見出し画像

僕だけが出来る親孝行


僕の親孝行は、とにかく自分自身が健康で元気でいることだと思ってる。


普通は何かプレゼントを渡したり、両親を旅行に連れて行ったり、何か形に残るものとか高価な物を送ったりするのが、自立した子供の親孝行だと思う。

僕の場合は、そんなものではとても追いつかないほどに、親には迷惑をかけた。


高校を卒業してからは、何年も音信不通になったし、その音信不通の時に夜中に「もう死ぬしかない」と突然電話をかけた時もあった。

何回も両親を裏切り、何百万という金銭的な負担をかけたとしても、それでも、どんな時でも、僕の両親は僕を見捨てなかった。


僕は故郷と両親を捨てた子供だったのにだ。


YouTubeで赤ちゃんの動画を見てると、本当にみんな可愛い天使にしか見えない。

しかし、親がちょっとで目を離すと、たったそれだけで命が危ういほどに、赤ちゃんは儚い存在だ。


それなのに、両親がずっと目を離さず、僕の命を守ってくれたからこその人生なのに、僕は自分1人で育ったかのような顔をして、そして、故郷と両親を捨てたのだ。

そんな僕の最大のピンチに、僕の両親はなんのためらいもなく、大金を用意してくれて僕の命を救ってくれた。


こんな偉大な人たちに生きてる内に返せるような親孝行など、僕にはずっと思い浮かばなかった。


でも、3年半前にボロボロとなって実家に戻って、何気ない日常を過ごすうちに気がついたんだ。

僕が健康で、毎日普通に両親と話すだけで、二人は嬉しそうに毎日暮らしてる。

母親は僕が実家に戻るまでは、夜もあまり眠れず、激ヤセしてしまったと言っていた。

その母親も、僕が実家にいるだけで夜も安心して寝れるようになった。


僕は思った。


僕は、今のままでも親孝行をしてるということに。


僕は1人で勝手に育ったと思ってたけど、ずっと両親はハラハラしながら僕をに見守ってきた。

だから、僕が毎日健康で元気で過ごすだけで、両親に安心した穏やかな日々を与えているのだ。


それは、今だけじゃない。


僕は生まれた時から、健康で元気に育つだけで、ずっと親孝行していたのかも知れない。


そう思わないと、とても返せないと思った親孝行。


とにかく自分が元気で健康で、そして、両親に何を返せるかと日々考える事、これこそが私の親孝行です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?