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旅の記憶 1994・夏 トルファンからカシュガルへ バス旅2日目 #3
![](https://assets.st-note.com/img/1705928225332-4Smho2mHph.png?width=800)
30年前の夏
僕は中華人民共和国 新疆ウイグル自治区
トルファンからカシュガルへ向かう
バスに乗っていた
西に向かう僕たちのバスは
何もないはずの一本道で
突如できた渋滞のため
砂漠の真ん中で止まってしまった
その先にあったのは・・・
大きな川だった
![](https://assets.st-note.com/img/1705928344994-q50Z01BVe9.png?width=800)
対岸にもこちらと同じような人だかり
本来続いていたであろう道路も見えている
間違いなく数時間前までは
対岸まで道は続いていたようだ
![](https://assets.st-note.com/img/1705928624662-kmVP6Weqr0.png?width=800)
カシュガルに続く
国道であるこの道は
西へ向かう唯一の主要道路で
迂回路はない
分断された道路の前で
誰もがなすすべなく
ただ見守るだけに見えた
だがよく見ると
右側の人はどこか違うところを見ている
その視線の先を追うと
![](https://assets.st-note.com/img/1705928759178-LdDk2wbaUK.png?width=800)
危ないな
何をしようとしているんだろう
と彼らの動向を
他の人と一緒に見守る
彼らはどうやら
水深の浅いところを探していたようだ
調べていた辺りはさほど深くないようで
いけると判断した彼らは
車に戻ると
強引に浅瀬を渡って行った
彼らの乗っていた車は
ランドクルーザー
走破力のありそうな
オフロード車が何台か後に続いた
対岸が少し騒がしくなったと思ったら
今度は分断された道路に
突っ込んでくるトラックが現れた
![](https://assets.st-note.com/img/1705929461421-Cou4nh20zx.png?width=800)
渡れるのか?
と周囲の人がざわつく中
勢いよく突き進んでくるトラック
川底は荒れているようで
左右に大きく揺れながらも
力強く向かってくる
最深部はタイヤが半分埋まるほどで
渡り切れるか?
とみんなが固唾を飲んで見守った
![](https://assets.st-note.com/img/1705929150151-fi4m99j1GA.png?width=800)
途中で止まることなく
トラックが川を渡り切ると
周りで見ていた人から
大きな拍手と歓声が沸き起こった
トラックはそのまま走り去って行く
先を急いでいたのだろう
後に続く車が現れるかと思ったが
これを見ていた他の運転手たちは
リスクが高いと判断したのか
この後は誰も川に挑もうとはしなかった
僕たちの乗っていた
オンボロバスも
この川に挑むはずはなく
僕たちはこの後も
ひたすら待ち続ける事になる
結局 僕たちのバスが川を渡るのは
日もとっぷりくれて
真っ暗になってからだった
ところでこの砂漠に突如現れた川の水
いったいどこからきたのだろうか・・・
続きはまた明日
このバス旅が気になった方は
ぜひ1日目から読んでみてください
1994年のシルクロード一人旅の様子を
当時のフィルムをスキャンしながら
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