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12シトライアル第三章 疾風怒濤の11時間

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僕の自己満足作品、第三章の詰め合わせです。 メインストーリー:林間学校
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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part32

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part32

第八十四話 疾風怒濤の11時間の回顧録
 色んな意味で荒波に抗った渓流下りも幕を閉じ、正直俺はもうボロボロだ。そもそもラフティングを渓流下りと言ううちの学校はどうなってるんだ…渓流下りの後、昼食はとったが、もはや疲れすぎてあまり喉を通らなかった。そして現在12:30。あとはバスに1時間程揺られて帰るだけ。ゆっくり寝て休みたいところだ。

「岸くん、そろそろバス乗ろうか。」
河本が話を振ってきた。

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part31

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part31

第八十三話 疾風怒濤の激流下り
 散歩の後、同じ部屋のヤツらとともに美味しく朝食を平らげた。部屋に戻った俺たちはベッドや枕のシーツを取り外し、各々水着に着替えて、現在9:25。エントランスに生徒が続々と集う。
「それじゃあ、班ごとに固まって座れー。それと班長はパートナー班発表するから一旦集合。」
先生からアナウンスが入った。うちの班長は河本なので、そこは任せるとして、やはり今年も去年同様にパートナ

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part30

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part30

第八十二話 疾風怒濤の朝活!!
 翌朝7時、俺は宿のエントランス前にいた。というのも昨夜…
『徹くん、明日の朝、散歩どう??』
というメッセージを受け、俺も朝散歩するつもりだったため受諾したところ、
『それじゃあ朝7時にエントランス前で!』
ということになったので、それに従い、朝6時に起きて着替えなど一切合切を済ませた後、部屋を出てエントランスに行き、今に至る。少し待つと…

「あら?岸くん?どう

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part29

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part29

第八十一話 疾風怒濤の眠らぬ夜会
 本日のメインイベントであるキャンプファイヤーも大成功という形で幕を閉じ、あとは風呂に入って眠りにつくだけ。今回の林間学校では、大浴場のようなものはなく、各々部屋についている風呂、あるいはシャワーだけで済ませることになっている。そして俺は…

「なんでこんな時に限って俺ラストなんだよ!」
俺、河本、上原、佐々木の四人部屋で風呂順争奪じゃんけんを実施した結果、初手で

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part28

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part28

第八十話 疾風怒濤のメインイベント
 さて、なぜか肝試しを二周して来てしまった俺だが、なんとか一周目に負ったダメージも概ね回復というくらいには立て直した。というか立て直さないといけなかった。なぜかって?そう、たった今から始まるキャンプファイヤーの花火の準備をしなくてはならないからだ!キャンプファイヤーは林間学校のメインイベント。なんとしても成功させなくては…

「岸さん!もう来てたんですね!」

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part27

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part27

第七十九話 疾風怒濤のゴーストツアーⅡ
 ダメージを負ったのもあるだろう、俺はその後ゴールに辿り着くまでおそよ1時間を費やしてしまった。なんとかゴールを迎える頃にはだいぶダメージもマシにはなっていたが、道中様々な仕掛けやお化けに遭遇しても驚く余裕すらない時間もあった。事故とはいえ、それだけ金本の押し潰し式フットスタンプは強烈だったのである。いや、何かのウルトラCで鉤爪が降ってこなかっただけまだよか

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part26

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part26

第七十八話 疾風怒濤のゴーストツアーⅠ
 野外炊爨の後は、例年通りハイキングやオリエンテーションが行われたのだが、幸い特に何事もなく無事に終えることができた。そして今日のイベントは残すところ肝試しとメインイベントのキャンプファイヤーのみとなった。キャンプファイヤーは21時から約1時間程で行われることになっている。

 そして現在19時。ちょうど肝試しスタートの時間である。自由参加なので、本当は同室

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part25

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part25

第七十七話 疾風怒濤の野外炊爨・後編
 もうそろそろ焼きうどんが完成する頃だろうか。ということで、俺は砂抜き中のムール貝の様子を見たが、思ったより砂は出ないようだ。ムール貝には足糸なるものがついていると聞いたことがあるが、それは既に除去してくれているようだ。ありがとう、市場のおっちゃん!

「できたー!!」
そうこうしているうちに、芹奈の焼きうどん(妹直伝)ができあがったようだ。
「うまくできたね

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part24

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part24

第七十六話 疾風怒濤の野外炊爨・前編
 バスでの怒濤の会話を乗り越え、無事今回の林間学校の会場、いわゆる自然の家とでもいうのだろうか、そんなところに到着した。そして班ごとに集合し、炊爨を行う場所へと移動する。遂にこの時が来た…!!
「てっちゃんもともちゃんも楽しみだね!」
「ともちゃん?」
「信岡さんって名前朋美でしょ?だからともちゃんって呼ぶことにした!独断で!」
コイツ、そこら辺にいる蛇に舐め

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part23

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part23

第七十五話 疾風怒濤のバス道中
 タコをホントに引っ張りだこにしていた由香里とそれを制した俺は、市場を出て、駅に向かった。そしてそこから学校の最寄りまで電車に揺られていた。
「ほら、これ由香里の分な。」
「ごめんね、とーる!あたしタコに夢中になっちゃって!タコ好きなんだよね!」
「見ればわかる。これでよかったよな?」
「エビに加えてリングのイカとホタテ…いいね!ありがと!」

そんな会話をしている

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part22

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part22

第七十四話 疾風怒濤の市場散策
 目覚まし時計の音を聞き、俺は目を覚ました。現在時刻、午前4時半。ホントは5時に起きれれば十分だったが、念には念をということでこの時間というわけである。正直死ぬほど眠い。だが、そうこうしちゃいられない。軽くシャワーを浴びて、朝食をとり、先日紗希と桃子と一緒に選んだ服を身にまとう。そして着替えやエプロン、林間学校のしおり、洗顔用具などが入ったボストンバッグと保冷剤を入

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part21

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第七十五話 疾風怒濤の11時間のプレリュード
 俺と河本の男子チーム。信岡と芹奈、いや、主に信岡だな。ともかくあの二人がパンと焼きうどんの材料を調達している間に、俺たち二人は俺が企画したパエリアの材料を買い揃えようとしている。
「この時間だし、結構割引き品とか狙えそうだね。頑張って安く済ませよう!」
なんか河本が主婦みたいなことを言ってる…コイツ将来専業主夫になったりしないだろうか。ダメなことでは

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part20

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part20

第七十二話 炊爨危機のかれこれ
 さてさて、色々ありましたが本日5月30日。明日はついに林間学校!
「てっちゃん!もう明日だね!」
「ホントだな。」
「とりあえず、野外炊爨、成功させましょう。そのためにも岸、段取りミスらないでよね!」
「なんで俺がミスる前提なんだよ!こちとらカフェ店員だぞ!」
我ながら反論が苦しい…
「大丈夫!てっちゃん普通に料理上手だから!」
こういう時は芹奈の存在が助かるな。

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part19

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part19

第七十一話 お猪口のアイコン
 明くる週の金曜日、毎週の如く図書室のカウンターに座っていると、ドアが開いた。そして、
「岸さん!先週の木曜、金曜はたいへん申し訳ございませんでした!!」
猪のような勢いで俺の座るカウンターの方に飛んできて、そのまま土下座してきた。こちらが恐れ多くなってしまう。
「田辺さん?!顔上げて!花火は…まあ大変だったけど、委員会の仕事は先輩が付き合ってくれたし、どのみち暇だっ

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