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VRで精密に”Brain Health”を評価―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(23)

※本記事は、2021年6月30日(水) m3.com AIラボ公開の記事になります。 2021年6月7日、認知症治療の新薬「アデュカヌマブ」がFDAで承認され、脳の領域に改めて関心を深めた方も多いのではないでしょうか。今回は、Brain Healthという領域でVRが貢献する役割について、お伝えしたいと思います。 Brain Healthは、生涯にわたる神経の発達や可塑性、機能回復を包括する、新たに生まれた概念です。現時点では、普遍的に認められる確固とした定義はなく、WH

    • VR/ARでメンタルヘルスの治療を―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(22)

      ※本記事は、2021年4月16日(金) m3.com AIラボ公開の記事になります。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大による精神面への影響の深刻さは、2020年12月に公表された厚生労働省の調査(調査対象の6割以上が不安を感じている、など)や、厚労省と警察庁が2021年3月に発表した、2020年中の自殺に関する状況(自殺者数が11年ぶりに増加、女性・若年層で顕著、など)に如実に反映されています。 米国ではいち早くデジタル治療薬の有用性が注目され、202

      • 薬物依存患者の離脱症状を緩和するVR―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(9)

        ※本記事は、2020年1月23日(木) m3.com AIラボ公開の記事になります。 第9回目となる今回は、米ラスベガスで2020年1月7~10日に開催された世界最大のテクノロジーカンファレンス「CES2020」のDigital Heath Summitより、VRの薬物離脱症状に対する活用についてお伝えします。  背景 米国における薬物依存問題と言えば、直ぐに想起されるのがオピオイドでしょう。臨床ダイジェスト『時流 米オピオイド危機と日本』(https://www.m3.

        • VRによる疼痛治療の進化 - 新たなアプローチとエビデンス重視の方向性-―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(19)

          https://medicalai.m3.com/news/201204-series-matsumura19 ※本記事は、2020年12月3日(木) m3.com AIラボ公開の記事になります。 2020年11月、米国Applied VR社(https://appliedvr.io/ )が、慢性疼痛を軽減するEaseVR (https://youtu.be/6VFvHmeP330 )でFDAの医療機器承認を取得したことが報じられました。このニュースは2つの意味で興味深いと

        VRで精密に”Brain Health”を評価―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(23)

        • VR/ARでメンタルヘルスの治療を―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(22)

        • 薬物依存患者の離脱症状を緩和するVR―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(9)

        • VRによる疼痛治療の進化 - 新たなアプローチとエビデンス重視の方向性-―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(19)

          VRで認知の歪み修正、摂食障害の治療可能性も―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(18)

          https://medicalai.m3.com/news/201103-series-matsumura18 ※本記事は、2020年11月3日(火) m3.com AIラボ公開の記事になります。 COVID-19が、XR(VR/AR/MRの総称)の普及を後押ししています。現在、世界中で約1億7000万人のVRユーザーが存在すると推定されており、今後3年でVRゴーグル等のハードウエアの販売は10倍になると予想されています。この背景には、「人と繋がる場」としてsocial V

          VRで認知の歪み修正、摂食障害の治療可能性も―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(18)

          世界初の「完全リモート解剖実習」、従来実習より効果的と評価―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(17)

          https://medicalai.m3.com/news/200929-series-matsumura17 ※本記事は、2020年9月29日(火) m3.com AIラボ公開の記事になります。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、医学教育にも大きな影響を及ぼしています。特に実習への影響は大きく、解剖実習も延期や期間短縮などを余儀なくされています。オンライン授業や自習教材の提供を行ってはいるものの、従来の解剖実習の質を担保することは難しいという声は多く聞

          世界初の「完全リモート解剖実習」、従来実習より効果的と評価―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(17)

          患者の受診控えをきっかけに考える「オンライン診療×デジタルセラピューティクス(DTx)」―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(16)

          https://medicalai.m3.com/news/200828-series-matsumura16 ※本記事は、2020年8月28日(金) m3.com AIラボ公開の記事になります。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、一般の患者の受診控えを招き、医療機関経営は厳しい状況に置かれています。日本医師会が7月22日に発表した「新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査(5月分)では、病院136、診療所530の計693施設で、総件数・

          患者の受診控えをきっかけに考える「オンライン診療×デジタルセラピューティクス(DTx)」―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(16)

          DV加害者が被害者の視点を体験、VR治療の可能性―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(15)

          https://medicalai.m3.com/news/200731-series-matsumura15 ※本記事は、2020年7月31日(金) m3.com AIラボ公開の記事になります。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大後、外出自粛などのストレスを背景にドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の増加が各国で報じられました。日本でも、全国の配偶者暴力相談支援センターに4月に寄せられた相談件数は1万3272件で、前年同月より約3割増となりました。根

          DV加害者が被害者の視点を体験、VR治療の可能性―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(15)

          VR遠隔医療はCOVID-19で医療のゴールドスタンダードへ―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(14)

          https://medicalai.m3.com/news/200630-series-matsumura14 ※本記事は、2020年6月30日(火) m3.com AIラボ公開の記事になります。 COVID-19の流行が医療のあり方、社会のあり方を大きく変えたという実感を、誰もが強く持っていることでしょう。今回は、「接触」「メンタルヘルス」という切り口で、COVID-19と医療XR(VR/AR/MR。第1回(https://medicalai.m3.com/news/19

          VR遠隔医療はCOVID-19で医療のゴールドスタンダードへ―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(14)

          医療機関主催のハッカソンが広げる、デジタル治療薬「創薬」の機会―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(13)

          https://medicalai.m3.com/news/200518-series-matsumura13 ※本記事は、2020年5月18日(月) m3.com AIラボ公開の記事になります。 今回は、VR・AR[本橋1] を活用したデジタル治療薬の開発を加速させる、医療機関主催のハッカソンについてお伝えします。 ハッカソン(Hackathon)とは、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を掛け合わせた造語です。エンジニア、デザイナー、プランナーなどがチーム

          医療機関主催のハッカソンが広げる、デジタル治療薬「創薬」の機会―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(13)

          VRで見えてきた、緑内障患者のQOL向上の具体策―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(12)

          https://medicalai.m3.com/news/200415-series-matsumura12 ※本記事は、2020年4月15日(水) m3.com AIラボ公開の記事になります。 今回は、School of Health Science, University of Londonの研究チームによる、VR・ARを用いた緑内障の病態シミュレーションについてお伝えします(資料1)。 緑内障は、日本においても中途失明原因の第1位(28.6%)(資料2)を占め、4

          VRで見えてきた、緑内障患者のQOL向上の具体策―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(12)

          COVID-19感染拡大で期待高まる、VRによるオンライン診療―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(11)

          https://medicalai.m3.com/news/200310-series-matsumura11 ※本記事は、2020年3月10日(火) m3.com AIラボ公開の記事になります。 第11回目となる今回は、米国で始まった「VRが拓く、オンライン診療の新たな可能性」についてお伝えします。 COVID-19の感染拡大で、日本でもオンライン診療や遠隔医療健康相談の重要性が認識されるようになりました。2020年2月28日、厚生労働省は、すでに診断されている慢性疾患等

          COVID-19感染拡大で期待高まる、VRによるオンライン診療―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(11)

          がん患者の集団精神療法にVRを活用―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(10)

          https://medicalai.m3.com/news/200224-series-matsumura10 ※本記事は、2020年2月24日(月) m3.com AIラボ公開の記事になります。 第10回目となる今回は、ソーシャルVRの医療応用についてお伝えします。ソーシャルVRとは、VR空間で、自分の分身であるアバターを通じ、世界中の人とコミュニケーションを楽しむことが出来るサービスです。代表的なサービス提供企業としては、VRChat社(https://www.vrch

          がん患者の集団精神療法にVRを活用―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(10)

          アルツハイマー型認知症をVRで早期発見―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(8)

          https://medicalai.m3.com/news/191217-series-matsumura8 ※本記事は、2019年12月17日(火) m3.com AIラボ公開の記事になります。 第8回目となる今回は、神経変性疾患領域のVR活用と今後の可能性についてお伝えします。 [アルツハイマー型認知症の早期発見] 英国ケンブリッジ大学の研究チームが、アルツハイマー型認知症を早期発見するVRナビゲーションテストを開発しました。これは、VRを用いて、path inte

          アルツハイマー型認知症をVRで早期発見―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(8)

          英国、メンタル領域でのデジタル治療薬を推進―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(7)

          https://medicalai.m3.com/news/191118-series-matsumura7 ※本記事は、2019年11月18日(月) m3.com AIラボ公開の記事になります。 第7回目となる今回は、VR(を含むXR)の枠を超えてデジタル治療薬(DTx)についてお伝えします。取り上げる地域は英国です。英国の医療は、保健省の下で国営のNHS(National Health Service、国民保健サービス)によって運営されています。本シリーズ第3回目でNH

          英国、メンタル領域でのデジタル治療薬を推進―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(7)

          診断に活用されるVR - 脳震盪による慢性外傷性脳症からアスリートを守れ!―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(6)

          https://medicalai.m3.com/news/191025-series-matsumura6 ※本記事は、2019年10月25日(金) m3.com AIラボ公開の記事になります。 第6回目となる今回は、疾患の診断に活用されているVRサービスを紹介します。 2019年9月20日に開幕した、ラグビーワールドカップ2019日本大会は、大きな盛り上がりを見せています。ラグビーの魅力の一つは、激しいコンタクト(タックル等の際の、格闘技さながらの身体接触)。怪我の原因

          診断に活用されるVR - 脳震盪による慢性外傷性脳症からアスリートを守れ!―松村雅代の「VRは医療をどう変える?」(6)