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素人パパが知育カードゲームをつくってみた!【ブブブブ分数カードバトル開発秘話①】

楽しく分数を学ぶことができる知育カードゲーム『ブブブブ分数カードバトル』。
算数の専門家でも、カードゲーム好きでもない、ごく普通の父親が独力で作って、商品化までこぎつけたこの作品が、どのように誕生したのかを、まったりと書いていきたいと思います。

俺のほうがもっといい本、作れるはず!

2021年4月に発売された『ブブブブ分数カードバトル』ですが、ここまで辿りつくには、ほどほどに時間がかかりました。一番最初のきっかけは、カード誕生から遡ること4年。実家に帰った時、食卓で見つけたある一冊の本から冒険は始まります。
それは、私の母が、当時小学3年生だった孫(私の甥)に勉強を教えるために買った算数の本。少々うろ覚えですが、「親子で学ぶ」的なコンセプトで、算数のつまずきやすい分野をわかりやすく説明しており、帯には「○万部のベストセラー」と書いてありました。

パラパラとページをめくってみると、確かに丁寧に解説しており、親切な内容という感じ。そして、ふと算数の中でもつまずきやすい「分数の割り算」がどう説明されているか気になって見てみました。
ふむふむ。なぜ、ひっくり返してかけ算をするのか、そのあたりも優しく説明しています。

……でも、私は思いました。
「ガッツリつまずいている子は、この説明で納得してくれるだろうか?」
「もっと目線を下げて説明しないと、わからないのでは?」

そして、生意気にもこんなライバル心を燃やすのです。

「これでベストセラーかぁ……
俺のほうがもっといい本、作れるはずや!!」

(※きっかけとなった本はとても良い作品です笑)

教育関係とは無縁の私に、「分数の本を作る」という謎の目標が誕生した瞬間でした。

「分数のありがたさ」を伝えたい

ぼんやりどんな本を作ろうか、夜な夜な布団の中で妄想するところから始まりました。
考えたのは、分数の仕組みがスッと理解できる「絵本」。
勉強感がなく、文字が少なくてとっつきやすく、愉快なキャラとストーリーで楽しく分数に親しめる、そんな作品にしようと心に決めました。

そして、1つ自分の中でこだわりがありました。
それは「分数のありがたさ」を伝えること。
その便利さや必要性がわからないまま、新しいことを教わっても、頭に入っていかないのでは、と考えたからです。

いきなりリンゴやケーキが出てきて、それを3等分されても、子どもたちは困ります。
「“3分の1”って言います」と説明され、さらには「上が分子で、下が分母で……」と続いても、「だからナニ?」としか思わない子は多いはずです。

私の作品ではそうならないよう、「分数があると便利だな」と思ってもらえる状況作りを第一に考えました。
(この考え方は、高校時代に「行列」でつまずいた経験から来ています。大人になった今も行列のありがたさはわかっておりません。誰か教えてください……)

いくつかストーリーの案を考え、その中から選んだのは、「ピザの残りを電話で確認するお父さん」という設定です。

仕事終わりのお父さんが、家に電話をします。
父「今から帰るよ。ご飯ある?」
子「ピザが残ってるよ」
父「どれくらい?」
子「えーっとねぇ、、、」
子どもはなんとか伝えようとしますが、「1枚、2枚」「1切れ、2切れ」では正確には伝えられません。
さて、どんな言葉を使えばお父さんに正しい量を伝えられるかな?
というのが、物語の軸になっています。

絵本作りがスタート! 順調に行くかと思いきや……

ざっくりのストーリーを2年ほど頭の中で組み立てつつ、息子が分数を本格的に学ぶ小学3年生になったので、ついに絵本制作が始動しました。

とりあえず、販売のことは考えず、子どもたちに楽しんでもらえるよう、お気に入りのゲーム『にゃんこ大戦争』『ポケモン』のキャラクターで絵本を描き始めました。

夜な夜な1、2ページ描いて、翌朝、息子が読む。
どの程度理解できていたか、今となっては謎ですが、思った以上に楽しんでくれて、私がサボると「早く続きが読みたい!」とせっつかれることもありました。

このまま完成まで突っ走りたかったところですが、気が向いた時に描いて約1ヶ月、20ページほど描いたところで、私の燃料が切れかかってしまいました。
楽しい作業とはいえ、絵本を描くのはなかなかの重労働。
そして同時にある疑問が芽生えつつありました。

「これはこれで面白い。
でも熱中するほどではない。
積極的に飛びつくほどのものではない。
……これで良いのか?」

そう感じ、私のペンは止まってしまいました。

その2に続く

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