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noteは小説より奇なり

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時々、思いついたら書いている小説集です。 連続短編小説「短い時間の長い瞬間」「Stairway to Heaven」「不幸中にしか幸せはないのか...」など
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#小説

[ショート・ショート] ある日のマシーン日記

「何とか言えよ」 地方のサラリーマンだろうか、少し薄くなった後頭部に何かを塗りつけて、か…

イトカズ
1年前
70

短編小説 「八月の呻吟」3

3−3 最終話 高東綾乃は1週間前の昼下がり、娘の美佳を市民プールに連れて行く途中で、橋…

イトカズ
1年前
68

短編小説 「八月の呻吟」2

3−2  妙子は上がり框にスーパーのビニール袋を置き、サンダルのストラップのホックを外し…

イトカズ
1年前
63

短編小説 「八月の呻吟」 1

3-1 八月十二日 薄い黄色のワンピースを着て左手に白いレースの日傘をさし、右手にスーパー…

イトカズ
1年前
62

短い時間の長い瞬間 (最終話)

短い時間の長い瞬間 27[短い時間の長い瞬間(最終話)] ツツジの枝の隙間から相変わらず青…

イトカズ
2年前
37

否応なしに動き出す3人の時間

短い時間の長い瞬間 26[否応なしに動き出す3人の時間] 美涼は、居酒屋の店長のところから…

イトカズ
2年前
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ひとときのありふれた日常、愛おしく輝き

短い時間の長い瞬間 25[ひとときのありふれた日常、愛おしく輝き] 朝食の準備は剣志と綾乃とで交代でやることになっていた。 朝食担当じゃない方は美佳の着替えや保育園を準備をすることになっていて、今日は綾乃が美佳担当で剣志が朝食担当の日だった。朝食といってもトーストを焼いてコーヒーを淹れて昨夜のうちに作っておいたサラダとカップに入ったヨーグルトとバナナを出すだけの簡単なものだ。それに比べて美佳の世話は大変だ。子供はひとときもじっとしてなくて朝から元気に部屋の中を走り回っている

覚悟の眼に映るハナミズキ

短い時間の長い瞬間 24[覚悟の眼に映るハナミズキ] 菜津は、病室の窓から少し離れたところ…

イトカズ
2年前
36

日常の片隅にある、迷いの世界で

短い時間の長い瞬間 23[日常の片隅にある、迷いの世界で] 朝食には手をつけないまま、菜津…

イトカズ
2年前
37

さまよう手、春の終わりに。

短い時間の長い瞬間 22話[さまよう手、春の終わりに。] 美涼はバッグの中に手を突っ込み、…

イトカズ
2年前
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進む時間と停滞する時間の交差点

短い時間の長い瞬間 21話[進む時間と停滞する時間の交差点] 剣志は美佳と綾乃との生活をし…

イトカズ
2年前
40

うわべだけのパラドクス

短い時間の長い瞬間 20話[うわべだけのパラドクス] 7階の窓から見る東京の街は、高いビル…

イトカズ
2年前
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愛のかけらもない、逃避行

短い時間の長い瞬間 19話[愛のかけらもない、逃避行] 美涼は東京行きの新幹線に乗っていた…

イトカズ
2年前
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散ると知りながら咲くことを恐れない

短い時間の長い瞬間 18話[散ると知りながら咲くことを恐れない] 4月に入り、剣志の周りはさらに忙しくなった。 感染者数が少し落ち着いてきたことにより会社の仕事量も増え、新学期が始まる前に美佳と綾乃を迎え入れる新居も探さなくてはならない。美佳が通う幼稚園も探さなくてはならないが、そこまで手が回らず、母の知人が幼稚園を経営しているということで、申し訳ないがそちらから紹介してもらうことにした。 それと一番厄介なのは、美佳の親権変更の申し立てをしなくてはならないことだった。親権者