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【読書】9割の社会問題はビジネスで解決できる|ソーシャルビジネス起業のケーススタディ

私は独立に興味があって、いつかは独立して社会性のある事業をやってみたいと考えています。とはいえソーシャルビジネスはまだまだ少なく、本もほとんどありません。

そんな中たまたま見つけた数少ないソーシャルビジネスの本が、この「9割の社会問題はビジネスで解決できる」です。

気になったところを振り返ってみます。

社会性を追求するために必要な要素

社会起業家に求められるマインドセット

社会起業をやるなら、当然ながら社会問題を強く意識している人である必要があります。かといってそれは貧困家庭で生まれ育ったなど、自分が当事者であれば意識は違うでしょう。

しかし必ずしも当事者である必要もありません。著者の場合はたまたまニュースで貧困を目にして、解決しなければ!と感じたそうです。ニュースで様々な社会問題を目にする時代ですし、自分が解決したいと思えるかどうかなのですね。

ソーシャルビジネスで考慮すること

起業というとニーズのある製品・サービスやビジネスモデルのことをあれこれ考えるのが一般的でしょう。起業家のインタビューでもよく語られていることです。

しかし本書ではその土台として、ソーシャルコンセプトが必要だと説いています。社会の誰が抱えているどんな問題を解決するのかを最初に決めろということです。

起業に関する本を読んだことがある方ならご存じだと思いますが、製品・サービスやビジネスモデルは何度もピボットします。作っては顧客に見せて反応を見て、必要とされるものにたどり着くまで変更を繰り返します。

その際にソーシャルコンセプトが決まっていないとブレてしまうというのです。そもそもこのビジネスは何のためにやるんだっけ?と。社会性を放り出して、稼げる製品・サービスやビジネスモデルに走ってしまう恐れがあります。

だからこそ土台としてソーシャルコンセプトが必要というわけですね。

それからソーシャルインパクトというKPIのソーシャルビジネス版のような指標も必要です。これは例えば貧困で困っている人を何人雇用したかなど、ソーシャルコンセプトを満たすことをどれだけ実現したかという指標です。

ソーシャルインパクトを定めるからこそ、途中で金もうけ重視に走って方向性がずれてしまったということを防止できるのですね。

ソーシャルビジネスのために会社としての仕組みが必要

社会起業家を支援する仕組みが必要

起業して稼ぐことはとても難しいです。会社員が自分で事業を起こして収益化しろと言われて、実際にできるでしょうか?私はそんな材料を持っていません。

社会問題の解決に当たっている法人がほぼNPOのような非営利法人であることを考えると、ソーシャルビジネスで稼ぐことはとても困難なのです。

起業で稼ぐことがとても難しいのに、社会問題で稼ぐことはもっと難しいのです。収益化は大変厳しい道のりなのです。

だから社会起業家を会社として支援する仕組みを著者の会社では作っています。資金面とノウハウ面で支援体制を整えているのです。

こういう仕組みは、著者自身が1社目を作ったときの苦労からアイディアが出たようです。やはり自分と同じ苦労は自分の後進にさせたくないですよね。私も意識しておきたいところです。

資金面での支援

既に軌道に乗った事業から資金を集め、これから立ち上げる事業にお金を回しているそうです。

ホールディングスのように、親会社が配当金としてグループ内の黒字の会社から資金を吸い上げ、これから立ち上げる事業をやっている会社に投資するというわけです。

普通に起業すれば、銀行から融資を受けるのは大変です。将来上場できそうな事業でなければファンドから出資を受けることは難しいでしょう。資金に困るのです。グループでソーシャルビジネスをやれば、資金面の問題がクリアできるのです。

本書では色々な仕組みが紹介されているので、興味がある方は是非読んでみてください。

ノウハウ面での支援

ソーシャルビジネスは世間一般では綺麗事と思われている可能性が高いでしょう。実際にやってみても綺麗事な面は否めないようです。

例えば途上国の貧困農家を救うなら、貧困農家が生活できるだけの収入を得られるように、一定の価格と量を安定して買い取り続けなければいけません。そして買い取った農作物を無駄にしないよう需要がある製品にしないといけないのです。

こう考えると需要があって売り切ることができ、高価格でも買ってもらえる製品を作らないといけないのです。普通のビジネスと比べたら綺麗事の世界です。

だからこそビジネスモデルや製品の付加価値向上に力を入れなければいけません。かといって起業家には想いはあってもノウハウがあるとは限りません。特にバックオフィスやマーケティング、デザインは難しいでしょう。

この辺りをグループ会社とすることで支援しているわけですね。

私がやってみたい社会起業

冒頭にも書きましたが、私は独立に興味があって、社会問題を解決するような個人事務所をいつかはやりたいと思っています。

私の場合は自分が当事者だからやりたいと考えていることがあります。この社会は失敗に否定的過ぎます。そして新卒主義、年齢で横並びです。

それゆえ新卒での就職に失敗した、就職氷河期やリーマンショックで新卒で就職できなかった、育児や介護でキャリアに穴が空いたなどがあれば、仕事を選べなくなってしまいます。非正規雇用で貧困まっしぐらです。

私の場合は出来が悪すぎて挫折して、勉強が大嫌いになって遊んでいたのが悪いのですが、幸いにも20代のうちに正社員になれました。30歳までなら未経験でも正社員になれるのです。しかしそれ以降になれば選択肢は非正規雇用しかありません。

日本は人材不足です。しかし企業は人を選びます。新卒がどうしても欲しい、たまに第二新卒でもいい、稀に経験者でも年齢相応の経験があればいいという考えです。

転職が増えて年齢と経験年数が一致しなくてもよくなればいいですし、誰もがローコストで実用的なスキルを学ぶのが普通の時代がくればいいと思います。

まずはローコストでビジネススキルを上げられる活動をしたいと考えています。その次に上記のような問題で仕事を選べない人に経験を積ませて、普通に仕事を選べるところまで育てるということをしてみたいと考えています。

そうやって一人でも多くの人が選べる仕事が増えて、一人でも多くの人が戦力になれば、貧困で困る人も減り、人材不足も解消できます。

経歴が貧弱で仕事を選べない私だからできることです。

まずは自分が実績を作らないと。プロボノから始めてみよう。

終わりに

社会性のある活動や社会問題に興味がある方は、本書を読んでみてはいかがでしょうか?

ソーシャルビジネスは綺麗事じゃありませんが、儲からないというイメージが強いからこそ参入するライバルも少ないでしょう。

ましてやスキルや経験に自信がある人は、社会問題よりも社会的ステータスを追求するでしょう。それができるものを持っていますからね。だからこそ平凡な人や落ちこぼれこそソーシャルビジネスにチャンスがあるかもしれません。

着々と独立に近づいていかないとなぁ。

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