短い時間の長い瞬間 (最終話)
短い時間の長い瞬間
27[短い時間の長い瞬間(最終話)]
ツツジの枝の隙間から相変わらず青い空が見えていた。
赤いツツジの花は綺麗に咲いているのもあれば、もう萎れて茶色くなっているものもある。
私はもう少し咲いていたかった。こんなはずじゃなかった。どこで間違ってしまったのだろう。
今まで何度も考えたことを美涼はまた考えていた。
話し声が聞こえた。
「この人何?酔っ払いからしら、それとも死んでる?」
「死んでないよ、ほら胸のところが動いているもん」
「じゃ、酔っ払いだね」
「