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本番用の練習をする(音楽)

自分の練習でもとりわけ集中して行わないと、練習のための練習になりやすいのが個人練習です。

どうしてもその場、その空間に合わせた練習になりやすく
・一人で
・お客様はおらず
・狭い部屋
・その場で聞こえた感じ
に合わせてしまいます。

しかし本来、練習は舞台の上や大勢のお客様をにお聞かせするコンサートで思い通りに演奏を行うためにあります。

今日はそのためにできる練習中の無意識を意識化する話です。

1、練習する箱

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これが一番よく見受けられますし、起きやすいのですが、本番で使用されるような大きな空間で音楽を目一杯表現するトレーニングが必要です。

大豪邸やホールを所持でもしていない限り我々が個人で練習を行う場所は大きくて公民館のホールや音楽室、小さなものならカラオケの一室や1〜2畳の防音室でしょう。または気候が良ければ河川敷などで練習する人もいます。

しかし、実際本番で使用するホールは大編成のアンサンブルであるオーケストラや吹奏楽、金管バンドだと中型のホールで400~700席、大型だと800~1200席のホールで演奏される機会が多いです。

小編成アンサンブルやソロの舞台でも50~300席あります。
間違い無く言えるのは

普段我々が練習をしている部屋よりも確実に広いです。

公民館の練習室や音楽室でさえ、小ホールの3〜4分の1程度の大きさしかありません。

これを踏まえて考えるとどれだけ小さい部屋で練習をしていようが、普段の練習からその部屋の4倍、10倍、100倍広い場所で演奏を行なっているかのように

・大きい音
・小さい音
・表現の幅
etc

など演奏をする上で行う音楽的表現はそのホールの大きさを想定して練習をする必要があります。逆も然りで小さめの50席ほどのホールで2000人規模のホール並みの音量で吹くべきではありませんが、表現の幅や次第ではその50席のホールにいるお客様にまるで2000、10,000席あるホールやドームで演奏を聴いているかのような幅広い音楽表現を伝えられるように練習を行います。

逆に大ホールやドームでもものすごく小さく、か細い小さいなホールや場所で演奏をしているような表現も必要になってきます。

つまりどのような環境で個人練習を行なっていても我々は常に本番が行われるであろう場所をある程度想定して練習を行う必要があります。

夏の吹奏楽コンクールでも機会があれば実際にコンクールを行うホールを借りて練習などされますよね?

あれは自分の中にイメージをつけやすくし、小さい練習部屋で練習を行なっていてもイメージを膨らませより幅広い表現を身につけ実際の会場でも通用する音楽を提供するためにあります。

個人練習の小さい部屋”用”に音楽を作るのではなく、大方はより大きいであろう実際の会場を想定して練習を行います。

2、練習用の音

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1に付随しますが、合奏の始まりにチューニングを行なったり、個人練習の始まりにウォームアップや基礎練習をしてから複雑な練習に入る人が多いです。

このチューニングやウォームアップ、基礎練習を行なっている最中にそれだけに集中をしてしまい、

チューニング、ウォームアップ、基礎練習用の音を作り”ただ”消化することに気をつけましょう

指揮者として活動しているとよく遭遇しますが、チューニングで音程を合わせて次にそのチューニングの音を主音に音階を演奏してもらいます。

すると最初の音の時点で音程や音色、バンド内でバラバラになってしまうことが多いです。

もちろん、チューニングと音階のトレーニングの目標が違うせいもありますがウォームアップもチューニングも基礎練習も全て

音楽を表現するためにあります。

チュー二ングの際にチューニング用の音
ウォームアップもウォームアップ用の音
基礎練習も基礎練習用の音

つまりこれらの内容が相互に、また実際に本番で演奏する曲の表現に結びついていない場合が多々あります。

例えば1週間後に演奏会がありそこで数曲演奏するとなった場合

ウォームアップ、チューニング、基礎練習など様々な練習がありますが、それら全てその1週間後の演奏会のためにあります。

そこへリンクするように様々な練習があるべきです。
以前のブログでも書きましたが練習は全て本番のためにあります。

ぜひどんな練習も”本番で〇〇したいからやる”という相互リンクさせながら行いましょう。練習のための音にならないように

3、本番用の練習をする

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練習でできなかったことが本番で突然できるようになる可能性はあまり高くありません。(不可能ではないです)

1で書いた空間の違い、2で書いた本番用の音、これら場所と実際に鳴らせる音を意識して行う練習は大変重要になりますし、いざ本番!という時により思い通りに演奏することが可能になります。

さらに本番近くなったら実際に
・衣装を着て練習をしてみる
・本番当日の1日の流れを順序立ててイメージしてみる
・MCがあるなら実際に声を出す
・控え室からステージへ出て演奏をし、終わって控え室へ戻るまでの一連の動きをイメージや実際に行なってみる

これらの練習は緊張しやすい方にとても有効ですし、そうでない方もお客様によりスムーズな進行をお届けできるようになりますのでとても有効です。

まとめ

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僕たち人間はその場や環境に合わせて自分を変化させ適応していく能力を持っています。

なので小さい部屋なら小さい部屋、誰もいない部屋ならそれ用に意識や動作を変えていきます。

これが良い方に影響することばかりなのですが、演奏会に至っては非日常の空間を提供する場でもあるめ我々自身がその環境の変化に適応しずらくなることもあります。

しかし、常日頃からの練習を本場用に想定しながら行うことでより思い通りの演奏、つまり個人で、バンドで練習している時にやりたかった演奏が本番の舞台でも発揮しやすくなります。

ぜひ、練習用&本場用と自分の表現を分別せず(無意識です)、いつでも本場用にたくさんのお客様の前で演奏しているつもりで練習をするとより楽しいです。お試し

ご読了ありがとうございました。


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