとは言わないが、きっと弘子が初めて僕に誕生日プレゼントを渡した頃から、わかっていたと思う。弘子って、ちょっと怖いよな、と「異邦人」を渡された日のあと、帰りのバスの中で、優は僕