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2020年5月の記事一覧

5月のカタリスト、米中・財政パッケージ・経済再開の最新動向について

5月のカタリスト、米中・財政パッケージ・経済再開の最新動向について

今月の頭に「マクロファンドが考える5月のカタリスト、米中・財政パッケージ・経済再開について」という記事を書いた。

5月も残り僅かだが、概ねこの3つがカタリストとなり、マーケットを動かしている。

今日はこれら3つのカタリストの最新動向を整理したい。

エスカレートする米中関係
まず、今年の米中関係を理解する上で、欠かせないのが「中国側から見た米国大統領選」である。

昨年5月、中国が作り上げてき

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投資家もマイナス金利には懐疑的?厳しい中国制裁案で米株は反落。

投資家もマイナス金利には懐疑的?厳しい中国制裁案で米株は反落。

投資家もFED関係者もマイナス金利に懐疑的
5月11日時点のJP債券投資家サーベイは久しぶりに動きがあり、ネットショートが拡大。
先週、FF金利先物がドルのマイナス金利を織り込む形で、米金利は低下したが、多くの投資家が"それは無いだろう"と懐疑的であることを示している。

先週、申し上げたが今週から国債入札や起債など、債券の供給が多く、需給的には金利が上昇しやすい。

そのような中、FF金先がテク

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米国もマイナス金利に突入するのか?

米国もマイナス金利に突入するのか?

米国の将来の政策金利を予想するFF金利先物(Federal Funds Futures)が初めてマイナス金利を織り込む水準に突入した。

上のグラフはFF金利先物を金利に直して、年限別に並べたものである。
2020年12月から0を下回っており、2021年5月は−0.03%の織り込みとなっている。現在のFederal Funds Effective Rate(やや雑な言い方だが政策金利と捉えて頂いて

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米中の最悪シナリオは何か。高まる貿易合意破棄とトランプ落選のリスク

米中の最悪シナリオは何か。高まる貿易合意破棄とトランプ落選のリスク

トランプ政権の対中批判が止まらない。
今のマーケットにとって米中問題の最悪シナリオとは何だろうか?

マーケットにとって最悪なのは、米国の中国批判がこのまま激化し、中国もそれに呼応する形で、貿易合意が破棄されること。そして、中国を攻撃したにも関わらず、トランプ政権の支持率が回復せず、大統領選でトランプが破れるパターンだと考えている。

マーケットはこの最悪のシナリオを現時点では全く織り込んでいない

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マクロファンドが考える5月のカタリスト、米中・財政パッケージ・経済再開について

マクロファンドが考える5月のカタリスト、米中・財政パッケージ・経済再開について

機関投資家でも、バンクのトレーダーでも、ヘッジファンドでも、投資の仕事に関わる人達の月初のミーティングといえば「今月のカタリスト」は何か?についてだろう。

カタリストとは相場を動かすドライバーのことで、言い換えれば「これからマーケットは何に注目していくか?」ということである。

少しだけ私の投資プロセスについて話をすると、私自身は、マクロ投資(国際情勢や金融政策、ファンダメンタルズの動向を見極め

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