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縁份

英語タイトルはbehinde the yellow line.
日本語タイトルはあまりの凡庸さに忘れてしまいました。
香港映画界を代表するスターのレスリーチャン、アニタムイ(どちらも物故者です)に、薄幸顔のマギーチャン(私、この人の顔がどうにもこうにも苦手です)が加わったラブコメものです。

香港の地下鉄が全面協力して作った映画なんだそうで、80年代当時に量産されていたレスリー主演のアイドル映画としてはクオリティが高いんですけれど、80年代グランジって言ったらいいのかしら、当時日本では「ぼろファッション」とか言われたのが一瞬流行りませんでしたか?
なにごとも過剰なのが香港映画クオリティで、アニタとマギーの服装が競い合うようにズタボロで、どうしちゃったの?って心配になっちゃいました。

それにマギーの顔。
この人まだこの頃は若手女優さんだったはずです。
香港の美人コンテストで優勝して映画界入りしたはずです、が、なぜああなったのか、内情を探りたくなるほど厚塗りなんです。
ほとんどコンシーラーで仕上げたような顔をしているから、元々表情に乏しい薄幸顔がさらに無表情で、対するアニタは顔芸の人ですから勝てっこないんです。
そうは言ってもアニタもかなり奇抜なファッションで勝負していましたから、どっちもどっちだったんですけれどね。

レスリーは地下鉄の車内で見かけたマギーにひと目ぼれをして、同じく車内でレスリーを見かけた大富豪の娘設定のアニタがレスリーにひと目ぼれ。
肝心のマギーは職場で不倫中ってスタートなんですけれど、すれ違いや接近を繰り返しやがてマギーの心にもレスリーが大きな位置を占め、ふたりが結ばれる、ここでハッピーエンドと思いきや、中国人ってみんなこうなのか、それとも男小悪魔のレスリーだからできることなのか、あろうことか事後にぐうすか寝ちゃうんです。

これ、日本で百恵ちゃんと友和の映画でやったらどうなると思います?
火炎ビン投げられますよ。

ま、それで心傷ついたマギーが「1時間だけ時間をあげるから私を見つけて」ってレスリーに言い放って地下鉄の駅の階段を降りて行くんです。
そこに世話焼きのアニタ姐さんが混ざり込んで3人の鬼ごっこが始まるんです。

うん、たしかにね、香港は住宅事情に問題がありますから、若いカップルがイチャイチャできるところって限られているんですよね。
だから地下鉄の車内なんか結構いいイチャイチャスポットらしいんです。

先ほども書きましたが、当時の香港のアイドル映画としては良くできていたと思うのは、この地下鉄を借り切っての鬼ごっこにリアルさがあったからでしょう。
テーマソングのレスリーとアニタのデュエットもすてきです。
レンタルでも借りることができるはずです。
ただ、私が邦題を忘れてしまったのでご紹介できないのが残念です。
気になる方は英語タイトルで検索してみてくださいね。



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