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映画『まともじゃないのは君も一緒』(2020)を観た。

某アプリで鑑賞録を書いてたら、そこそこの長さになって、知り合いとも繋がっているアカウントなのもあり、恥ずかしくなってきたので…という
はみ出し記録をnoteに残したいと思います。



こういう映画見ると、おそらく同世代の女子高生たちが主人公なはずなのに、日本で生まれ育った私がカルチャーショック受けるのがおもしろい。
そういう意味で、秋本や大野の二人のひねくれ?こじらせ?の方向性がすぐに分かるので、その2人がエンタメとして面白いキャラクターだなあと思いながら見れた。
個人的には、秋本の同級生たちを見下すスタンスはちょっと理解できないというか、嫌悪感を覚えたけど、
実際に陽キャカップルと対話することで、秋本自身が自分の気持ちに正直になっていくという描写は微笑ましいなと思えた。
そういう意味で、主人公2人のキャラクターの、愛らしさと愚かさの塩梅がすごく鍵になる作品でありながら、そのバランスというのがしっかりとられていたんじゃないかな

何より、秋本の新進気鋭の経営者や研究者とかそういう類の人を「タイプの異性」って言うところは共感できたし、あまりエンタメ作品内でそういう気質の女の子が描かれることが少ないので、フッて笑えた。
それに対して、秋本が追っかけのようになっていた社長というのは「彼女の好きな異性でもなんでもなく、自分がそうなりたいのが本心なのではないか」という大野の指摘は的を得てる☆
その大野の指摘も踏まえると、成人男性が高校生に手を出しかけるといったクソな展開も、秋本にとって「コイツもしょうもない普通の男と変わりなかった」と気づくきっかけとなり、理想の自分になるために彼女も未来を切り拓いていってほしいな~と思える展開だった。

数学とか物理とか詳しくないけど、大野の言うように「はみ出し者や雑多なノイズですら、方程式の一部で秩序に含まれている」という見方は確かに面白いなぁって。
大野は「普通」を知らないけど、それが「養殖じゃない天然の良さ」として作用していくのが、まともじゃない≒普通じゃない2人を描いていく中で、アクセントとなるコントラストとして作用していたと感じられた。

作中、これはいい「わかんないよ!」だなというわかんないよがあった。ませた性格ではあるものの、思春期真っ只中の少女が、経験したことのない初めての感情に戸惑うというシチュエーションにおいて100点の「わかんないよ!」だったなぁ…
ただ、その結婚予定の2人を引き裂く作戦の流れの中で、秋本が「あれ?こんなはずじゃなかったのにな?あれ?」ってなっていき、どんどんおかしい方向にいく感じが面白いなあと思ったけど、
作品的にはあんまりそこの心情描写に焦点置いてなくて、(展開的なスピード感があって見やすいという良さもあったけど)ちょっとそこが残念だった〜


「これが普通だから」で傷つく人がいる普通なんてやめちまえというメッセージは、どんな話題であってもそうだよなあと思った。
それと同時に、傍から見て普通じゃないようなことでも当事者にとっては普通になりえることもあるというのは、なかなかビターな展開だな~と驚きもあった。

心置きなく話せるちょっとこういう年上の人知り合いに欲しかったな!
あと、ちゃんと馴れ初めについて喋ってくれる陽キャ一軍いい奴すぎるな
ラストのシーンは割と他の邦画で見たことある感じもあったのでそこは残念だったかな〜

▲読んでくれてありがとうございます▲



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