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資金繰りを考える

資金繰りについて

中小企業にとって、資金繰りは経営の命脈です。しかし、支払い期限に対して入金が遅れたり、取引先からの受注が減ったりすることで、資金繰りが悪化することがあります。そこで、資金繰り改善のための施策を考えてみましょう。

売掛金の回収期間の短縮

売掛金の回収期間を短縮することで、現金化のスピードを上げることができます。取引先との契約の際に支払い期限を短くすることで、早期に現金を確保することができます。

しかし、これが出来れば苦労はしないというのが中小企業の経営者の悩みではないかと思います。
従って、取引先とどれだけ信頼関係を築いているかがポイントになります。
あまり、オススメは出来ませんがファクタリングで事実上の売掛金の期間を短縮をしているのが現状だと思います。
しかし、この方法は粗利益をマイナスにしてしまうほど高いコストが発生するので要注意です。

短期借入の活用

短期借入を活用することで、急な支払いに対応することができます。短期借入の利用にあたっては、返済期間や利息率をしっかりと把握し、返済能力を考慮した上で借入を行うことが重要です。

この方法は比較的有効になる場合が多いです。銀行融資では間に合わない場合や融資審査が通らない場合などにノンバンクで短期融資を活用される事例が多いです。
しかし、融資審査が甘いかと言われれば、そうでもないのが現状です。
新規の顧客に対して気前よく融資してくれるノンバンクも多くはないので、企業として実績や担保や返済余力などをしっかりとチェックされます。
余裕のある時にノンバンクを一度使い、信用力の向上を図っておく、経営者もいます。

固定費の削減

固定費を削減することで、現金の余裕を生み出すという当たり前の手段。
例えば、余計な経費の削減や、社員の労働時間や労働コストの削減を検討するといった方法が一般的です。
以外としっかりと行っている企業は少ないです。特に小規模企業は恒常的に固定費を意識せず、資金繰りに困ってから慌てて削減を検討したりするので、手遅れ感が強くなりがちです。
固定費の削減は業績が良い時ほど、しっかりと行うべきです。

早期支払い割引の活用

早期支払い割引を活用することで、取引先からの入金を早める方法です。
この方法は自社のお客様に通常より早い期間で支払いを求め代わりに、割引してあげるといった規定を用意することで可能となります。
例えば通常50日後に支払いを30日支払いする代わり、5%割引きしますよと顧客に事前に伝えておくと良いでしょう。

この提案は買い手のお客様から見ると支払い余裕があれば、お得です。
仮に資金的余裕がなくても、50日ー30日=20日の図式ですので
買い手は20日の資金調達を考えれば良いわけです。
日本の法定金利は月1.25%が上限なので、銀行やローン会社から資金調達をしたとしてもメリットがあると考えてくれますので、受け入れやすいでしょう。
言い換えると、20日間で5%のローンを取引先と組むのと20日間で1%のローンを金融機関で組むのはどっちが良いかと買い手に選択させることができます。
普通に考えたら、1%で銀行融資を受け、5%の割引で支払いをした方が4%分特をしていることが分かります。
よって割引によって早期に支払いを求めることは経済合理的があるわけです。

ただし、割引額が大きい場合は逆に利益が減少する可能性があり、危険ですし、支払い期間を短縮しすぎれば、買い手に取って不利益になりますので、適切な割引率と支払い日数を設定することが重要です。

※アメリカではよく用いられている方法でもあります。日本ではこの方法を使う会社は少ない印象です。恐らく、メリットと感じるには数字や財務・金融に明るい人でないとメリット感じないからだと推測されます。
しかし、ファクタリングよりは遥かに双方共に良いので、この方法が流行ればよいなと感じます。

終わりに

以上のような施策を組み合わせることで、中小企業でも資金繰りの改善に取り組むことができます。ただし、改善策を実行するにあたっては、現状分析や将来の見通しを正確に把握し、計画的に取り組むことが重要です。

先ずは自社のビジネスモデルや資金の流れ、財務状況を金融機関など説明出来るような水準まで理解を深めましょう。