ムチャ振りの絹代ちゃん、「非常線の女」
どうも小津安二郎と言う監督は、田中絹代という大女優を上手に生かせていなかったのではないかと思うんです。
戦後の「宗像姉妹」、さらに遡って、小津が復員した戦後第1作目の「風の中の牝鶏」、さらに戦前の「非常線の女」まで来たら、日本中の紅涙を絞った清純派女優としてのトップスター、田中絹代を女ギャングのボス役にしちゃうんですから、もうハチャメチャ。
小津と言えばローポジ撮影で有名なんですけれど、戦前の小津作品はハリウッド映画の影響を強く受けていて、もちろん当時はまだ日本ではカラー