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コロナによる変化を前向きに捉えたとき、移住の決意が生まれた。茨城から秋田の介護施設に転職した杉山君の物語

こんにちは! あきた創生マネジメントの代表の阿波野升壱です。

先月のブログでは、介護施設とすきまワーカーのマッチングサービス「スケッター」を活用した1年間の歩みについて記しました

特に印象的だったのが、スケッターの出会いを通して、茨城県から秋田県への移住を決めた杉山君です。ついに、その杉山君が6月末に引っ越しをおこない、7月から弊社の施設「ショートステイ輪」で働き始めています。

移住から約1か月がたち、秋田での新しい生活をどのように過ごしているのでしょうか。転職までの経緯も含めて、弊社の広報がインタビューしたので、その内容をお届けしたいと思います!

利用者様との距離感に、「良い意味」でのギャップ

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▲二ツ井町の風景

ーー移住されてから約1か月がたちました。秋田での生活はどうですか。

施設がある二ツ井町は生活に困ることがほとんどないですね。2km圏内に大きなスーパーマーケットや薬局、コンビニ、コインランドリー、銀行、郵便局がそろっています。

群馬県で育って田舎にそこまで抵抗なかったのもあり、移住までは下調べをあまりしていなくて。もっと過疎が進んでいて、不便だと勝手に考えていました(笑)。実際は、生活インフラが整っているし、自然も豊かだったので、良い場所だなと思っています。

ーー逆に「ここは大変」というエピソードがあったら教えてください。

秋田弁を理解するのが大変ですね(笑)。本を読んで勉強しても、高齢者の方の訛りについていくのは難しい。でも、技能実習生の方々を見ていると、学ぶことが多いんです。彼女たちも何を言われているか分からないときがあると思うのですが、常に目線を合わせ、相槌を打ちながら利用者様に寄り添っている。そんな姿から、いつも学ばせてもらっています。

ーー確かに秋田弁は勉強しても最初は慣れないですよね(笑)。

意外だった点でいうと、スタッフと利用者様との距離感は、良い意味でギャップがありましたね。Web上での発信を見ていて、勝手に「ホテルの接客」のようなイメージを抱いていたのですが、180℃違いました。

たとえるなら、「親戚のおじいちゃん、おばあちゃん」だったんです。最初は「失礼ではないか」「慣れ慣れしいかも」と思うこともあったのですが、日を追うごとに利用者様との信頼関係が生まれていることを感じました。

たとえば、多くの施設は時間ごとに業務が設定されていて、利用者様が「行きたくない」と言っても、時間通りに誘導すると思います。日々色んな業務を抱える中でそうなってしまうのはしょうがないのですが、輪のスタッフは常に利用者様の気持ちを尊重するようにしていたんです。

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▲代表の阿波野と先輩スタッフとの飲み会

――ショートステイ輪は「その人らしさ」を大事にしており、これまでのスタッフブログでも、その内容が多く記されています。前職でも介護施設で働かれていたとお伺いしたのですが、もともと興味があったのでしょうか?

いえ。母親が現役で訪問介護の仕事を続けているのですが、生活が不規則だし、そこまで給料も高くないので、ずっとマイナスのイメージを持っていました。なので、介護以前のキャリアとしてはコンサルティング会社からの出向という形で、パチンコ店の店長をしていました。

――最初は全く違うお仕事だったんですね。そこから、なぜ介護職に?

パチンコ店に来るお客さんの多くは高齢者です。でも、パチンコは御存知の通り、負けることのほうが多いので、あんまり幸せになる光景を見れないんですよね。心から楽しんでもらえる、という自信が持てなくなってしまったんです。もっと素直に楽しいときも辛いときも寄り添い、人に喜んでもらえる仕事に就きたくて、2つの軸をもとにキャリアを考えてみました。

1つは、色んな仕事がAIで自動化されると言われる中、「人間がやるべきことは何だろう」と考えたときに、介護や福祉領域があると思ったんです。母親の仕事にマイナスイメージを持っていましたが、介護で生まれる人と人とのつながりは、簡単に変えられるものではない。あらためて考えたときに、仕事の意義を感じ、母親への尊敬の気持ちが生まれていきました。

――人生を考える中で、母親の仕事に対する見方も変わっていったと。

はい。2つ目が、身近で身体的ハンディキャップを持った方がいたことです。日々生活をするうえで、色んな苦労をしている様子を見てきたので、何かできないかと思っていました。この2つの観点から、茨城県の介護施設に転職し、その後、秋田への移住に至っています。

コロナを受けて、生きていることへの感謝が深まった

ーー代表の阿波野とは、1月に開催されたスケッターの新年会がきっかけで出会ったと伺いました。最初に会ったときの印象などは覚えていますか。

当日話した内容はあまり覚えていないのですが、優しさの中に「介護の仕事を変えていきたい」という、強い気持ちを感じたのが印象に残っています。

特に共感したのが、技能実習生の受け入れに対する考え方です。これまでの経験から、他業種も含めて、外国人の方を低賃金労働者と見ている企業が多いのではないかという印象がありました。

でも、あきた創生マネジメントは、言語や文化の違いはあっても、その人らしさを共有して、互いにサポートしながら仕事をしていた。人材不足が深刻な介護業界で、外国人の方々の力を借りるのはこれから必須になると思います。そんな問題意識が自分にもあったので、チャンスがあれば職場を見学したいし、その現場で「働きたい」という思いがあったんです。

▲技能実習生を受け入れるまでの歩みに関する動画

――新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、現地での見学をするのが難しくなった中、スケッターの「桜プロジェクト」に参加して、地元の桜をZoomで中継してくれました。その後、「入社したい」と伝えたと聞いたのですが、そこまでの気持ちの変化を教えていただけますか?

代表のSNSやWebサイトのスタッフブログなど、日々の発信を見ていて徐々に気持ちが強くなっていきましたね。東京からのスケッターを受け入れた、昨年の夏祭りの様子も印象に残っていました(参考:(スケッターで)高齢化率1位の秋田能代に東京から若者が集まる理由)。

ただ新型コロナウイルスの影響で、現地に行くことが難しくなってしまい。そんなときに、代表がスケッターで桜プロジェクトの募集をしているのを見て、「チャンスだ」と思いましたね。桜の様子をライブ配信してから、メッセンジャーやZoomなどでやりとりを続ける中で、あらためて入社したい気持ちが強くなったので、代表にメッセージを送りました。

ーー田舎に慣れていたという話がありましたが、それでも秋田への移住は大きな決断だったと思います。決断するまでの葛藤などはありましたか。

葛藤はありましたね。群馬県におばあちゃんがいて、秋田に移住してしまうと、物理的に距離が離れてしまうこと。また、前職の介護施設を約半年で辞めることになってしまうのが気がかりでした。

これらを乗り越えられたのは、コロナによる変化を前向きに捉えられたのが大きいと思います。おばあちゃんと対面で会うことは難しくなりましたが、姉に手伝ってもらい、オンライン飲み会を開催するようにしたんです。気軽に会えなくなった分、今生きていることへのありがたみがより強まりましたし、介護という仕事にもより魅力を感じるようになりました。

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▲おばあちゃんとのオンライン飲み会の様子

――オンラインへの移行が進んだことを前向きに捉えたからこそ、対面で会うのは難しくなりましたが、おばあちゃんとの距離が縮まったんですね。

そうなんです。もう一つ、前職でせっかく仕事に慣れたころに辞めてしまうのが申し訳ないなと思っていたのですが、ある人の言葉をきっかけに決意することができました。

兵庫県で障がい者向けの放課後デイサービスを経営している平林(景)さんという方です。コロナをきっかけに、「会いたい人に話を聞いてみよう」と思いコンタクトしてみたところ、快くオンラインで話をしてくれて。悩んでいたことを話したときに、「杉山君、どこかで働きたいとかはあるの?」と聞かれて、あきた創生マネジメントのことを話したんです。

その時に、平林さんが「そこまで強い気持ちがあるなら、行った方が良い。子どものころ、ゲームをやめて宿題をするときって、大変だったでしょ? 楽しいことやワクワクすることを諦めて、やりたくないことをやるのは大変なんだよ。だったら、ワクワクすることを思い切り頑張るほうが簡単で楽しいでしょ!」と言ってくれたことが、私が転職を決意する大きな決め手となりました。コロナによる変化を前向きに捉えて、オンラインで会いたい人に会い、自分の人生をより前向きにできたのは良かったと思っています。

ーーステキなエピソード…! 転職を決意するまでに、そんなことがあったんですね。教えていただきありがとうございます。最後に、今後挑戦したいことについて教えていただけますか。

まだ漠然としている部分は多いのですが、介護だけでなく、福祉領域全体で活躍できる人材になりたいです。特に人材不足の問題は重く考えていて、これから外国人の方々にもっと日本へ来てもらうためには、経験を積んで、介護という仕事の魅力を発信しなければならない。3年後には東南アジアに行き、介護技術を指導できるようになることを今の目標にしています。

そのためにも、技能実習生の受け入れを積極的に行っているこの会社で、自身を成長させていきたい。いつも笑顔でいるという強みや「らしさ」を大切にし、先輩スタッフの皆さんに学びながら頑張りたいです。あとは、自然に恵まれていて、観光資源が豊富な秋田の魅力も感じているので、何らかの形でまちづくりにも関わっていけるといいなと思っています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました! 弊社では以前の記事で紹介したように、新法人を立ち上げて新たな事業領域にも挑戦するとともに、「人材シェア」の考え方を地方に取り入れていきたいと思っています。

今後、何か一緒に取り組みたいと思ってくださった方、取材や採用に関する問い合わせをしたい方は、私のTwitterかメールアドレス(rin.sousei.saiyo[アット]gmail.com)まで、ご連絡いただけると嬉しいです!

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