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記事一覧
【短編小説】壺中の天#創作大賞2024#オールカテゴリ部門
(読了目安8分/約8,100字+α)
ようこそお越しくださった。どうぞお時間の許す限りごゆるりとご覧ください。
……おやおや。それが気になりますか。いいえ、それはただの筒でございます。宝石の輝く時計も、とある宮殿を飾った燭台も、水の涸れない水差しも、禁書とされた歴史書も、かくも珍しい角のある頭骨も、どれでも手に取りご覧ください。
……それがよろしゅうございますか。いかにも、それは万華鏡。あ
【短編小説】余命幾許#夢の訳し方を知らない僕等
文学フリマで出版されている短編集に寄稿したお話です。
ポートフォリオ的な目的で記事でもアップしています。
できれば本の形で手に取っていただきたいですが、必ずしもそうはならないと思うので。
Kindle Unlimitedでも読めるようなので、できればこちらからどうぞ。
『夢の訳し方を知らない僕等』
その他の作品の紹介の記事はこちらです。
(読了目安7分/約5,200字)
【短編小説】氷の女王#四節の輪舞曲
今年もあっという間のクリスマスですね🎄🐤✨
昨年、文学フリマに出す本のために書き下ろしたお話を、クリスマスプレゼントとしてアップします。寒ーい冬にどうぞ。
なお、こちらのお話はkindle unlimitedで無料で読める、電子書籍にまとめさせていただきました。できれば本書の方でお楽しみください。
また、本書の宣伝とあとがきはこちらの記事で紹介しております。
(読了目安7分/約5,
【短編小説】回遊する魚の噺#創作大賞2023#オールカテゴリ部門
(読了目安7分/約5,300字+α)
魚も、海の中で息苦しくなることがあるのだろうか。
雨粒が目に入るのも気にせず、闇で塗りつぶされた空を仰ぐ。星も月もなく、この道には街灯もない。光るものはときどき狂ったように走る自動車だけ。
ここまでどうやって来たのか、もうここがどこかもわからない。
ハイヒールの中がぐっしょりと濡れて、歩くことも嫌になる。私はその場に靴を脱ぎ捨てる。
前方に
【短編小説】家族がみんな隠しごとをしている#2022年のライトノベル短編
文学フリマで出版されている短編集に寄稿したお話です。
ポートフォリオ的な目的で記事でもアップしています。
できれば本の形で手に取っていただきたいですが、必ずしもそうはならないと思うので。
Kindle Unlimitedでも読めるようなので、できればこちらからどうぞ。
『甘々なアイスコーヒーが良いに決まっている』
(読了目安10分/約5,990字+α)
【短編小説】ウソつき#やさしさを感じた言葉
(読了目安15分/約11,500字+α)
嫌いだった。
物心ついてから今も、この先も、橋本諒真が大嫌い。
昔は、近くの公園で砂遊びや滑り台で遊んだ。でも、せっかく作った砂のお山に上から水をかけて壊された。滑り台を滑るのが怖くてなかなか降りられないでいると、不意に後ろから押された。お誕生日に買ってもらった髪留めも勝手に盗って返してくれなかった。諒真はいつもわたしに意地悪ばかりした。