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5 ではなくて、4 + 1 だったかもしれない

こんにちは。id_butterです。

最近、生まれる前に決まっていたとか体験していたとしか思えないような、今の自分の中にはないはずの記憶にアクセスしてしまうことがある。

タイトルの件は、兄の発言から閃いた、そんな話だ。
そしていつも思う。
わかってた気がするわ〜、と。

まわりくどいけれど、バター家の家族構成から。
父と母、姉と兄、そしてわたしの5人家族である。
姉と兄は3歳違いで、わたしは兄と8歳離れている。
当然、姉と兄は仲がよく、わたしだけがいつまでも下っ端のこどもだ。
姉は父のお気に入り、兄は母のお気に入りだ。

つまり、わたしはいつもあぶれ者だった。
ふたり組になると、必ずひとり余ってしまう。
他にもある。
大学に行ったのがわたしだけだったり、兄と姉の小学校や中学校は同じだけれどわたしだけ違う、そんな些細なことが積み重なる。
そんなこと、と思うだろうけれど些細な積み重ねにより、所属する世界は変わる。
同じ家族の中で、わたしだけしか体験していないこと、わたしだけにしか入ってこない情報はたらふくある。
もちろん反対も。
わたしが働く会社にはほぼ大卒しかいない、というようなことだ。
あるいは、わたしだけ知らない家族の思い出が多すぎることとか。

4人家族として、完成されているように見えるのに、なぜかオプションとして追加されたわたし。

こんな風に、わたしは自分がこの家にいることに違和感を感じていた。
ひとりだ、と思った。
寂しいというのではなく、疑問だった。
自分だけが、何か違う。

年末に実家に帰ったとき、この理由を閃いた。
それは、兄が結婚しない理由からきた。
「お兄ちゃんが結婚しないのは、すでに母親と姉という存在がいてこんななのに、もうひとり女の人が自分の生活に入ってくるなんて考えられない。」
と母から聞いた。

この話を聞いて、やっぱりと思った。
兄の無意識の中では、母と姉、わたしは違うグループに入るのだ。
わたしは、母と姉ほど兄に近くなく、そして兄にとってうざくない、守ってあげなくてもよい存在なのだろう。

わたしの目の前で兄と姉が漫画の話をしている。
この話のここがどうだったとか、これは子供向けじゃなくて本当は大人に向けた話なのだとか、50歳前後の大人たちが笑っているのを見て、わたしは違うと思った。
わたしは漫画が好きだけれど、ここに入れない。

うらやましいとかではなく、決定的に違う何かがあった。
纏う空気?のようなものだ。

そういえば、母にも言われたことがあった。
「わたしのうちから出て行って。」
異物、ということかもしれない。

もう一つ。
離婚して帰ってきた姉に、看護師になることを薦めてその勉強を手伝ったのはわたしだったのに、母の記憶ではその功績は父のものだ。
わたしがこの家にいた痕跡が見事に消されている笑

それで、タイトルのことを思った。
やっぱりこの家族は本来4人家族だった。
だけど、何かしら問題があって、1人追加する予定があって、わたしはそのために呼ばれた。
だから、わたしのうちじゃなかったのだ。

誰が呼んだのか。
やっぱり母だろう。
わたしは母の話を聞かなくてはいけないんだろう。
よそ者だけれど、身内のふりをして。
前回の話を思い出した。

母について、姉と話す。
父について、姉と話す。

姉は母の憂鬱にも、父の屈託にも気づかないらしい。
わたしより父とも母とも仲がいいらしいのに。
わたしは、昔からこのひとがまったくわからないな、と思う。
このひとの鈍さも、図太さも、頑丈さも、まったく理解できない。
絶対前世では違う星のひとだったと思うんだよな。

兄もそうだ。
わたしより兄が家族なのに、すべてを知っていて知らんぷりしている。
けれど、だからこの家にきっと住んでいられるのだ。
もし兄が何か言えば、内側からこの家は壊れてしまうかもしれない。
それを知っているのかもしれない。

わたしは、もうこの家の人間じゃない。
父と母の娘ではあるけれど、帰る家は別にある。

帰ってから、宇宙人長女地球人次女の寝顔を見て、わたしは心底ほっとした。
ここは、わたしのうちだと思った。


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