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自分の仕事で"最高に感動する瞬間"

おはようございます。

河野企画代表、チューバ奏者、指揮者の河野一之です。

昨日はとある山の頂上に登りまして、おかげさまで両足ガクガク。

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今日は僕、河野一之の仕事で

最高に感動する瞬間

の話。これは自分語りではなく、おそらくきっとこれをお読みのみなさんにも何か共通の感じていただける部分があり、それらが皆さんご自身の人生をより豊かにすると信じて書く。

常任指揮者としてお世話になっている2つのバンド

僕には2014年から現在まで指揮者としてお世話になっている2つの金管バンドがある。

(この載せた順番は契約をさせていただいた順ね)

この2バンドはメンバーのみなさん全員がとても金管バンドが好きで、それぞれバンド自体のことも好きで活動をしていたけれども、長年ご活動されていく中で(両バンドとも20年以上の歴史を持つ)、様々な問題を持たれていた。

そんな中新たな転換点として僕をお雇いいただいた。

お伺いした当初は自分もまだまだ駆け出しということもあったけれども、何よりバンドの雰囲気がそれら問題のせいで意気消沈しているかのような様子で「これはやりがいがある。」と息巻いたのを覚えている。

お褒めしても受け入れられない方がいたり、新しい提案を受け入れられるような余裕がなかったり、金管バンドに対する解釈がそれぞれにありすぎて演奏がバラバラになっていたり、とにかく

金管バンドは好きだ、メンバー同士は仲もいい、でもこんがらがっている。

という状況であった。そこからお互い根気強く練習をし、コミュニケーションをたくさん取らせていただき数々の演奏会を超え今では両バンドともとても自信に溢れ引き続き金管バンドを愛しぶつかり合いながらもバンドメンバーそれぞれも相変わらず仲がいい素晴らしいバンドとなっている。

実際、両バンドともに演奏会後のお客様からのご感想やアンケート用紙にお書き頂いた内容もこの6年で随分変わりよりポジティブなご感想が増えたり新メンバーが増えたりと本当にありがたいことだ。

僕は自分が関わらさせてもらっている仕事の中で、この”復活”のような部分にとりわけ感動をすると言うことがわかった。

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レッスンでの時間

音楽家をしていると様々な方にレッスンをさせていただく機会が巡ってくる。

やる気に満ち溢れ上達への可能性をワクワクしながらご受講してくださる方から、自信を失っているけれども何かきっかけが欲しいと藁にもすがる思いでレッスンを受けるというハードルを勇気をもって超えてくださる方まで様々だ。

自分自身今現在も音楽の修行中なゆえ、ご受講してくださった方々の少しでもお役に立てればこんなに嬉しいことはないと常々思う。

そんな中もともとは素晴らしい音楽性や楽器演奏技術を持っているのに、様々な要因により自信を失い演奏を楽しめなくなっている方が本当に多いことを知った。

僕自身、20代の頃は全くそうで、自分自身の演奏を認められることなんて片手で数えられるぐらいだった気がする。自己肯定感がとても低かったし、その研究に関しては本当にたくさんの時間を使った。

なのでそのように自信を失っていたり、誰かからの心無いフィードバックがトラウマとなり人前での演奏に恐怖を感じるような方々。

そんな方々にレッスンを通して自己肯定感の認識や自分自身との向き合い方、恐怖の真相を一緒に解き明かし、音楽の素晴らしさや演奏の楽しさ、自分の演奏を聞いていただいた方に喜んでもらえる幸福感を感じてもらえる瞬間にとりわけ感動を覚える。

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ソロ企画の運営

上記のレッスンをさせていただく中で、多くの奏者の方々が本当は素晴らしい個性=音楽性を持っていることを知った。

そしてこれを埋もれさせておくのはもったいないと強く思った。

もともとは

「ソロなんて無理ですよ」、「ありえないです」、「絶対にできません」

とおっしゃる方々ばかりであったけれでも、そういう方々にもぜひ機会を、その素晴らしい個性を存分に発揮してもらえる場所をと思い

Brass in Recital

というピアニスト、会場、リハーサル、演奏会の構成は全てこちらプロ側で行うので”ご自分の演奏と曲間の司会”だけ準備してきてくださいという企画だ。

そこではダイヤの原石のような素晴らしい奏者の方々が、不安と緊張の中精一杯ご自分を表現される瞬間がたくさん生まれた。

また自分の演奏を終えた後の緊張感からの解放、やり切った方、後悔を残す方、緊張で何も覚えていないという方様々だけれども一様にスッキリとされ「またやりたい」とおっしゃられる。

つまりみなさん一つ壁を超えられたのだ。

自信を失っていたり、恐怖を感じることに向き合ったり、何年振りかのソロに期待でワクワクしたり、ただただ緊張で胸がいっぱいだったり

そんな方々が精一杯演奏を行い、本番を終えられ自分自身にだけ注がれる拍手を一身に浴びられている姿を見るのは何物にも変えられない。

ダイヤの原石が磨かれその姿を表したのだ。
そんなの感動するに決まってる。

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感情のN字曲線

なんで感動するのか考えてみた。そうしたらきっとそんな時間をもっと味わえると思うしね。

僕たち人間、特に日本人といっても良いかもしれないけれど、物語の起承転結がしっかりあると感動をしたり、その物語に惹かれるそうだ。

確かに平和で何も起こらず毎日同じような事が起こるアニメを見ていても飽きてしまうし、かといって問題だらけの作品も見ていてしんどくなってくる。

例えば僕がよく覚えているのはドラゴンボール。

孫悟空が主人公で色んな強敵やライバル、仲間たちと冒険や死闘を繰り広げながら進んでいく物語だ。素晴らしい作品で僕が小さい頃から、いまだに新作が発表されているみたい。

そんなDB、もし悟空が強敵たちをなんの苦労もなく毎回倒していくばかりだったらきっとここまでの人気にならなかっただろう。

ある時は敵にボコボコにされ打ちひしがれ、精神と時の部屋(時間の流れが現実は異なる部屋)に修行のためこもり、リベンジをして倒す。

ある時はその倒した敵と目的が一緒になり共闘することでさらなる強敵を倒す。

こういうのに我々は心動かされ感動するようだ。つまりキングコングの西野亮廣さんが言う”感情のN字曲線”である。

物語の始め起承(つまりNという字の最初の上がる部分)

悟空たちの紹介や初期の敵たちをやっつけながらDBの核的な話は進んでいく。

起承転結の転、つまり転んでいく箇所ではNの右斜め下に降りていく所。DBで言えば徐々にピッコロ大魔王、ベジータやフリーザなどの強敵が現れ仲間を殺されたり悟空自身が一度負けたりする。仲間たちが悟空の復活を待つ間必死に時間を稼ぐのだ。

そしてNの最後、直線に上がるところ、つまり起承転結の結び。
復活した悟空や仲間たちとともに決死の力を振り絞り強敵を倒し仲間や地球自体を救う。そしてまた起承転結の流れが始まり時にはかつてのライバルであるヤムチャやピッコロ、ベジータ、フリーザらと共闘しながらさらなる強敵に立ち向かったりする。このライバルとの共闘はさらなる胸熱シーンだ。

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まとめ

先述したことも一緒で、指揮をさせてもらっている両バンドも過去には金管バンドが好きだ!やりたい!と言う気持ちで創団しバンド活動を開始された。

しかし徐々に方向性への迷いや時間経過により生まれる様々な問題で起承転結の転び、つまりNの斜め下降の時期に差し掛かる。そして留学帰りの金管バンドの専門家駆け出しの若者とともにバンドの再興を果たしNの最後の上昇を果たした。我ながらそんな両バンドの姿に感動したし、胸熱だ。

レッスンもBrass in Recitalも音楽が楽しそう、楽器を吹けるようになりたいという想いで楽器を始められたであろう方々がその後、様々なきっかけで演奏に自信を無くされ人前で吹くことに恐怖まで感じるようになってしまう。しかしその後様々な機会に恵まれそんな方々が新たなる音楽活動の扉を開いていく。こんなに素晴らしいことはなかなか無い。

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最後に

持論「本当は誰しも元々素晴らしい、何か余計な要因を与えられてしまうから不自然になっていく。」である。

その余計なものを一緒に考え見つけ、こちらの経験や研究成果の例を提唱しながら一緒に元の自分、一番最初の大切な自分を探しにいくのが僕のレッスンや企画なのかもしれないなと思った。

最新の情報や技術は、”そんな元の自分”がいれば好奇心のもとワクワクでこちらが誘導せずとも勝手に自分から探してみたりやってみたいと思うはずだ。

この余計な恐怖、不安、緊張によって邪魔されている自己肯定感が低いまま新しい情報や技術をこちらが提示しても継続は難しい。

”自分でやってみたくなる”

そんな風に僕の演奏やレッスン、企画を体感した人には元気になってもらえたら僕は幸せなのかもしれない。

そう、今アウトプットしていて思った。

最後までお読みいただきましてありがとございました。

Thank you so much.
Hope your music life will be fantastic,
 or keeps being lovely.

Kazz




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