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②寝台列車で上海から北京へ

↑前回上海から寝台列車で北京に向かう所まで書きましたが、今回は車内でのことと北京に到着してからのことです。


寝台列車にて

夜21時過ぎに上海駅を出発し、予定では14時間後に北京に到着する予定の寝台列車に乗った。
软卧(一等寝台)に乗れたものの、一緒の部屋になった人たちがなかなか寝ず、私は下の段で上の段のおばちゃんが私のベッドに座って茶をすすり、向かいの2人のおじさんたちは小さい小瓶(白酒)を持っていて、2人で座って喧嘩しているかのような大きい声で話していた。
既に酔っ払っているようだったが、なんだか盛り上がっていて楽しそうだったので、その時初めて喧嘩じゃなかったんだ…よかったと思った。

おばちゃんがやっと自分のベッドに行ったので私も横になったが、おばちゃんが小袋に入ったよくわからない肉のお菓子をくれた。
それまで一言も喋っていないが、「谢谢」とお礼を言ったら通じたのが嬉しかった。


北京到着

知らぬ間に眠り、朝起きて列車の窓から外を見たが、埃っぽくて何も見えなかった。
もうすぐ北京に到着するようなアナウンスが流れたので、お手洗いを済ませ流そうとペダルを踏んだ瞬間にバケツをひっくり返したかのような水が突然流れ、靴がビショビショになった。

そして予定よりも少し早めに北京に到着したが既に午前10時半過ぎだった。

列車を降りてまた人に圧倒され、みんな何をそんなに急いでいるんだろう?というくらいすごい勢いで出口に向かっていた。

出口を出たら無数の白タクの客引きがたくさんおり、私が日本人だとわかったのか「コニチワ!」「ミシミシ!」など声をかけてきた。

北京といえば王府井が有名と以前テレビで見たので、宿泊先のユースホステルも王府井あたりにした。

今のようにスマホもなく、タクシーを呼ぶこともできず地図を見ることもできなかったので、駅を出た所にある大雑把な地図を見たら「歩いていけそうじゃん」と思った。


ユースホステル到着

北京駅からゆっくり歩いて40分くらいで、無事にユースホステルに到着した。
フロントに行き、今回はもうデポジットの事もわかったし何も問題ない!と思いパスポートを渡したら、「日本人ですね〜!」と勢いよくフロントのおじさんが喋ったので拍子抜けした。
なんとおじさん、日本に留学したことがあるそう。
まだ日本から出発して間もないのに、おじさんの日本語を聞いたら涙が出そうになった。

部屋は地下にあり、なんとも言えない臭いがしたが寝れればいいやと思っていたので気にせず。

シャワーを浴びたく共同シャワールームに行くと、ペラペラのプラスチックのドアでドアが半分割れて中が見えていて、これじゃあシャワー浴びてても丸見えだな…と思った。
シャワーのお湯は砂が混じっているのかちょっとシャリシャリしてスクラブ効果があった。

お腹が減っていたので外に出ようと思いフロントで地図をもらい、やっと自分がどのあたりにいるのかはわかった。
栄えていそうな方向に向かって行くとマックがあったので目一杯食べた。
ユースホステルに戻るとフロントで見たこともないようなイケメンがチェックインしていて目があった。
ラッキーなことに話しかけられ、イスラエルから花の勉強をしに来た人だった。
ご飯に誘われたがさっきマックを食べすぎてお腹がダルマのようだったのと、イケメンと話す緊張から断ってしまった。
部屋に戻り浮かれてる場合ではない!と自分に言い聞かせ次の日の面接の準備をした。






面接の日

迷ったら困るので早めにユースホステルを出た。
北京の道路は地図で見るとかなり近そうに見えるが、実際には相当距離があるなと思った。
面接場所は北京の東側だったので、聞いている場所を書いたメモをタクシーのおじさんに見せたが今だからわかるが、相当遠回りされていたと思う。
北京で初めてタクシーに乗ったが第一印象は運転の荒さと臭いで、ある意味ジェットコースターに乗るより怖かった。

面接の約束の時間になったので、美容室の社長が指定してきた借りているマンションでの面接だった。
ドアをノックしたら半分裸のような服を着ている背の高い中国人のお姉さんが出てきて、中に招き入れてくれた。

私:面接に伺いました。〇〇と申します。 よろしくお願いいたします。

社長:本当に来たんだねえ!嘘かと思ってましたよ。ハッハッハ
いやぁ、来てもらってきてから言うのも何だけど、うちはさあ現地(北京)ですでに美容師として働いている人を募集してたんだよね。だから、ビザとか渡航費とかも出してあげられないし。
 
私:そうなんですね。ビザも支給して貰えないのであれば私も働くことはできないので失礼します。貴重なお時間ありがとうございました。

と言って帰ってきたが、なぜこんなに早く出てきたかというと面接中に、出迎えてくれた中国人女性がずっと社長の横に座り社長はその女の肩をずっと抱いていたからだった。
まぁ、間違って入社しなくてラッキーだったな…と思い次の面接へ向かった。



次回は北京で2店舗目の面接の話などを書きたいと思います。
読んでくださりありがとうございました。




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