見出し画像

マウスピースでのバジング&フリーバズ

おはようございます。

河野企画代表、チューバ奏者、指揮者の河野一之です。

昨夜は尊敬する素晴らしいマルチアーティストのお1人に時間をもらい「どうやったらもっと自分を世のために活用できるか」相談させてもらった。

芸術や心理の勉強ばかりしていて、自分に弱い部分、というか専門的に深く考えたことがなかった部分なので聞くこと全てが新鮮で素晴らしい時間でした、ありがとう、とても感謝しています。

話を戻し、
今日の記事では賛否両論分かれる話

マウスピース&フリーでのバジングの話

今日紹介するのは二種類のバジング(Buzzing)。

バジングとは蜂とかがブンブン飛び回る様子を表す言葉だけれども、僕たち奏者の間では唇の両端を引き締め唇を閉じ気味にし息を吹き込んでブーーっと鳴らす動作をバジングと呼ぶ。

唇をパタパタと震わせるだけではなく、より細かく震わせることによりより音程が聞こえるようにする動作だ。

マウスピース(以後:MP)を使ってのバジングはこんな感じ

フリーバズ(Free Buzz)といってMPなしで唇だけで行うものはこれ

この二つの練習方法を紹介する。

効果

この練習の効果は様々あるけど主に

・楽器本体が持つ抵抗感に頼らず演奏できるようになる。
・音程感がつく。
・息のトレーニングになる。
・ウォームアップに最適。

この4つだ。

1つずつ深堀していく

楽器が持つ抵抗に頼らず演奏できるようになる。

金管楽器の長さはトランペットで約140cm、最も長いチューバで約10mにもなる楽器だ。

またそれぞれの管が全て一直線上に繋がっているわけではなく、くねくねと曲がりくねったり管のつなぎ目で分岐点があったりする。

画像1

なので息を入れたり、楽器を吹く(MPを挿してバジングをする)と息が跳ね返ってくるような抵抗を感じる。

この抵抗によって楽器の演奏が楽になったり、逆に息が跳ね返され大変になったりするのだけど、マウスピースやフリーバズでの練習を行なっていくとこの抵抗を感じにくくなっていく。

それは

・決められた音程で鳴らすことで楽器が響きやすくなる。

Bb管の楽器でバルブを何も押さない解放音にBb以外の音を想像しながら吹こうとするとものすごい抵抗を感じたり濁った音が鳴るのはわかるだろうか

音が外れたりするのもこの頭の中に鳴っている音=吹こうとしている音&楽器の音程、つまり管の長さが合っていないからだ。

演奏している最中に僕たち自身の音程感に楽器が自動的に管の長さを数ミリ変えるとか調整はしてくれないのではじめにチューニング管を大体の位置に決めたらあとは脳内にできるだけ決められた音程(442hzとかイギリスなら440hzとか)を設定しそれを基準に吹く方が楽器はより響いてくれる。

なので予めピアノなどの音を出せる基準にできるものと一緒にバジングの練習をしておくと楽器がもつ音程に抵抗をせずスムースに鳴らす補助ができる。

画像3

・音程感が付く

僕自身、絶対音感があるわけではないのでこんな感じであるが、唇を何も考えずブーーーっとバジングをしても適当な音程がなるだけだが、鼻歌でも歌い、しっかり頭の中に鳴らせたい音程をイメージしたあとだとしっかり鳴ってくれる。

この音程感を付けるためにバジングの練習は併用して行える。

一番は歌ったり、聴音という自分が聞いた音がなんの音だったのか鳴った音と自分の認識している音のズレを合わせていく練習も効果的だけれども手軽にできるのがこのピアノを使ってのバジング練習。

AndroidやiOS携帯の両方で無料のピアノアプリが落とせる。

ブラウザver.

それを使い、音階や半音階、時には分散和音などを弾きながらそれに合わせてバジングをするのである。

もし音を耳で狙うのが難しかったらまずはチューナーを使い自分が鳴らせている音がなんなのかを確かめたり、実際に歌って音の高低差、上げ下げの仕方を歌や口笛で感覚を取ってみても良い

こうすることで音程感が徐々に身についていき楽器の演奏がより楽になる。

息のトレーニングになる。

楽器にマウスピースを付けて息を流すのよりも、何もせずただ息をフーっと吹いていくのだと楽器の方が抵抗がある分息が持ちやすい。

しかし、MPや何もない状態だと抵抗がほぼ無い分、息のコントロールが難しくなる。

つまり負荷を感じやすくなるので練習に最適だ。

MPやフリーバズでは普段よりもより息を吸い吐かないと豊かな音が鳴らなない。重りを持って歩いた後に重りを無くして歩くと身体が軽く感じるのと一緒で、抵抗が少なく息が持っていかれる状態で練習した後楽器を使うとより簡単に感じるはずだ。その訓練に効果的となる。

ウォームアップに最適

とんかつをあげる前に肉を柔らかくするため肉を叩く。

唇がより良く振動するためには、唇や唇の周りの筋肉や肉が柔らかい方が柔軟性が高まり振動しやすくなる。

そのためにフリーバズやMPでのバズを使うことでより息が流れた際の唇の反応を良くすることができる。つまりウォームアップとなる。

画像4

総括して

これら4つの効果全てが息をしっかり吸い吐き、身体を正しく使って行われるべきというのは言うまでも無い。

できるだけリラックスをし、必要な箇所のみ筋肉を使い、呼吸をしっかりと取ってから行なって欲しい。

賛否両論

バジングやMPを使っての練習は賛否両論ある。

人によっては「必要ない、むしろ下手にさせる」とまで言う人もいるけれどもそれはどの練習も同じだ。

あくまで練習”方法”というのは千差万別で、その時その瞬間自分が興味を沸いたらやってみればいいしそうでないならやる必要はない。

ここに書いたことも僕の実体験と研究の途中発表でしかないし、自分だって10年後同じ練習をしているとは思わない。

また反対派の意見で、楽器本体を鳴らせている時にそのまま口を離していくとバジングが発生しない。なのでバジングで演奏している時と楽器本体と演奏している時の奏法は違う、つまり意味がない。

という意見もある。確かにこれも一理ある。なので僕が提唱するのは

MPやフリーバズは練習方法の一環で、「MPやフリーバズ」を上手になることを目的としていない。

楽器を上手に、楽に演奏できるようになるためにブレスビルダーを使って呼吸筋を鍛えている時と、楽器を実際に演奏している時にしているブレスの取り方や吐き方が全く同じになるとは僕も思わない。でもブレスビルダーは練習補助器具として広く認知されている。これと同じだ。

なのであくまで練習方法の一環、自分で何か楽器演奏のヒントを得るための通過点として音程を取りやすくしたり、呼吸を強化したり、ウォームアップとしてなど色々な目的を持ってやってみるのをオススメする。

またいきなり音が最初から鳴らない人もいる。慣れていないだけなのでもし何かしらの効果を期待するのであれば最低でも1週間〜3週間は続けて欲しい。

筋トレも1日、2日やっただけでは身体に変化がでないのは想像しやすいよね?それと同じ

画像5

最後に

MPやフリーバズや楽器がなくても手のひらサイズのMPだけで行える気軽な練習の割に高い効果を持つ練習である。

直接的に楽器演奏時と同じ奏法ではないにしろ、これを行うことで楽器演奏時に使用する様々な技術を鍛えられる。

僕はこれで音域も広げることができたし、何よりよりスムースに息が入り、唇の振動も楽器に伝えられるようになり楽に演奏できるようになった。

まだまだ高められそうなので引き続き続けていく。

All the best.
Thank you

Kazzy


いいなと思ったら応援しよう!

音楽家 Kazzのnote
サポートして頂いた支援は全て金管楽器や金管バンドの奏法の研究、音楽を使ったエンターテイメントの発展に使用させていただきます。