見出し画像

私は「リトルミスサンシャイン」が苦手、って言うより民度を疑う

「リトルミスサンシャイン」ある世代の方たちには人気がありますね。
チラシのビジュアルのセンスはいいって私も認めます。
けど、どこがおもしろいの?あの映画。

ロードムービーって言ってるけれど、要はジムジャームッシュやヴィムベンダーズのいいトコ取りって感じで、それにちょっと泣かせる要素を付け加えただけでしょ?

どこに感動のツボがあるのか私には理解できない。
これは「ニューシネマパラダイス」や「バグダッドカフェ」なんかもそうなんだけど。
ニューシネマパラダイスはもう、絶望枠として、パーシーアドロン自身は有能な監督と思ってます。
バグダッドカフェのテーマ曲は、私のカラオケの十八番でもあるし、マリアンネゼーゲブレヒトとは3本撮っているんですけれど、バグダッドカフェを挟んで「シュガーベイビー」と「ロザリーゴーズショッピング」は本当におもしろい。
バグダッドカフェの気の迷いが理解できない、と言うかハリウッド資本が「ハートウォーミングな映画を撮れ」って厳命したんでしょうね。
だからあれだけ大ヒットしたんでしょうけれど。

これはまたいつか書きたいと思ってるんですけれど、ハリウッド資本の介入はロクなことを起こしません。
フランス映画「シベールの日曜日」で名を上げたパトリシアゴッジをアメリカ資本の「かもめの城」に出したA級戦犯は誰だ?って私は問いたい。
結局、あの映画に出てパトリシアゴッジは「映画女優やーめた」ってことになっちゃったんだと思うんですよね。
それくらいお粗末な映画でした。

もっとありますよ、スタンリーキューブリックの「ロリータ」
ウラジミールナボコフの原作はもっとエレガントな文章で格調高いものだったんです。
それがあんなに通俗的でくだらない映画になってしまうとか。

で、ようやくリトルミスサンシャインに話が戻るんですけれど、なんで私がこんなにおかんむりかって言うと、ストーリーの民度の低さに加えて、美少女コンテストの決勝戦、ダンスの曲にお爺ちゃんが選んだのがリックジェームスの「スーパーフリーク」なんです。
(MCハマーがサンプリングしていますから、どなたも一度は聞いたことのある曲だと思いますが、スーパーフリークが元歌なんです)
このシーンがクライマックスで笑うところなんですけれど、私、固まっちゃいました。

たしかにリックジェームスは非常にお下劣な歌詞を書く人で、スーパーフリークも、she is the very kinki girl で始まるお下劣さ。
みんなが爆笑するのも仕方がないっちゃないんですよね。

けど、私、リックジェームスのビジュアルと声が大好きなんですよ。
あのドス黒いファンクとしか言いようのない雄叫びが好きで。
80年代後半くらいかと思うんですけれど、i'm Rick James!って一発ギャグがアメリカで流行っていたらしいんですけれど、それはそれでいいとして、エロ爺の選曲がスーパーフリークだったなんて、悲し過ぎます。
若く亡くなったのは自業自得の面もあるリックジェームスですが、なんで死んでまで笑いものにされないといけないの?って私が代わりに発狂しているわけです。

リックジェームスの最後のアルバム2作「Urban Raphsody」「Deeper Still」はお行儀もちょっと良くなって、非常に出来が良かったのに、彼を見る目はやっぱりバッドボーイだったのね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?